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2012年04月27日(金)更新

佐々木俊尚氏の「当事者の時代」を読んで

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースするクエストリーの櫻田です。

「当事者の時代」(佐々木俊尚著)と言う本を読み終えました。
最初はてこずりましたが、半分あたりから一気に読みました。

読み終えて久しぶりに強いインパクトを受けました。

「マイノリティ憑依」を主軸に「当事者」になると言うことはどういうことかを論じ、
そのバラダイムを突破する可能性を探った内容は深く、そして難しい。

著者の佐々木氏は1961年生まれですので、僕よりも6つ年下ですが、同時代性を感じます。
高校、大学時代に読んだ小田実氏や本多勝一氏のことやその著書も論じられていますが、
そう言う見方もあったのかと何十年ぶりに驚かされました。

終章の書かれている新宿西口バス放火事件や昨年の東日本大震災の話は、
当事者になることによる背負うものの重さを深く考えさせられました。


2012年04月20日(金)更新

接客の肯定と否定

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースするクエストリーの櫻田です。

先日メガネのファッションコーディネーターの方を取材した時のこと。
「日本の小売店は、お客様に商品をすすめる時に
“いいですね、お似合いですよ”とは言うけれども、
その反対の“ダメです、似合いません”とは言わない。」そんな話題になりました。

その時は何気に聞いていたのですが、これってすごく大事なことです。
買ってもらいたい一心から媚びを振るような接客に時々出会います。

機嫌を損ねたくないと思い、“いいですね、お似合いですよ”を連発するのですが、
それが本気かどうかは“?”です。

接客の基本は“相手に喜ばれ、結果として成約につながること”ですが、
それは必ずしも肯定だけから生まれるとは限りません。

時には明確な否定も必要ではないかと思います。
もちろん、否定するだけの根拠がなければ、お客様に不快感を与えるだけです。

私たちはともすれば自分にとって無難な選択をしがちです。
冒険しようと思っても、結局はいつもと同じ買物になることが結構ありますよね。

とくに大きい買物ほど無難なものを選ぶ傾向があります。
無難な買物の背景にあるのは、失敗したくないと言う気持ちです。

やはりはっきりとした選択肢を提示するのがプロの仕事です。
失敗しない買物の知恵は“似合うものよりも、似合わないものを知ること”。

冒頭のコーディネーターの言葉通り、
“これは似合うけど、これは似合わない”と言えるのが本物のプロの力ではないでしょうか。

2012年04月09日(月)更新

「ブランディングセッションin山梨」を、5月17日(木)に開催します。

なぜ「ブランディング」なのか? なぜ「山梨」なのか?


■ 大きく変化した中小企業の経営環境

㈱クエストリーの代表である私は、1955 年に南アルプス市(旧中巨摩郡)で生まれました。
東京での大学生活を終えた後、マーケティング&SP の会社に22 年間勤務。
2001 年に退社をし、㈱クエストリーを創業しました。今年で丸10 年目を迎えます。

この10 年間で中小企業を取り巻く環境は激変しました。
失われた10 年と呼ばれたバブル崩壊後の構造的な不況、
世界がひとつにつながったグローバルな競争社会、リーマンショックによる世界金融危機、
そして3.11 の東日本大震災、原発事故、超円高………。
 

振り返りますと、中小企業にとってこの10 年間は経済的な打撃もさることながら、
経営に対する考え方を根本から大きく変えざるを得ない事実を次々とつきつけられたのです。
もはや他と同じことをやって、みんなで伸びられる「同質化経営」の時代ではありません。



■ 中小企業こそが日本経済の屋台骨です

同質化経営の行く付く先は“価格と量とスピード”の不毛な競い合いであり、
資本力に勝る大手が圧倒的に有利です。
しかも、競争相手は地元や国内だけではなく世界へと広がっています。
中小企業が絶対に選んではいけない経営のシナリオが同質化競争なのです。
 

全国には約430 万社の中小企業があります。
その数は日本の企業数の99.7%であり、雇用の約7 割を占めます。
中小企業こそが日本経済の屋台骨であり、
その中小企業が元気でなければ日本の行き先は暗澹とした状況しか描けません。
もちろん、山梨県もまた同様です。


