㈱クエストリー 社長 櫻田弘文「ブランディング」通信 | 経営者会報 (社長ブログ)
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マスキングテープ「mt」はどうやって生まれたのか?
「小さくても光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
当たり前ですが、世の中には知らない世界が山ほどあります。
その一つが先日の「mt博」で初めて知ったのはマスキングテープです。
正直申し上げてマスキングテープをなめていました。こんなに多様性と拡張性があるとは知りませんでした。
今年の4月に入社した女性メンバーの大西が「マスキングテープ、マスキングテープ・・・」と
その素晴らしさを語っているのは知っていました。
今週初めには月島で開催している「mt博」に行って来た話を他のメンバーに語っていました。
それに刺激されたのが同じくメンバーの金田。
「いっしょに行こう」とかなり無理やりに「mt博」に連れて行かれたのです。
でどうだったかと言うと、自分の目で見なきゃあわからないものです。
なんだこの世界は言った感じ。久しぶりに軽い衝撃を受けました。
下記の画像は全部マスキングテープでデコレーションされています。
会場は女性比率が99%、しかもそのうちの80%以上はおそらく20代。
所在なげに会場にいる男性は僕と同様に連れて来られたのでしょう。
お互いに時折り、苦笑がちに目線を合わせています。
会場の雰囲気もあるのかもしれませんが、女性たちは大声を上げるわけではなく、
求道者のように黙々とマスキングテープを選び、展示作品を観ています。
そもそもマスキングテープの僕の概念は、マスキングの言葉通り、
主に工事やプラモデル製作の際の塗装に使用するもの。
基本的には地味な業務用やマニアックな個人用というイメージがありました。
どちらかと言えば、男性の匂いがする品ですd。
ところが今回マスキングテープの概念が一変しましたね。
若い女性にとって「mt」はまさにブランドなんですね。
まあ、このあたりは言葉で説明してもわからないと思いますので、画像を見てください。
若い女性たちが惹かれる理由がわかります。
今回の「mt博」の主催者は岡山県倉敷市に本社がある「カモ井加工紙株式会社」。
気になったので、同社のホームページやファンのブログを調べてみました。
大正12年創業の「カモ井加工紙株式会社」のスタートはなんだと思いますか?
実は「ハエ取り紙」のメーカーでした。そうです、あのぺらぺらした紙にハエが止まるやつです。
昭和40年から50年頃は国内シェアNo.1だったそうです。
しかし、その後、日本の衛生状態が急激によくなりハエ取り紙の需要は激減。
強い危機感を抱いた同社は粘着紙技術を生かして建設現場や製造メーカーなどでは
おなじみのマスキングテープを発売。全国第2位のメーカーに成長したのです。
ある意味ではこれが同社にとって第2の創業ですね。
さて、2006年に東京から3人の女性が工場見学を希望してやってきました。
彼女たちはデザイナーとアーティストとカフェオーナー。熱列なマスキングテープのファンだったのです。
彼女たちの目的は工場見学だけではなく、オリジナルマスキングテープが作りたいというものでした。
しかし、マスキングテープは工業製品で、同社が製造していたのは生産ロットの大きい業務用でした。
彼女たちは小ロットのオリジナルを諦めて帰っていきました。
しかし、工場を案内した社員には
「これは新しいビジネスチャンスかも」とピンとくるものがありました。
この社員は社内の反対の声を説得し、1年半をかけて3人の女性たちと悪戦苦闘の末
2006年にマスキングテープ「mt」シリーズを作り上げたのです。
同社が発表した「mt」シリーズは、実にファンシーでカラフルでした。
従来のマスキングテープの概念を一気に変えるパワーを持っていたのです。
販路はこれまでの大手企業やホームセンターではなく、
小さな雑貨屋さんやカフェを対象にしたのです。
しかし、大手とのビジネスが主流だった同社にとっては、
小さくて手間のかかる新しいビジネスは、これまでの営業とはまったく勝手が違いました。
小売店を対象にした手間のかかるビジネスに現場からは不平不満が次々と噴出します。
しかし、カリスマ的なマスキングテープファンにより、
マスキングテープの魅力や使い方をまとめた本が次々と出版されると状況は一変しました。
ファンサイトも開設され、何とファンレターが会社に届くようになったのです。
さらに2008年にはグッドデザイン賞を受賞。
パリの世界的なインテリアの見本市「メゾン・エ・オブジェ」にも出展すると
人気に大きく火がついたのです。
いまでは、国内の雑貨屋や文具店だけにとどまらず、海外からも定期的に注文が入るそうです。
「mt」シリーズは、広告の力を一切使うことなく、
熱烈なファンの口コミだけで大きな売上げにつながったのです。
そういう意味ではマスキングテープの新しい世界を作り上げたのもファンですが、
「mt」をブランドに育てたのもファンなのです。
