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2012年07月31日(火)更新

「アンパンマン」のミッションをご存知ですか?

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
先週の週刊「文春」(8月2日号)に、
漫画家の「やなせたかし」さんの興味深い内容のインタビューが掲載されていました。
 
やなせたかしさんの代表作といえば、絵本、アニメ、映画で大ヒットし、
子供だけでなく大人にも人気の「アンパンマン」ですね。




 
「アンパンマン」の原型作品は、1969年に「PHP」誌に連載されていた
大人向けの読み物「こどもの絵本」の第10回連載の「アンパンマン」だそうです。
 
このときの「アンパンマン」は空腹の人のもとへパンを届ける小小太りのお兄さんでした。
もちろん頭もアンパンではなく普通の人間でした。
 
この話をもとにして頭が「あんパン」の「あんぱんまん」が登場したのは1973年のこと。
幼児向け絵本「キンダーおはなしえほん」(フレーベル館)10月号に掲載されました。
ちなみにこのときはひらがなの「あんぱんまん」でした。
 
絵本の「アンパンマン」の当初のテーマは「貧困に苦しむ人々を助ける」というものであり、
小さな子供たちには難解だとして編集部や批評家、幼稚園の先生などから酷評されたそうです。
 
しかし、「アンパンマン」は次第に子供たちの間で人気を集め、
幼稚園や保育園などからの注文が殺到するようになったのです。

「アンパンマン」の体型も読者である子供たちに合わせて8頭身から現在の3頭身へと変わりました。
 
週刊「文春」にはこんなことが書かれていました。





「やなせたかしさんが書きたかったのは格好悪い正義の味方だという。
従来のヒーロー像に疑問を持っていたやなせ氏にとって本当の正義の味方とは、
ひもじい人を助けに行くアンパンマンのような存在だった」
 
また週刊「文春」とは別のインタビューでも、やなせさんは
「究極の正義とはひもじいものに食べ物を与えることである」と述べています。

子供向けの単なるキャラクターだと思っていましたが、「アンパンマン」には明確なミッションがあったんですね。
 
「アンパンマン」はいまでは日本だけではなく、中国や東南アジアに広がり、
英語はもちろんのことフランス語、イタリア語にも翻訳されています。
 
「アンパン」は日本の発明ですので外国にはありませんが、
これだけ支持されている背景にあるのは「アンパンマン」の「ミッション」への共感だと思います。
 
やはり「ミッション」って大事ですね。
 

2012年07月30日(月)更新

映画「エクソシスト」は苦手だけど、このCM作品はすごいね。

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
映画は大好きだけど、唯一ダメなのがオカルト映画。
以前はたまに観たけど、やっぱりダメ、観ているうちに疲れてしまいます。

とくに多くの人が名作という「エクソシスト」はまったくダメ。
一度は観たけど、二度と観ないね。(作品の素晴らしさは認めます)


 


突然CMの話になりますが、この作品はすごいね。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=aGb8pMIeY6w&noredirect=1

「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」、「The One Show」と並ぶ
世界三大広告賞の「CLIO Awards」の2012年の受賞作のひとつです。

思わずうなってしまいました。
 
その作品とは学生部門からシルバーを受賞した
ドイツの掃除機メーカー「Dirt Devil」のCM、何とタイトルは「The Exorcist」。

僕の苦手な映画「エクソシスト 」を見事にパロディにしたCMです。
演出、カメラワーク、どれをとっても学生の作品とは思えないクオリティ。
 
ディレクションしたのはドイツの映像学校「Film Academy Baden-Württemberg」に通う
「Andreas Roth:アンドレアス・ロス」監督。1987年生まれの25歳なんだって(若いなあ)。
 
なんだ「エクソシスト 」のパロディ?
そのままじゃないかと思わないで、終わりまで見てください。

最後の最後でやられますから・・・。

上質なクリエイティビティを感じますね。これからが楽しみな若手の映像作家です。
 

他の受賞作品もおもしろいですよ。
http://white-screen.jp/?p=16868
 

2012年07月29日(日)更新

ジャズグループ「MJQ」の二つの名称

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
「MJQ」といえば独特のスタイルでいまでも熱烈なファンを持つジャズカルテットです。
 
