大きくする 標準 小さくする
前ページ 次ページ

2015年12月10日(木)更新

中小企業のための地域資源の活かし方

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 

1月27日(水)に銀座ブロッサム(東京都中央区)で「クエストリー・ブランディングクラブ」の
「1月度ブランディングセッション」を開催いたします。

今回のテーマは「中小企業のための地域資源の活かし方」です。

 

それってボランティア活動のこと?リタイアしてから取り組むこと?・・・
こんな声が戻ってきそうですが、少々的外れです。

あるいは、大事だとは理解していても、取り組む余裕がないという声も聞こえてきそうです。
 

しかし、いま日本各地の元気な中小企業に共通しているのは、
地元を元気にする活動に熱心に取り組んでいることです。

その根底には地域経済が活性化しなければ、
小さな会社の収益は向上しないという強い思いがあるのです。
 
これまでの地域経済の活性化は、公共事業や助成金の獲得、大手企業の誘致などが課題でした。
しかし、これらに依存せずに、地域内だけではなく、
地域外の市場も視野に入れた地域産業の自立が重要なテーマになってきています。
 
地域の産業が自立するために、地元の中小企業が果たす役割は極めて大きいといえます。

取り組みの共通点は、地域の特性や地域資源のブランド力を活かすことで、
自社の持っている地域性を、自らの優位性につなげていることです。

 
それらの企業の共通点には次の3つの視点があります。

一つ目は地元に眠っている価値の再発見です。
二つめは、地域資源を活かしたモノづくりやサービスの開発です。
三つめのポイントは、自社だけではなく、他の企業や関連機関との連携です。
 

セッションは、この3点を中心にゲスト講演とディスカッションでセッションを進めていきます。

ゲストは尊敬する師匠のお一人である
久米信行さん(久米繊維工業株式会社 取締役会長)をお招きします。

 
久米さんには、これまで4回ご登壇いただいていますが、いつも示唆と刺激に満ちた講演です。
今回も主催者でありながら、とても楽しみにしています。

また、参加者同士のディスカッションタイム、終了後の交流会も楽しいですよ。
 
お帰りになる時には、自社ならではの地域資源の活かし方の具体的な方法が見えてくるに違いありません。

ぜひ、お時間をご調整の上、ご参加ください。
会員でなくても、オブザーバー参加が可能です。
 

久米信行さんFacebook
https://www.facebook.com/nobukume?pnref=friends.search

「1月度ブランディングセッション」
http://www.questory.co.jp/tabid/204/Default.aspx
 
◆日時:1月27日(水) 13時30分~17時
    交流会:17:30~19:30(銀座界隈のお店)
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fミモザ
 

 
クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

2015年12月07日(月)更新

再読、ヘミングウエイの「老人と海」

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 
日曜日に思い立って本棚の奥にあった
アメリカの作家、アーンスト・ヘミングウェイの「老人と海」を取り出して読みました。