私たちが一貫して問い続けてきたのは「中小企業のブランディング」です。
「ブランディング」は一時的なノウハウや対策ではありません。
非常に多様な要素を一つひとつ結合し、多くの人を巻き込みながら、
目指すべきミッションを象徴的に表現する経営のあり方です。


■ 中小企業を光輝かせるのは「ブランディグ」

これからの中小企業の経営に求められるのは、自社の持っている独自の価値を発見、創造し、
“ 人々が幸せになる”ために、その価値を最大限に生かす「ブランディング」です。
これは私たちが携わってきた数々の先進的な中小企業の成功事例が教えてくれる事実です。


「 ブランディング」が本来そうであるように、
多種多様なモノ、技、人、場所などの組み合わせから、時代を切り開く新しい兆しや動きが生まれます。
それを後押しするもののひとつが「 ソーシャルメディア」です。
これは中小企業にとって強い味方となるツールです。


今回の「ブランディングセッションin 山梨」は、久米繊維工業の代表取締役、久米信行氏を迎え、
「 ソーシャルメディアがブランドコミュニティをつくる」と題して開催します。
この機会が、山梨の中小企業が元気になるひとつのきっかけとなればと願わずにはいられません。


ぜひ、ご参加をご検討ください。


「ブランディングセッションin山梨」
■日 時:5月17日(木) PM14:00~17:30
■会 場:甲府商工会議所・会議室201
■参加料:5,000円(税込)

 ●詳細は → http://www.questory.co.jp/

2012年04月02日(月)更新

物語で商品・サービスをくるむ

「コツコツと努力しなければ偉い人にはなれないぞ」、
両親や目上の人からこんな風に言われたことってありませんか。
言われているけど、ちょっとカチンときますね。
とくに若い時には教訓的な話にはアレルギーを感じるのかもしれません。
 
イソップの寓話の「うさぎとかめ」の話をご存じだと思います。
丘の上までの競争でうさぎは途中油断して昼寝をしてしまいます。
かめはコツコツと一歩ずつ歩んでいき、最後にはゴールに到着します。

これって先ほどの「コツコツと努力」と同じ話ですよね。
 
ブランドは「幸せな記憶のスタンプ」ですが、
記憶に残らなければ、価値は生まれません。

記憶に残るためには「物語」が必要です。
ここで言う「物語」とは、商品やサービスの“モノ”としての価値に、
“思い”や“世界観”などの情緒的な価値を付加することです。
 
私たちは「物語」を3つに整理しています。

ひとつは“創り手の物語”です。
商品のバックストーリーを伝えることです。
どんな思いで作ったのか?どんなこだわりがあるのか?
“創り手”にとっては当たり前でも、
消費者からみると価値に思えることがたくさんあります。
 
2番目は“助け手の物語”です。
“助け手”とは消費者との接点にいる人たちのことですね。
小売店は“助け手”の代表です。インターネットのEショップもそうですね。
なぜこの品を選んだのか?どこに惚れたのか?………
これらが“助け手”の物語コンテンツです。
 
3番目は“使い手の物語”です。
その商品やサービスがあることによって、
どのような素晴らしい“コト”が起きるのかが物語の中心になります。
誰に伝える「物語」なのかを明確にすることがポイントですね。
別な言い方をすると、これは“体験価値”です。
 
価格や量やサービスの競争を無視するということではなく、
時にはそれも必要ですが、商品やサービスを目指すべきお客様に合わせて
“物語”でくるんで提供しなければ、中小企業に未来はありません。
あなたの会社ならではの「物語」を発信しましょう。

 

 

会社概要

(株)クエストリーは2003年に「店がブランドになる」ことを支援・プロデュースするために設立されました。「店がブランドになる」ためのプロセスをわかりやすく整理し、具体的な成果につながるコンサルティング、プロデュース、クリエイティブを展開しています。代表取締役の櫻田弘文は、これまでに300社以上...

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個人プロフィール

1955年生まれ、自然豊かな山梨県南アルプス市で育つ。高校卒業後、大学に進むが、学業には目を向けず、芝居に夢中になる日々を過ごす。大学卒業後、広告・マーケティング会社に入社。5年区切りで、コピーライティング、広告プランニング、マーケティング、店舗開発、マネージメント指導などの業務を経験する。2...

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