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2009年07月23日(木)更新

新規客づくりで陥る罠

「店がブランドになる」ことを支援・プロデュースしているクエストリーの櫻田です。

景気は底を打ったという言葉が空々しく感じられるほど、小売りの状況は先が見えません。
とくにジュエリー、時計、メガネの業界は相当に厳しい状況が続いています。
ある方は、“新幹線の最後尾に乗っているのがこの業界、
先頭車両がトンネルを抜けても、最後尾はまだまだトンネルの中”といっていました。
妙に実感がこもっています。

でも本当は、景気だけではない構造的な課題に手を付けなければ、
トンネルは永遠に抜けられないと思うのですが………。

厳しい状況の中で、わかっていても陥る罠があります。それは新規客づくりの罠です。
既存のお客様がもう買えない。だから新規客を作ろうとするのは正しい。
でも、新規客づくりに追われてしまい、既存のお客様をおろそかにするということがたびたび起きます。

この時期に新規のお客様を作るのは本当に難しい。
やはり、まず優先すべきはファン客、固定客が店から離れない対策を立てることです。
この基盤が揺らぐと、経営の軸がぐらぐらしてきます。

ところが、ここでまた勘違いが起きます。
ファン客、固定客を大事にすることと、このお客様だけで売り上げを作るということはちょっと別物です。

同じお客様がそう度々買えるわけがありませんよ。
すぐに売り上げにつながることばかりを考えるから、お客様が離れていくのです。
一度離反したお客様を戻すのは至難のことですよ。

大事なのは、買わなくてもいいので、店に来ていただく理由を作ることです。
ファン客、固定客で店ににぎわいを生み出す方法です。
来店してくだされば、自然と商品に目がいきます。

あるお店は、レシート抽選会を始めました。
また、別なお店は誕生日のお祝いDMに再度力を入れ始めました。
修理やお手入れのサービスを強化している店もあります。
コミュニティイベントという販売を目的としないお客様の集まりに取り組んでいる店もあります。

でも、多くの店はこういうことを熱心にやりません。
なぜならば、面倒で手間がかかり、すぐには効果が見えないからです。
でももともと商売は手間がかかるものです。
意味のない手間はムダにしかなりませんが、お客様が喜ぶ手間は価値につながります。

これをやれば、確実にお客様が来てくれるという方法は残念ながらありません。
でも、やらなければ何も変わりませんよ。やらないことが最大のリスクではないでしょうか。


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