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2012年08月10日(金)更新

“モウカル”、“タスカル”………ふたつのアイディアの視点

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースするクエストリーの櫻田です。

新しいメンバーを採用する必要があり、このところ応募書類に目を通したり面接を行っています。
正直いって30分程度の面接ではわかりません。
採用の判断はいろいろとあると思います。

能力の高さや人間性の素晴らしさはもちろんことですが、
「何かもうひとつ大事なものがあるような」と感じていた時に思い出したが、
コピーライターの「眞木準」さんです。













眞木さんは残念ながら、2009年6月22日に60歳の若さで亡くなられたました。
お会いしたことはありませでしたが、そのコピーは覚えています。
 
全日空「でっかいどお。北海道」、サントリー「あんたも発展途上人」、TDKテープ「イマ人を刺激する」、
伊勢丹「恋を何年、休んでますか。」など、時代の雰囲気を表した洒脱なコピーを書かれた方です。
僕も影響を受けた一人です。
 
「カンビールの空カンと破れた恋は、お近くの屑かごへ」も眞木さんでした。
そういえば週刊誌の「AERA」や商業施設の「PARCO」も眞木さんのネーミングです。

その眞木さんの著書に「ひとつ上のアイディア。」(インプレス)という本があります。
 
クリエーター20人のアイディアづくりの技術、ノウハウ、経験、哲学を取材して編集した本です。
本のイントロダクションに、アイディアに対する眞木さんの思いが書かれています。

眞木さんは、アイディアは日常の中にたくさんあり、
アイディアにかかわらない人はまずいないといい、続けてこんな一文を寄せています。
 

「ビジネスでもてはやされているアイディア、
つまり高い対価を支払ってでも求められるアイディアとなれば、若干の条件がつく。
それは“モウカル”ことだ。
いまビジネスシーンで注目されているアイディアといえば(中略)、すべて“モウカル”、
あるいは“モウカル”可能性が感じられるものばかりだ。」
 
「“モウカル”アイディアを持っている人が本を出せばベストセラーとなり、
セミナーには参加者が長蛇の列をなす。
だが、私は“モウカル”のは結果だと思っている。
アイディアの純粋な目的は、あくまでも“タスカル”ことにあるのではないだろうか。」
 
「例えば、夜にロウソクやランプの光の下で本を開いて読むのは、
光量も十分ではなく、ときには炎の揺らめきも起きるだろうから、あまり適当な環境とはいえない。
この状況を改善したのは電球というアイディアだが、これは“モウカル”ために考え出されたものではない。
やはり“タスカル”ために考案されたアイディアだ。」
 
「アイディアはこの“タスカル”を実現するために考え出される。
そして“タスカル”ものは、広く求められるところとなり、結果として“モウカル”のである」



もちろん“モウカル”ことは大事なことです。
しかし、“モウカル”を実現するには、“タスカル”視点が不可欠なのです。

眞木さんが書かれているように、“タスカル”ものは、広く求められるところとなり、
結果として“モウカル”のです。

僕たちがいっしょに働きたいのは「タスカル」という発想ができ、
結果として「モウカル」ことを実現できる人です。


クエストリーでいっしょに働きたい若い方、いませんか?
 
 

2012年08月07日(火)更新

「見える!」・・・これってやっぱり力です

 「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
お取引先を訪問した時に、店内はきれいなのにバックヤードや事務所に入ると
ぐちゃぐちゃってことが結構あります。

書類は山積み、備品が散乱、不要なパッケージもあれこれ・・・。

そんな時にお勧めするのが、汚れているところを写真に撮って貼り出すこと。
 
きれいに片付いたところから剥がしていくのですが、
「汚れている」という抽象的な感覚で物事をとらえると人によって温度差が出ますね。

要はこの程度は汚れているうちに入らないということです。
写真は根本的な対策ではないのですが、基準を揃えるのに向いています。
 
よくいう「見える化」ですが、目に見えるようにすると印象が大きく違います。

順番に写真が剥がされていくと、まだ片付いていないところが気になるのも人の心理。
不思議なもので、全部剥がそうという達成感も生まれてきます。
 
ちなみにバックヤードがきれいになると、仕事の質が上がります。
中途半端に売場に費用を投じるならば、バックヤードをリニューアルした方がいいね。

それと、社員の休憩室がひどすぎるケースも目立ちます。
ここも快適にするとバックヤード同様に質が高まります。

 
写真でもそれなりの効果があると思っていたら、もっとすごいのがありました。
これは「ユニークなバス停広告23選」というサイトにあったもの。


 
「Rubbish Since Monday(月曜日からの廃物)」とタイトルが付いたこの取り組みは、
バス停付近で落とされたゴミを、週の始めの月曜日から蓄積して見せるというクリエイティブ。