本がたまるたびに処分してきたけれども、これは処分せずに手元に残しておいた一冊です。
 
新潮文庫の奥付けを見ると、昭和46年の16刷、こちらは高校生ということになります。

訳者が大正生まれの名翻訳家、福田恆存(つねあり)というのにも驚きました。
もうひとつ驚きは、この本の値段が100円ということ。文庫本って手頃だったんだなあ。


 
ヘミングウェイは「陽はまた昇る」「武器よさらば」など、
高校生のころに取り憑かれたように読んだ作家の一人です。

この小説もずいぶん前に読んだはずなのですが、ぼんやりとしか覚えていませんでした。

 でもページをめくるうちに、少しずつ「ああ、こういう物語だったんだ」とよみがえってきました。
高校生の頃はさほどおもしろく感じなかったように思います。

今回読み終えると、切なくほろ苦い物語なんだと感じました。
それだけ、歳を取ったということかな。
 

この小説は、サンチャゴという老漁師と巨大なカジキの3日間に渡る死闘を描いています。
といっても、ドラマチックなストーリーではなく、むしろ淡々としています。

後半の釣り上げた後のアオザメとの戦いの方がリアリティを感じますね。
 

物語に奥深さを漂わせているのは老人を慕う少年とのやりとりです。

誰も助けに来てくれる望みがない場面で、困難に直面した時に人はどうするのか?
実際に手助けしてくれなくても、少年がいることがサンチャゴの救いになったのです。

 
仕留めた巨大なカジキはアオザメに食べられ、港にたどり着いた時には骨だけになっていました。

もちろん、お金にもならず、誰にも評価されないのですが、
老人と少年には共通するも思いがありました。
 
少年はいま乗っている船を降りて、老人といっしょに働きたいと伝えます。
実際にそうなるかはわからないのですが、老人にとってうれしい一言です。

しかし、物語はその感情を抑えて、淡々と締めくくられます。
 


諦めというと、どこか投げてしまった感がありますが、
そうではなく、それはそれで自然なことだと冷静に受け止める感覚です。

こちらも60歳を過ぎて、この諦めという感覚が少しだけわかるような気がします。
 
ヘミングウェイは後年の飛行機事故の影響で、
自分の身体が不自由になったことから鬱病となり、最後は猟銃で自分の命を絶ってしまいます。
 

ヘミングウェイの文体はハードボイルドといわれますが、
その奥には少年のようなナイーブな感情が潜んでいるように感じます。

だからこそ、ハードボイルドなのかもしれませんが………。
 


クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

2015年12月03日(木)更新

価値の多様性のおもしろさ

「小さくても光り輝くブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 

先日、クエストリーがブランディングを担当した
銀座にオープンした2店舗の飲食店のことを書きました。

新築ビルの2階にはオイスター・バー&レストランの「TRINITY OYSTER HOUSE」が、
8階には「白老町 焼肉 阿部正春」があります。

「TRINITY OYSTER HOUSE」→http://www.trinity-oyster-house.com
「白老町 焼肉 阿部正春」→http://www.abe-masaharu.com
 

8階の「焼肉 白老町 阿部正春」のことなのですが、見晴らしが素晴らしいのです。

正面には国会議事堂が見えます。第一ホテル東京も目の前に見えます。
右手の奥には日比谷公園があるはずですが、残念ながら見えません。

 

さて、先日お打ち合わせをしていた時のことです。

お店の方がポツンとこう言ったのです。
「スタッフの一人が鉄道マニアなのですが、
ここから見下ろす風景は絶好の撮影スポットらしいのです」………確かにJRの線路が真下に見えます。
 
こちらはまったく関心がないのですが、
どうやら新幹線、山手線、京浜東北線などが交差するように行き来する様は、
鉄道マニアの「てっちゃん」にはたまらないのだそうです。



その言葉にはっとさせられました。

人が価値を感じる場面やコトは実にさまざまです。
一面的ではなく、多面的と言ってもいいかもしれません。

これはこういうものだと考えるのは、発信側の傲慢であり、ある意味では危険です。

同じような情報では、認知度の高いところが有利になります。
しかし、価値の見方を変えますと、小さな会社にとって、これは大きな武器になります。

先ほどのてっちゃんのように、絶好の撮影スポットという情報は小さなことかもしれません。
万人に通じる価値ではないかもしれません。

でも、さまざまな小さな価値の集積で、店の大きな魅力を生みだすことはできます。
 

一発必中の絶対的な価値はそうそうありません。
むしろ、小さな価値の集積が大きな価値につながります。
 
しかし、多くの方がその小さな価値に気付いていません。
提供する商品やサービス、店舗やスタッフだけが価値だという思い込みがあるのです。


いま発信側に求められているのは、顧客の立場に立って、小さな価値を感じ取る力です。
そんなことを、てっちゃんの視点から感じた打ち合わせでした。



2016年1月度ブランディングセッションを開催します
日時:1月27日(水)13:30~17:00
会場:銀座ブロッサム(中央会館)7F「ミモザ」
http://www.questory.co.jp/tabid/204/Default.aspx
 

