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「店がブランドになる」ことを支援・プロデュース! コンサルティング会社・社長のジャム・セッション
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2013年01月11日(金)更新
「レスポンシブル・カンパニー」を読んでの感想
「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
年末年始休暇に、「レスポンシブル・カンパニー」(ダイヤモンド社)と言う本を読みました。
サブタイトルに掲げられているのは「パタゴニアが40年かけて学んだ企業の責任とは」。
本書はアウトドア関連のグッズと衣料の企業「パタゴニア」の創設者であり
オーナーであるイヴォン・シュイナードと、
フットプリント・クロニクルの共同編集者であるヴィンセント・スタンリーの共著です。
パタゴニアの本と言えば、同じイヴォン・シュナイダーの
「社員をサーフィンに活かそう」が知られていますが、
本書には、パタゴニアが長い年月をかけて積み重ねてきた経験をもとに、
現代における企業の責任とは何かが述べられています。
仕事で「ミッション」の立案をお手伝いすることが多いのですが、
その過程で「果たすべき役割はどこに対してなのか」という論議を抜きにすることはできません。
本書では「オーナー、社員、顧客、地域社会、自然」という
5種類の利害関係者に対する責任とは何かについて、「パタゴニア」の考え方を説明しています。
本書の一番の肝になっているのは5番目に「自然」が入っていることです。
大量生産によってムダを省き、生産性を上げて安値を実現してビジネスモデルはもう限界にきていること、
経済性の向上を目指すと自然環境の破壊を繰り返さざるを得ないということ、
この点については誰しも同感だと思います。
家庭ゴミは廃棄物の25%にすぎず、残り75%は企業から排出されているという事実、
消費欲求を高めるために次々と発表される新製品、そのためのコストは膨大です。
(これにパタゴニアの考えはシンプル。
コストを減らし、長持ちする合理的な製品を作ればいい、確かにそうなんだけれども………)
「いまの産業モデルは200年も前のものであり、
環境的にも社会的にも経済的にも持続不可能になっているが、
どのようなものであれ、事業をおこなおうとすれば、産業モデルの現状から逃れることができない。」
と本書では述べられています。
「その現代における事業責任と言うものを、地球環境が危機的状況にあり、
経済も大きく変貌しようとしていることを踏まえて考えなおそう」と言うのが目的です。
しかし「利益をきちんと出しながら、同時に進行している環境上の破綻への速度を遅らせる」という問いかけは
シンプルだけれども、実は経営する立場に立つと結構悩ましい。
自然への責任を果たすことが、本当に企業の収益性につながるのかを言う問いに対して、
本書では、イヴォン・シュイナードらが立ちあげた
「1%フォー・ザ・プラネット」という組織の加盟企業のトップ5社は、
景気が大きく落ち込んだ時期でも史上最高の売上を記録した事実を挙げています。
消費者は、景気が冷え込み、財布のひもを締めなければならなくなったときに、
尊敬、信頼する会社から買おうとすることを挙げています。
これもよくわかります。だから企業にはミッションが必要です。
本書の一番すごいところは、巻末の資料にあるように思います。
あらゆる企業が今後数年のうちに取り組む必要のある活動が具体的に挙げられています。
著者は確実にコストダウンになり、
それが自然に対する責任につながることから始めればいいと言っています。
ウチの会社もこれを参考にして、できることから始めようと思います。
パタゴニア自体も、数多くの失敗を経て、
あるべき方向性を見つけ出してきたことがわかりやすく紹介されているので、これも参考にあります。
いろいろな見方がありますが、「自然対する責任」は
企業が避けては通れない道であることは間違いないことだと感じました。
年末年始休暇に、「レスポンシブル・カンパニー」(ダイヤモンド社)と言う本を読みました。
サブタイトルに掲げられているのは「パタゴニアが40年かけて学んだ企業の責任とは」。
本書はアウトドア関連のグッズと衣料の企業「パタゴニア」の創設者であり
オーナーであるイヴォン・シュイナードと、
フットプリント・クロニクルの共同編集者であるヴィンセント・スタンリーの共著です。
パタゴニアの本と言えば、同じイヴォン・シュナイダーの
「社員をサーフィンに活かそう」が知られていますが、
本書には、パタゴニアが長い年月をかけて積み重ねてきた経験をもとに、
現代における企業の責任とは何かが述べられています。
仕事で「ミッション」の立案をお手伝いすることが多いのですが、
その過程で「果たすべき役割はどこに対してなのか」という論議を抜きにすることはできません。
本書では「オーナー、社員、顧客、地域社会、自然」という
5種類の利害関係者に対する責任とは何かについて、「パタゴニア」の考え方を説明しています。
本書の一番の肝になっているのは5番目に「自然」が入っていることです。
大量生産によってムダを省き、生産性を上げて安値を実現してビジネスモデルはもう限界にきていること、
経済性の向上を目指すと自然環境の破壊を繰り返さざるを得ないということ、
この点については誰しも同感だと思います。
家庭ゴミは廃棄物の25%にすぎず、残り75%は企業から排出されているという事実、
消費欲求を高めるために次々と発表される新製品、そのためのコストは膨大です。
(これにパタゴニアの考えはシンプル。
コストを減らし、長持ちする合理的な製品を作ればいい、確かにそうなんだけれども………)
「いまの産業モデルは200年も前のものであり、
環境的にも社会的にも経済的にも持続不可能になっているが、
どのようなものであれ、事業をおこなおうとすれば、産業モデルの現状から逃れることができない。」
と本書では述べられています。
「その現代における事業責任と言うものを、地球環境が危機的状況にあり、
経済も大きく変貌しようとしていることを踏まえて考えなおそう」と言うのが目的です。
しかし「利益をきちんと出しながら、同時に進行している環境上の破綻への速度を遅らせる」という問いかけは
シンプルだけれども、実は経営する立場に立つと結構悩ましい。
自然への責任を果たすことが、本当に企業の収益性につながるのかを言う問いに対して、
本書では、イヴォン・シュイナードらが立ちあげた
「1%フォー・ザ・プラネット」という組織の加盟企業のトップ5社は、
景気が大きく落ち込んだ時期でも史上最高の売上を記録した事実を挙げています。
消費者は、景気が冷え込み、財布のひもを締めなければならなくなったときに、
尊敬、信頼する会社から買おうとすることを挙げています。
これもよくわかります。だから企業にはミッションが必要です。
本書の一番すごいところは、巻末の資料にあるように思います。
あらゆる企業が今後数年のうちに取り組む必要のある活動が具体的に挙げられています。
著者は確実にコストダウンになり、
それが自然に対する責任につながることから始めればいいと言っています。
ウチの会社もこれを参考にして、できることから始めようと思います。
パタゴニア自体も、数多くの失敗を経て、
あるべき方向性を見つけ出してきたことがわかりやすく紹介されているので、これも参考にあります。
いろいろな見方がありますが、「自然対する責任」は
企業が避けては通れない道であることは間違いないことだと感じました。
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