「目に見える」ということを大胆にやった取り組みですね。
バス停は毎日利用するだけにインパクトがあります。

こういうのを見ると「クリエイティブの力」を感じます。
 
世界のユニークなバス停広告23選→http://blogtimes.jp/blog/2011/08/10152.html
 

2012年08月06日(月)更新

気持ちが楽になる言葉・・・「So What」

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
ジャズの帝王「マイルス・デイビス」が作曲した名曲のひとつに「So What」があります。
1959年のアルバム「Kind of Blue」の1曲目に入っていますね。



「マイルス」は1926年生まれですので、
このアルバムを発表した時は33才ですが、すでに帝王の片鱗を感じさせます。
 
ジャズに興味のない方にとってはどうでもいい話かもしれませんが、
「Kind of Blue」の「So What」はまるで会話を交わしているような演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=DEC8nqT6Rrk

「ビル・エバンス」のピアノと「ポール・チェンバース」のベースのひそひそささやくような演奏で始まります。
 
そこに「マイルス」のトランペットが「それがどうしたんだ」とクールに加わります。

さらに、サックスの「ジョン・コルトレーン」と「キャノンボール・アドレイ」が参加して、意見を言い始めます。

最後は「やっぱりどうってことないな」とつぶやくように終わる。・・・こんな感じですね。
 

ジャズの話は別として、英語で「So What」はよく使われます。

日本語に訳すと、微妙なニュアンスがありますが、
「誰も気にしないさ」「どうでもいいじゃない」「それがどうした?」といった感じでしょうか。

状況に応じては突き放したような「だから何なの?」という強いニュアンスになるかもしれません。
 
経営は迷いの連続といってもいいかもしれません。
わかっていても、周りの条件や環境のせいにしたくなります。

自分には向いていないと思ってもおいしい話にはどうしても心が動きます。
自分に対する批判的な情報には気持ちが折れそうになりますよね。
 

そんな時にちょっとつぶやいてみてください。

「So What」・・・「誰も気にしないさ」「どうでもいいじゃない」「それがどうした?」

ちょっとだけ気持ちが楽になると思いますよ。

できれば「やっぱり自分の道はこれだよな」というぶれないことの確認も忘れずにね。
 
ちなみに「So What」は「マイルス・デイビス」の口癖だったようです。
帝王といわれた男にも迷うときがたくさんあったんだろうなあ。
 

2012年08月02日(木)更新

「金子みすゞ」と「ブランディング」

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。



 

もう10年近く、月の初めにハガキをくれる知り合いがいます。

その時々に感じたことや気になる言葉が書かれているのですが、
昨日届いたはがきには「金子みすゞ(かねこ みすず)」の詩が書かれていました。
 
ご存知の方も多いと思いますが、「私と小鳥と鈴と」という詩です。
あらためて読んでみると心に響きますね。
 
「違い」や「強み」はブランディグでは重要な要素ですが、
ライバルに勝つための「違い」や「強み」ではなく、この詩のように
「みんなちがって、みんないい」・・・これがブランディングのバックボーンです。

 
私と小鳥と鈴と」
 
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。
 
私がからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんの唄は知らないよ。
 
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。


 
こういうとちょっと変な見方と思われるかもしれませんが、
「私と小鳥と鈴と」だけではなく、「金子みすゞ」の詩には
ブランディングにつながることがたくさん書かれているように感じます。
 
例えば、「土」という詩にもそれを感じます。
一つひとつの道に役割があるように、一つひとつの店や会社に「ミッション」があるのだと思います。
 

「土」
 
こッつん こッつん
ぶたれる土は
よいはたけになって
よい麦生むよ。

朝からばんまで
ふまれる土は
よいみちになって
車を通すよ。

ぶたれぬ土は
ふまれぬ土は
いらない土か。

いえいえそれは
名のない草の
おやどをするよ。

 
 

2012年07月31日(火)更新

「アンパンマン」のミッションをご存知ですか?