2015年11月27日(金)更新

看板は出会いをつくるカギ

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 

人の魅力は外見よりも内面にあるという考え方には、基本的には同感です。
その反面、目に見えるものの使い方次第で魅力が伝わるという考え方にも同感です。

この二つは矛盾するようでいて、矛盾しないと思うのです。
 

そうはいっても個人的には、体型や容姿には自信がなく、
いかんともしがいたいと思うのですが・・・。

でも目に見えるものの使い方次第で魅力が伝わることもあります。

洋服はもちろんですが、バッグ、時計、靴、メガネなどの服飾小物も大事です。
使用しているPCや手帳や筆記用具にも個性が表れますね。


ところで、目に見えるものの使い方で魅力が伝わるのは、
人だけではなく、店や企業にも当てはまるなあと感じるのです。
 
銀座の中央通りのルイヴィトンとブルガリの間のマロニエ通りを
築地方面に向かうのが毎日の通勤路です。

昭和通りを渡ってしばらく行くと、マンションに挟まれた小さな店があります。
 

ここは銀座4丁目から数ヶ月前に移転オープンした
和服用の足袋の「むさしや」さん店です。

ビルに囲まれた2階建ての店舗は小さいだけによけい人目を引きます。


この「むさしや」さんで感心したのが「看板」です。

正面の店名の看板は、1874年創業の風格を醸し出し、
横の立て看板は、取り扱いの品を上品に伝えています。
 


小さな店にとって見込み客に魅力を伝える店頭ツールはディスプレイなどですが、
あらためて「看板」も大事な魅力発信ツールだと思いました。

出会いは一期一会といわれますが、看板はまさに出会いをつくるカギですね。


「銀座むさしや足袋店」
〒104-0061 東京都中央区銀座2-13-12
電話:03-3541-7718・7446 営業時間:8 ~ 17時
定休日:日曜日・祝日




2016年1月度ブランディングセッションを開催します
日時:1月27日(水)13:30~17:00
会場:銀座ブロッサム(中央会館)7F「ミモザ」
http://www.questory.co.jp/tabid/204/Default.aspx

 

2015年11月17日(火)更新

銀座にはこんな食の強者(つわもの)たちがいる

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。


小売店にしろ、飲食店にしろ、事業で収益を上げる方法はいろいろとあるけれども、
その源はお客様がお金を支払う商品やメニューに価値があることが前提となる。

この価値に磨きをかけないと、お客様の支持を得られないのは当たり前のことである。
 
仕入れた商品やメニューに使う食材は、どこからか黙って無尽蔵に生まれてくるわけではない。
必ず作った人や組織が存在し、手間と時間をかけて生まれてくる。

失敗と
試行錯誤を繰り返しの中から生まれてくるものの方が多い。
むしろそうでないと本物の価値は生まれない。

 

しかし、その生産者や生産地に思いを馳せ、心を配り、
いい関係を築こうとしている小売店や飲食店がどれだけあるだろうか?

厳しい同質化競争に陥り、コストと効率しか見ない経営者の方が圧倒的に多いのではないだろうか?

 
作り手や生産者との関係をしっかりと築くことは、口で言うほど簡単ではないからだ。
正直言って、時間も手間も、そしてコストもかかり、出来ることなら避けたいのが本音だと思う。

だから、余裕ができたらという言葉でうやむやにするところが大半ではないだろうか?

 
ところがこのことに真剣に取り組んでいる飲食店の運営会社がある。

いい意味で申し上げるのだが、馬鹿がつくほどの熱意と思いで
生産者、生産地との絆づくりに取り組んでいるのだ。

格好付けの中途半端なプロモーション的な取り組みでは決してないのだ。

 
株式会社Be Happyというその会社は、まだ設立して間もない飲食業界では無名の存在ではあるが、
社員は飲食ビジネスの経験豊富な強者揃いである。

その強者たちが満を持して、今月2日に銀座のコリドー通りのビルに2店舗を同時にオープンさせた。
 
1店舗は2階のオイスターレストラン「TRINITY OYSTER HOUSE」、
もう1店舗は9階の「白老町 焼肉 阿部正春」だ。

どちらも11月2日(月)にオープンしたばかりである。
生産者と同社の思いが存分に詰まった店なのだ。


 
 

