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2009年08月18日(火)更新

「川上、川中、川下」という考え方の終焉

「店がブランドになる」ことを支援・プロデュースしているクエストリーの櫻田です。

弊社の仕事の主軸は、小売業です。
しかし、いまの経営環境の中で小売店が本気で「店がブランドになる」には、
小売店単独だけで解決できない問題がたくさんあります。
以前からわかっていたことですが、厳しい環境の中でこの問題が相当色濃く浮かび上がってきています。

このところ、弊社の主催するセミナーや勉強会、取引先でのミーティングで、
流通が「川上、川中、川下」(今や死語に近いかもしれませんが)というタテの流れから、
「創り手、助け手、使い手」という円の循環に変わってきていること話しています。
自分自身の整理のためにも、不定期になるかもしれませんが、
何回かに分けてこのテーマを書きたいと思います。

今回は前者の「川上、川中、川下」についてです。
このタテの流れは、それぞれが個々によくなることを目指して、
自分の受け持つ領域のみを守るという考えが主流です。
しかし、これが限界に来ているのだと思います。いまや部分最適では生き残れないのです。

タテの流れの中では、消費者はモノさえあれば買ってくれる存在でした。
新製品が次々と登場し、旺盛な消費欲求が市場を支えていたのです。
消費者の購買行動は品揃えの鮮度と量と価格で決まるということがマーケティングの基本でした。
そして、消費者も、モノを購入することによって幸せを実感出来た時代だったのです。

しかし、時代は大きく変わりました。
生活に必要なものはひと通り揃っており、新たな買物をしなくても特別に不自由を感じることはありません。
消費者は数多くの購入経験により、本当に必要なものは何かを見抜く目を持つようになりました。
さらに、インターネットの普及により、質の高い大量の情報を簡単に手に入れられるようにもなりました。

モノ不足の右肩上がりの成長時代ならまだしも、モノ余りの成熟時代においては、
「川上、川中、川下」という商品を主軸とした流通体制はもはや通用しません。
出せば売れる、並べれば購入するという供給者優位の時代ではないのです。

商品のジャンルにもよりますので一概にはいえませんが、
大量に生産して、大量に消費する仕組みが終焉を迎えつつあるのです。
特に工業製品においてはかなり顕著になってきています。
新興国の工業化が進行し、安い工業製品が大量に生産され、世界中で供給過剰となってきています。

※ちょっと理屈っぽい話しかもしれませんね。続きはまた次回に。


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