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
先週の週刊「文春」(8月2日号)に、
漫画家の「やなせたかし」さんの興味深い内容のインタビューが掲載されていました。
 
やなせたかしさんの代表作といえば、絵本、アニメ、映画で大ヒットし、
子供だけでなく大人にも人気の「アンパンマン」ですね。




 
「アンパンマン」の原型作品は、1969年に「PHP」誌に連載されていた
大人向けの読み物「こどもの絵本」の第10回連載の「アンパンマン」だそうです。
 
このときの「アンパンマン」は空腹の人のもとへパンを届ける小小太りのお兄さんでした。
もちろん頭もアンパンではなく普通の人間でした。
 
この話をもとにして頭が「あんパン」の「あんぱんまん」が登場したのは1973年のこと。
幼児向け絵本「キンダーおはなしえほん」(フレーベル館)10月号に掲載されました。
ちなみにこのときはひらがなの「あんぱんまん」でした。
 
絵本の「アンパンマン」の当初のテーマは「貧困に苦しむ人々を助ける」というものであり、
小さな子供たちには難解だとして編集部や批評家、幼稚園の先生などから酷評されたそうです。
 
しかし、「アンパンマン」は次第に子供たちの間で人気を集め、
幼稚園や保育園などからの注文が殺到するようになったのです。

「アンパンマン」の体型も読者である子供たちに合わせて8頭身から現在の3頭身へと変わりました。
 
週刊「文春」にはこんなことが書かれていました。





「やなせたかしさんが書きたかったのは格好悪い正義の味方だという。
従来のヒーロー像に疑問を持っていたやなせ氏にとって本当の正義の味方とは、
ひもじい人を助けに行くアンパンマンのような存在だった」
 
また週刊「文春」とは別のインタビューでも、やなせさんは
「究極の正義とはひもじいものに食べ物を与えることである」と述べています。

子供向けの単なるキャラクターだと思っていましたが、「アンパンマン」には明確なミッションがあったんですね。
 
「アンパンマン」はいまでは日本だけではなく、中国や東南アジアに広がり、
英語はもちろんのことフランス語、イタリア語にも翻訳されています。
 
「アンパン」は日本の発明ですので外国にはありませんが、
これだけ支持されている背景にあるのは「アンパンマン」の「ミッション」への共感だと思います。
 
やはり「ミッション」って大事ですね。
 

2012年07月30日(月)更新

映画「エクソシスト」は苦手だけど、このCM作品はすごいね。

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
映画は大好きだけど、唯一ダメなのがオカルト映画。
以前はたまに観たけど、やっぱりダメ、観ているうちに疲れてしまいます。

とくに多くの人が名作という「エクソシスト」はまったくダメ。
一度は観たけど、二度と観ないね。(作品の素晴らしさは認めます)


 


突然CMの話になりますが、この作品はすごいね。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=aGb8pMIeY6w&noredirect=1

「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」、「The One Show」と並ぶ
世界三大広告賞の「CLIO Awards」の2012年の受賞作のひとつです。

思わずうなってしまいました。
 
その作品とは学生部門からシルバーを受賞した
ドイツの掃除機メーカー「Dirt Devil」のCM、何とタイトルは「The Exorcist」。

僕の苦手な映画「エクソシスト 」を見事にパロディにしたCMです。
演出、カメラワーク、どれをとっても学生の作品とは思えないクオリティ。
 
ディレクションしたのはドイツの映像学校「Film Academy Baden-Württemberg」に通う
「Andreas Roth:アンドレアス・ロス」監督。1987年生まれの25歳なんだって(若いなあ)。
 