「TRINITY OYSTER HOUSE」では、プロの目利きが選りすぐった新鮮な生牡蠣を食べさせてくれる。

冷えた白ワインといっしょにいただくと、この上ない幸せな気分になれる。
生牡蠣だけではなく、サイドメニューも充実しているがうれしい。もちろんワインも申し分ない。
 
因みに「TRINITY」とは三位一体のことであり、牡蠣の生産者、ご来店いただくお客様、
そして双方をつなぐ役割を持った店、その三者の絆を表したネーミングなのだ。

この辺りにも同店の並々ならぬ思いが感じられる。事実スタッフの対応がそうなのだ。
 
フレンドリーなスタッフが語る牡蠣の物語や生産者の話は、
牡蠣の味わいにガツンとした奥行きを感じさせてくれる。

美味しさとは舌ではなく、脳で感じるものということがよくわかる。
まさに生産者の元に足を運び、ともに働いたものでなければ、語ることができない話ばかりだ。



 

さて、もう1店舗の「白老町 焼肉 阿部正春」がある9階でエレベーターの扉が開くと、
まず目に飛び込んでくるのは大きな牛肉の塊と多数のワインボトルだ。

我ながらはしたないとは思うが、
牛肉の焼ける香ばしいにおいを感じると、口の中に唾がたまってくるのがわかる。
 
店名の最初にある「白老町」とはどこなのか?
ご存知の方も多いと思うが、アイヌ民族の故郷でもある北海道の白老町である。

人口2万人弱のこの町は「白老牛」の生産地としても、近年よく知られるようになった。
「虎杖浜たらこ」という実にうまい水産加工品もあるのだが、まだそれほど知られていない。
 
その白老の地に「ブリーディング白老」という牧場がある。
ここでは白老牛が愛情を注がれ、ていねいに育てられている。

実はこの焼肉の店は、店名にある阿部正春さんという
同牧場のオーナーの育てた牛に惚れ込み、そこで育てられた牛だけを使っているののだ。

これだけでも従来の焼肉とは違う立ち位置だ。もちろんリスクは承知の上である。



 

これ以上書いているときりがない。言葉だけでは少々虚しくなるだけである。

何よりも実際に足を運んで美味しさと雰囲気を実感していただきたい。
温かいサービスとともに必ずや満足していただけるはずである。


ということで、ご興味の湧いた方は次のサイトをご覧ください。
「TRINITY OYSTER HOUSE」→http://www.trinity-oyster-house.com
「白老町 焼肉 阿部正春」→http://www.abe-masaharu.com



クエストリー:http://www.questory.co.jp

 

2015年11月10日(火)更新

「猫まみれ」になりました

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 

個人的なことですが、地方出張の楽しみは三つあります。
美味しいものを食べることが一つ目、地方ならでは店を訪問することが二つ目、
そして三つ目は地方の美術館を訪れることです。

出張を数多く重ねるうちにこれにたどり着きました。
 

昨日から、北海道帯広市に講演で一泊二日の出張でした。
昨年3月にお声をかけていただき、講演をしたのですが、
それに続いての2回目の講演です。主催者の方に心から感謝です。
 

昨日の夜に出張が終わり、今日の午前中はある意味では短いOFFでした。
出かける前にクエストリーのメンバーから、
「帯広でおもしろい展示会をやっています」と勧められたのが
道立帯広美術館で開催中の「猫まみれ展」でした。


 
それほど気乗りがしたわけではありませんが、
「まあ期待はずれでも良し」というつもりで、東京に戻る前に立ち寄ったのですが、これが大当たり。

瀟洒な美術館内にはおよそ280点の猫をテーマにした作品が展示されていました。
 
いやあ、地方の美術館をなめてはいけないですよねえ。
歌川国芳、レオナール・フジタ、竹久夢二、猪熊弦一郎、池田満寿夫、山本容子・・・など、
若手の作家も含めて実に見ごたえのある展示でした。まいったなあ、大満足です。
 

それにしても猫って不思議な存在です。ペットといえばその通りですが、気がつくと家族です。
ウチにも「ぷり」という愛猫がいたのですが、
3年前に16歳で亡くなりました。最後を看取った時のことを思い出すと泣けてきます。
 