「マスキングテープ mt」 http://www.masking-tape.jp/
「カモ井加工紙株式会社」 http://www.kamoi-net.co.jp
当たり前ですが、世の中には知らない世界が山ほどあります。
その一つが先日の「mt博」で初めて知ったのはマスキングテープです。
正直申し上げてマスキングテープをなめていました。こんなに多様性と拡張性があるとは知りませんでした。
今年の4月に入社した女性メンバーの大西が「マスキングテープ、マスキングテープ・・・」と
その素晴らしさを語っているのは知っていました。
今週初めには月島で開催している「mt博」に行って来た話を他のメンバーに語っていました。
それに刺激されたのが同じくメンバーの金田。
「いっしょに行こう」とかなり無理やりに「mt博」に連れて行かれたのです。
でどうだったかと言うと、自分の目で見なきゃあわからないものです。
なんだこの世界は言った感じ。久しぶりに軽い衝撃を受けました。
下記の画像は全部マスキングテープでデコレーションされています。
会場は女性比率が99%、しかもそのうちの80%以上はおそらく20代。
所在なげに会場にいる男性は僕と同様に連れて来られたのでしょう。
お互いに時折り、苦笑がちに目線を合わせています。
会場の雰囲気もあるのかもしれませんが、女性たちは大声を上げるわけではなく、
求道者のように黙々とマスキングテープを選び、展示作品を観ています。
そもそもマスキングテープの僕の概念は、マスキングの言葉通り、
主に工事やプラモデル製作の際の塗装に使用するもの。
基本的には地味な業務用やマニアックな個人用というイメージがありました。
どちらかと言えば、男性の匂いがする品ですd。
ところが今回マスキングテープの概念が一変しましたね。
若い女性にとって「mt」はまさにブランドなんですね。
まあ、このあたりは言葉で説明してもわからないと思いますので、画像を見てください。
若い女性たちが惹かれる理由がわかります。
今回の「mt博」の主催者は岡山県倉敷市に本社がある「カモ井加工紙株式会社」。
気になったので、同社のホームページやファンのブログを調べてみました。
大正12年創業の「カモ井加工紙株式会社」のスタートはなんだと思いますか?
実は「ハエ取り紙」のメーカーでした。そうです、あのぺらぺらした紙にハエが止まるやつです。
昭和40年から50年頃は国内シェアNo.1だったそうです。
しかし、その後、日本の衛生状態が急激によくなりハエ取り紙の需要は激減。
強い危機感を抱いた同社は粘着紙技術を生かして建設現場や製造メーカーなどでは
おなじみのマスキングテープを発売。全国第2位のメーカーに成長したのです。
ある意味ではこれが同社にとって第2の創業ですね。
さて、2006年に東京から3人の女性が工場見学を希望してやってきました。
彼女たちはデザイナーとアーティストとカフェオーナー。熱列なマスキングテープのファンだったのです。
彼女たちの目的は工場見学だけではなく、オリジナルマスキングテープが作りたいというものでした。
しかし、マスキングテープは工業製品で、同社が製造していたのは生産ロットの大きい業務用でした。
彼女たちは小ロットのオリジナルを諦めて帰っていきました。
しかし、工場を案内した社員には
「これは新しいビジネスチャンスかも」とピンとくるものがありました。
この社員は社内の反対の声を説得し、1年半をかけて3人の女性たちと悪戦苦闘の末
2006年にマスキングテープ「mt」シリーズを作り上げたのです。
同社が発表した「mt」シリーズは、実にファンシーでカラフルでした。
従来のマスキングテープの概念を一気に変えるパワーを持っていたのです。
販路はこれまでの大手企業やホームセンターではなく、
小さな雑貨屋さんやカフェを対象にしたのです。
しかし、大手とのビジネスが主流だった同社にとっては、
小さくて手間のかかる新しいビジネスは、これまでの営業とはまったく勝手が違いました。
小売店を対象にした手間のかかるビジネスに現場からは不平不満が次々と噴出します。
しかし、カリスマ的なマスキングテープファンにより、
マスキングテープの魅力や使い方をまとめた本が次々と出版されると状況は一変しました。
ファンサイトも開設され、何とファンレターが会社に届くようになったのです。
さらに2008年にはグッドデザイン賞を受賞。
パリの世界的なインテリアの見本市「メゾン・エ・オブジェ」にも出展すると
人気に大きく火がついたのです。
いまでは、国内の雑貨屋や文具店だけにとどまらず、海外からも定期的に注文が入るそうです。
「mt」シリーズは、広告の力を一切使うことなく、
熱烈なファンの口コミだけで大きな売上げにつながったのです。
そういう意味ではマスキングテープの新しい世界を作り上げたのもファンですが、
「mt」をブランドに育てたのもファンなのです。
「マスキングテープ mt」 http://www.masking-tape.jp/
「カモ井加工紙株式会社」 http://www.kamoi-net.co.jp
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