なんだ「エクソシスト 」のパロディ?
そのままじゃないかと思わないで、終わりまで見てください。

最後の最後でやられますから・・・。

上質なクリエイティビティを感じますね。これからが楽しみな若手の映像作家です。
 

他の受賞作品もおもしろいですよ。
http://white-screen.jp/?p=16868
 

2012年07月28日(土)更新

「移転お知らせ」のお手本みたいな貼り紙

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。

会社に来る時には有楽町の駅からてくてくと10分ほど歩きます。

銀座の中央通りを通り越して、先の昭和通りを渡るのですが、
結構楽しくておもしろい発見があります。
(いまは歩くのはちょっと暑いけどね)

昭和通りを越えたところに、半年ほど前から空き家になったビルがあるのですが、
そのビルに貼ってあったのが「麻雀教室」の移転のお知らせ。
(ぼくは麻雀はやらないけど仕事柄で目にとまりました)





移転の案内って意外と難しい。

地図と住所を書けばいいと思っているのが大半ですが、
見てもピンとこないことが少なくありません。

この貼り紙の地図はわかりやすいね。
しかも新教室の場所が黄色くなっていて、5階ということもすぐにわかります。

さらに、この貼り紙にはこう書いてあります。

「場所がわからない場合は、この場所から動かずにお電話をください。
すぐにお迎えにあがります。」


そして、この貼り紙の中で電話番号が一番目立ちます。

移転先はすぐ裏手で込み入ったところではないので、
たぶんわかると思うけれども、
「麻雀教室」に来た人の気持ちをしっかりと押さえています。

しかも、無駄がまったくない。
変にデザイン的に上手にまとめようとするとこういうのは作れませんね。

わかりやすくて親切な「移転のお知らせ」のお手本です。

2012年07月24日(火)更新

「比較をしない、競わない」という経営

 
 「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
セミナーなどで講演をしている最中に、「そうかこういうことか」と思い付くことが時々あります。
昨日の「中央区経営セミナー」の講演中に感じたことがあります。
 
「同質化」と「独自化」の話をしていた時のことです。
「同質化競争」は同じステージで、基本的には同じやり方で
相手に勝ってビジネスや商売を伸ばしていくことです。
 
この競争にはゴールはありません。
あるとしたら、どちらかが負けだと認めた時か倒れた時です。
やはり資本力に勝る大手が有利であることも否めませんね。
 
「そうかこういうことか」と思ったのは、シンプルなことですので、
「何だ、そんなことか」と感じるかもしれませんが、
「独自化経営」を目指す前に、この同質化競争に巻き込まれないことが大事だということです。
 
独自化と叫ぶよりも、「比較をしない」、「競わない」ということのほうが肝心なんじゃないかなと思ったのです。
 
勝とうとしないことといってもいいかもしれません。
自分がいいと思うことをとことんやるだけのこと、そこには勝ち負けなんか関係ありません。
 
そうはいってもビジネスや商売は戦いだという考え方もあります。
自分が望まなくても競争に巻き込まれてしまうという考えもあります。

それでも、向うべきは自分自身です。
 
戦いで勝ち抜くことが好きな人はそうすればいいだけのこと。

周りがどうとかこうとかということでもなく、「独自化経営」を目指すということでもなく、
自分は何が楽しいのか、どういう状態が気持ちいいのかを追い求める経営です。
 
そんな弱気で、後ろ向きで、自分勝手でいいのかと思うかもしれませんが、
実はこれが一番強く、快適な経営だと思います。

そこを大事にして、積み上げていった結果、
周りから見ると「独自化経営」といわれるのではないでしょうか。

2012年07月23日(月)更新

「あの件はうまくいきそうにないのでやめることにします」

 「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
「あの件はうまくいきそうにないのでやめることにします」といわれることってありませんか。
コンサルティングの仕事をしているよく出くわします。
 
その時にひっかかるのは「うまくいきそうにない」という一言。

一概にすべてがそうとは言いませんが、
「どこまでやった結果なのか」がすごく気になるのです。
 
もちろん、とことんやった結果ならば問題がないのですが、
案外そうではないケースが多いように感じます。

だから、「ちょっとやっただけでうまくいかないと判断していいのかなあ」、そう思ってしまうのです。
結果を出している人って、やっぱりとことんやっています。
 
往々にしてそういう経営者の多くは勉強好きです。
勉強好きはいいのですが、新しいやり方に出会うとすぐに飛びつくのはどうなんでしょうか。

そんな魔法みたいなものってありません。
ついでに申し上げますと、新しいやり方にすぐ飛びつく経営者は、
取り組んだことが長続きしないという特徴もあるように感じます。
 