今回の展示会で一番心を惹きつけられたのは、
レオナール・フジタ(藤田嗣治)の「猫を抱く少女」1950年作品でした。



さらっと描いたような作品ですが、はっとするような魅力にあふれています。
少女がどこか猫っぽく見えてくるのです。
 

タイトルで少し軽く見ていましたし、帯広の皆さんごめんなさい、
帯広だからというそれほどでもないという気持ちがどこかにありました。

拾い物と言ったら語弊があるかもしれませんが、地方美術館はやはり出張の醍醐味の一つです。
 
 


11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 
 
 
 
 

2015年11月10日(火)更新

己惚れのすすめ

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 

風間完さんという画家が描かれる絵が好きです。

最初に見たのは、五木寛之さんの「青春の門」の挿絵だったと思います。
とりわけ色鉛筆で描かれる女性画は繊細で何ともいえない色気を感じさせてくれます。



その風間さんの著書が「エンピツ画のすすめ」(朝日文庫)です。
この本は絵を描くことの姿勢と手順をわかりやすく解説してくれています。

個人的には絵心はないのですが、エンピツ画なら描けそうになるから不思議です。
ページの合間に挟まれている風間さんの作品も素敵で見飽きません。


 
昨日もページをめくっていたのですが、
パッションという項でこんな言葉が目に飛び込んできました。
少し長いのですが、引用いたします。

 

何か自分も絵を描いてみようという気持ちがおこったら、
まずこれは恵まれたことだと思いましょう。

少なくても自分の周りの他の人はそういう気が起こらず
自分だけがそういうパッションがわいたということは、
自分にはそういう適正があるのだという自信と
同時に己惚れ(うぬぼれ)も持つ必要があります。
 
己惚れはことに持ったほうがよろしい。
面白いことに画家たちはほとんど全部ものすごい己惚れ屋です。

ただ、ほかの社会の己惚れ屋と違うところは、
己惚れたぶんだけメチエの裏付けと
それに伴う行動があるということではないかと思います。
 
行動とは即ち絵を造る行動のことで、己惚れがセルモーターの働きもするし、
エンジンの働きもするものなのです。

メチエと行動がともなわない己惚れはよくありません。みっともないのです。


 
ちょっと付け加えますと、ここでいうメチエとは技法のことであり、以降詳しくそのことが書かれています。

風間さんのこの一文を目にした時に(何度も読んでいるのですが、気が付かないものですねえ)、
これってブランディングでも同じだと思いました。

草食系という言葉が普通のように使われていますが、強い己惚れはエネルギーになります。


今夜は帯広でブランディングについての講演でしたが、
参加者の中には、これから起業を考えている方も何人かいました。
 
起業時には慎重になる場面も必要だけれども、
思いを持って起業するのだから、思いっきり己惚れたほうがいいと思う。


ただし、技術と行動が伴っての己惚れですよ。

風間さんが書かれているように、
伴わない己惚れはみっともない、まったく持って同感です。

己惚れるならば、技術を磨き、まずは行動しよう、ということですね。
 
 
 
11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 
クエストリー:http://www.questory.co.jp

2015年11月06日(金)更新

4秒に1回の「はい」という声

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 

会社がある築地、銀座界隈はイタリアン、中華、和食、カレーなど
お昼ごはんを食べるところにはことかきません。

今日がそうだったのですが、とんかつを食べたくなると行くのが
マガジンハウスの近くの「にし邑」という店です。
 http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13025298/

うなぎの寝床のような店内はカウンター14席だけ。
お昼には店頭にサラリーマンやOLで行列ができています。

店内では、食べている後ろで次のお客様が並んで待っている繁盛店です。
常連さんが多いのでみんな行儀がいいのですね。
 

店のスタッフは4名。とんかつを揚げている大柄なご主人と店を切り盛りする小柄な女将さん、
そしてカウンターの外でお客様に対応するハンチング姿の女性(娘さんかな?)、
もう一人は洗い物担当のご年配の女性です。
 