 
「エレーナ・イシンバエワ」というロシアの棒高跳びの女性アスリートがいます。
2005年に棒高跳で女性では不可能と言われていた5mの壁を初めて突破した選手です。

「ワールドレコードアーティスト」の異名を持ち、世界記録更新はいままでに27回。
現役の選手のなかで最多の世界記録更新回数を誇っています。
 
棒高跳びは1㎝刻みの勝負です。

「もういいか」と思ったらそれで記録は終わり。
「まだまだやれるはず」という気持ちがなければ27回も記録を塗り替えることはできません。
 
「エレーナ・イシンバエワ」と比べるつもりはないけれども、
「うまくいきそうにない」という一言、
経営者が簡単に口に出してはうまくないように思うこの頃です。

念のために、こういう話しを書くと、「そういうことが最近あったの?」
と思われるかもしれませんが、そうではありませんよ。

以前から感じていたことを、「イシンバエワ」選手で思い出したから書きました。

2012年07月15日(日)更新

「レイモンド・チャンドラー」の創り上げた世界観

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースするクエストリーの櫻田です。
 


昨日、有楽町の三省堂書店で並んでいる本を見ていて感じたことですが、
「推移小説」はたくさん出版されているけど、
「探偵小説」というジャンルはどうもぱっとしなくなってきていますね。
その代わり警察小説が増えたかな。
 
「探偵小説」の作家といえば、その代表格は1930年代に
探偵「フィリップ・マーロウ」を生み出した「レイモンド・チャンドラー」です。

日曜日の午後、急に読みたくなって、
自宅の本棚の奥から「さらば愛しき人よ」を取り出してみました。
 
ページをめくると、あらすじはあまり覚えていないけど、
「マーロウ」を初めとした登場人物の性格や考え方がかなり詳しく書かれていることに気が付きます。

「推移小説」は謎解きがおもしろさですが、「探偵小説」では謎解きは付け足し程度のようにも感じます。
 
ワクワクするような派手なストーリーで一気に引っ張られるではなく、
犯罪現場の家具や調度品、街の風景やその雰囲気、登場人物の着ている服や言動などが
一つひとつ積み上がってその世界に惹きこまれて行くのが「チャンドラー」の魅力です。
 
「タフでなくては生きていけない。優しくなくては生きる資格はない」
この有名な言葉も「マーロウ」の生きるスタイルを表現するために創作されたもの。

「長いお別れ」の原稿が長すぎるという編集者に向かって「チャンドラー」がおもしろいことをいっています。
 
「作品の長さを三分の一に縮めるなんて、そんな馬鹿なことはできません。とんでもない。
そんなことをすれば、その小説は、アンチョビー、パルメザンチーズ、ガーリック・クルトンの入っていない
シーザーサラダと同じになってしまいますよ。
それともニューヨークには、シーザーサラダってのはないのですか?」
 
登場人物の、大事にしている、譲れないこと、守り続けること・・・・
これらを積み上げて、ひとつの世界観を創り上げていった「チャンドラー」。

もちろん、小説と現実は違うけど、
これって店や企業のスタイルづくりと共通しているように感じますね。



 
これは映画の「さらば愛しき人よ」・・・よかったなあ。
「ロバート・ミッチャム」と「シャーロット・ランプリング」が
小説の雰囲気をうまく出しています。
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会社概要

(株)クエストリーは2003年に「店がブランドになる」ことを支援・プロデュースするために設立されました。「店がブランドになる」ためのプロセスをわかりやすく整理し、具体的な成果につながるコンサルティング、プロデュース、クリエイティブを展開しています。代表取締役の櫻田弘文は、これまでに300社以上...

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個人プロフィール

1955年生まれ、自然豊かな山梨県南アルプス市で育つ。高校卒業後、大学に進むが、学業には目を向けず、芝居に夢中になる日々を過ごす。大学卒業後、広告・マーケティング会社に入社。5年区切りで、コピーライティング、広告プランニング、マーケティング、店舗開発、マネージメント指導などの業務を経験する。2...

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