本日いただいたのは「ひれかつ御膳」1,100円でした。
味は好みですが、個人的には価格と比較したら大満足です。

とんかつもさることながら、美味しいのはいっしょについてくる豚汁です。
酒粕の味がしっかりと残る中に野菜や豚肉がごろごろと入っています。


 
さて、タイトルの4秒に1回の「はい」の声の主は、ここの女将さん。

いつも何か声をかけているのですが、
圧倒的に多いのが「はい」と「ありがとうございます」。
これがリズムになっている感じです。
 
試しに「はい」を数えてみると1分間におよそ15回、
つまり4秒に1回「はい」が聞こえるのです。

何かに対する返答ではなく、合いの手のような「はい」かな。
しかし、単なる合いの手ではなく、お客様の動きをしっかりと見ています。
 

人によってはうるさいと感じるかもしれませんが、
やっぱり店の活気は人が作り出すなあと感じました。

お近くにお越しの際には、足を運んでいただき、
その独特のリズムのような「はい」と美味しいとんかつを味わってみてください。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp

2015年10月27日(火)更新

スタバの銀座マロニエ通り店でラテを飲んでいると思い出すこと

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 
 
出張先や初めての土地でのことなのですが、
「ちょっと時間があるのでお茶でも・・・」ということが結構あります。

そんな時にどんなお店に入りますか?
僕は珈琲がイマイチ苦手なので紅茶派なのですが、この店選びがなかなか難しい。


 
当然のことですが、地元の気の利いたお店を探そうとします。
美味しいことはもちろんですが、雰囲気が良くてゆったりできてところを、
iPhoneやiPadで検索します。

でも、ピンとこなかった時にはどうするか?
 
僕の場合は、そこそこの都市や繁華街ならば「スタバ」を探します。

なぜスタバなのでしょうか?
それは、これまでの経験から「スタバならばOK」という記憶のスタンプが捺されているからです。


 
人々の心に「幸せの記憶」として蓄積されていくのがブランドです。
もちろん、企業やショップ、商品やサービスに価値がなければ、これは実現できません。

僕にとってのスタバのように、認識価値を上げることがブランディングです。
 

ブランド力が強いとどうなるのでしょうか。
「安いよ、お得だよ、いまなら超お買い得」といった価格訴求をしなくてもすむようになります。

それどころか、他よりも高いプレミアム価格で継続的に販売することが可能になるのです。

 
僕がオーダーするのはほとんどラテなのですが、スタバは安くはありません。
価格だけ考えたら、CVSも含めて他の選択肢がたくさんあります。
雰囲気の良さや美味しさでも、知らないだけでもっといいところがあるに違いありません。
 

月曜日の朝は、会社近くの銀座マロニエ通りのスタバで、1週間の予定を確認します。
そんな時に思い出すのは、フリーで仕事をしていた時に、ここが事務所代わりだったことです。



お取引先ともここで何度も打ち合わせをしたなあ。
 大事なミーティングが不発に終わり、ちょっとへこんだことも覚えています。

店舗設計の方と打ち合わせを終えて、久しぶりの休暇で栃木に行くことを話すと、
その方が車で栃木県まで送ってくれたこともありました。
 

まあ、そんなことも含めて、ここでいろいろな人に助けられたなあと思うのです。

ということで、スタバの中でも、このマロニエ通り店は
幸せ(ちょっと苦しさも含めて)の記憶のスタンプが強く捺されているのです。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 

 
クエストリー:http://www.questory.co.jp
 
 

2015年10月22日(木)更新

「寄り添う」と「媚びる」の違い

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。


クエストリーはカタチのあるものを提供している会社ではありません。

コンサルティングやプランニングはもとより、
目に見えるブランドシンブルや印刷媒体やホームページなどの、
見に見えるカタチを創る仕事もありますが、
基本は目に見えないデザインの仕事です。

これらの仕事で大事になるのはコミュニケーションに基づく信頼関係です。

ところがこのコミュニケーションの考え方、とらえ方が
あいまいのままですと、真の信頼関係は生まれません。

わかっているようでいて、これがときには大きなトラブルになるのです。

 
コミュニケーションの本質は「違いを明確にすること」です。

これまでずっとそう思って仕事をしてきました。
結果的にはそれがぶつかり合いになることもありました。
でも、そのぶつかり合いは双方が良くなるためのものであり、感情的ないがみあいではありません。

 
「コミュニケーション=仲良くすること」という考えには抵抗があるのです。

それでも一般的には
「相手と仲良くすること」「揉めないですますこと」が
コミュニケーションだという風潮があります。

「仲良く、揉めないで」の行き着く先は「媚びる」ことにつながります。


 
もちろん、無用なぶつかり合いは意味がありませんが、
自分の考え方はこうだけど、あなたはどう思いますか?」
といったやりとりこそがコミュニケーションだと思います。

これは真剣に相手を認め、お互いの思いをすり合わせる「寄り添う」気持ちがなければできません。

 
お客様満足という大義名分のもと、お客さんの要望を何でも
「はい、はい」と聞き入れるようになってしまってはNGです。

大人の知恵だという考えもあるかもしれませんが、
やはり「媚びる」精神は個人的に好きになれません。

 
ましてや相手に好かれるための歓心を買うようなおべんちゃらやリップサービスは辟易するのです。
相手の強さや魅力の前で、自信を失い、自ら屈しているとしか思えないのです。


偉そうな態度という表層的な見方ではなく、どうであれお互いの課題の前では対等です。

 
媚びたり擦り寄ったりすることよりも、お互いの持っている考え方、経験、能力を重ね合わせ、
より方向に持っていくことがコミュニケーションです。

媚びること」と「寄り添うこと」はまったくの別物です。
ここを勘違いすると大変なことになります・・・と常に肝に命じています。



11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

 
«前へ 次へ»

会社概要

(株)クエストリーは2003年に「店がブランドになる」ことを支援・プロデュースするために設立されました。「店がブランドになる」ためのプロセスをわかりやすく整理し、具体的な成果につながるコンサルティング、プロデュース、クリエイティブを展開しています。代表取締役の櫻田弘文は、これまでに300社以上...

詳細へ

個人プロフィール

1955年生まれ、自然豊かな山梨県南アルプス市で育つ。高校卒業後、大学に進むが、学業には目を向けず、芝居に夢中になる日々を過ごす。大学卒業後、広告・マーケティング会社に入社。5年区切りで、コピーライティング、広告プランニング、マーケティング、店舗開発、マネージメント指導などの業務を経験する。2...

詳細へ

バックナンバー

<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

コメント一覧

最新トラックバック

  • 全豪オープン 大坂選手優勝。 from (株)京都工芸【タオルはまかせたろ.com】 タオルソムリエ 寺田 元 の日記
    こんにちは。【タオルはまかせたろ.com】タオルソムリエの寺田です。
  • 「ブランディング対談集&講演録」を頂きました! from フレキシブルチューブ、ベローズの三元ラセン管工業株式会社 高嶋 博 社長の日記
    11月に銀座ブロッサムで開催したブランディングセッションにお招きを頂いた、株式会社クエストリーでは、ブランドになることを目指す経営者のための「ブランディングクラブ」を主催していて、ブランディングセミナーやブランディングセッションを開催しております。 また会員には毎週金曜日にブランディング会報を配布していてその会報に「ブランディグング対談」が掲載されています、その対談とセミナーやセッションでの
  • イングリッド・バーグマンのすべて from Re:play
      イングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman, 1915-1982)は北欧スウェーデン出身の女優です。 イングリッド・バーグマンといえば、何といっても有名なのは映画「カサブランカ」(1942)で演じたヒロインのイルザ役でしょう☆ 可愛かったですねぇ~!あの頃のバーグマン、めっちゃ綺麗で好きです。 一応、説明しておくと名画「カサブランカ」はマイケル・カーティス監督の映画で、イングリッド・バーグマンのお相手をしたのはハンフリー・ボガートという俳優。 この方、日本で言うなら高倉健さんのように…
  • 『売れ続ける理由』 from なにわの社労士発~「今日もこんなええことありました」
    売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法クチコミを見る 『売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法』を 読みました。 著者は仙台市から...
  • 【ブログピックアップ】クエストリー 櫻田弘文さん from 経営者会報ブログ編集部
    「ブログピックアップ」では、 経営者のみなさんの書かれたブログの中から、 お薦めのブログをご紹介しています。 今回のお薦めブログは クエストリーの櫻田弘文さんです。  ...