「MJQ」は、1951年に「ミルト・ジャクソン(ヴィブラフォン)」、「ジョン・ルイス(ピアノ)」、
「パーシー・ヒース(ベース)」、「ケニー・クラーク(ドラムス)」の4人で結成されました。
 


当初は「ミルト・ジャクソン」が音楽監督でしたが、やがて「ジョン・ルイス」が担当するようになり、
このことが「MJQ」の音楽スタイルを決めることになりました。
 
「ジョン・ルイス」はクラシックとジャズの精神を融合させることに情熱を注ぎ込み、
これまでの黒人音楽にはなかった独特のスタイルを作り上げました。
 
当初は「ジョン・ルイス」の知的な演奏と「ミルト・ジャクソン」のブルージーな雰囲気がよく噛み合って、
「MJQ」といえば他にないエレガントな音楽をイメージさせました。
 
数々の名曲、名演奏がありますが、
代表作はジプシーギターの「ジャンゴラインハルト」に捧げた「Django:ジャンゴ」。
クールでアーティスティックな魅力にあふれています。
 
しかし、二人の音楽性の違いは徐々に広がっていき、
1974年に「ミルト・ジャクソン」がグループを離れ、「MJQ」は解散します。
(1981年に再び結成されました)
 
確かに後年の「ジョン・ルイス」の作品はジャズの範疇に収まらないものも数多くあります。
(僕自身はどちらかといえば「ミルト・ジャクソン」の方が好み)
 
ところで、書きたかったのは「MJQ」というグループ名のこと。
結成した1951年当時は「MJQ」は「ミルト・ジャクソン・カルテット(Milt Jackson Quartet)」の略称でした。
 
ところが、翌年には同じ「MJQ」ですが、
正式名称を「モダン・ジャズ・カルテット (Modern Jazz Quartet)」と変更したのです。
 
名称変更の理由と誰が決めたのかはわかりませんが、
確かに「ジョン・ルイス」のクールな室内音楽的なスタイルには「モダン・ジャズ・カルテット」方が似合います。
 
「MJQ」の名称変更は、スタイルを表現するためにはネーミングが大事ということを教えてくれますね。

2012年07月28日(土)更新

「移転お知らせ」のお手本みたいな貼り紙

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。

会社に来る時には有楽町の駅からてくてくと10分ほど歩きます。

銀座の中央通りを通り越して、先の昭和通りを渡るのですが、
結構楽しくておもしろい発見があります。
(いまは歩くのはちょっと暑いけどね)

昭和通りを越えたところに、半年ほど前から空き家になったビルがあるのですが、
そのビルに貼ってあったのが「麻雀教室」の移転のお知らせ。
(ぼくは麻雀はやらないけど仕事柄で目にとまりました)





移転の案内って意外と難しい。

地図と住所を書けばいいと思っているのが大半ですが、
見てもピンとこないことが少なくありません。

この貼り紙の地図はわかりやすいね。
しかも新教室の場所が黄色くなっていて、5階ということもすぐにわかります。

さらに、この貼り紙にはこう書いてあります。

「場所がわからない場合は、この場所から動かずにお電話をください。
すぐにお迎えにあがります。」


そして、この貼り紙の中で電話番号が一番目立ちます。

移転先はすぐ裏手で込み入ったところではないので、
たぶんわかると思うけれども、
「麻雀教室」に来た人の気持ちをしっかりと押さえています。

しかも、無駄がまったくない。
変にデザイン的に上手にまとめようとするとこういうのは作れませんね。

わかりやすくて親切な「移転のお知らせ」のお手本です。

2012年07月24日(火)更新

「比較をしない、競わない」という経営

 
 「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
セミナーなどで講演をしている最中に、「そうかこういうことか」と思い付くことが時々あります。
昨日の「中央区経営セミナー」の講演中に感じたことがあります。
 
「同質化」と「独自化」の話をしていた時のことです。
「同質化競争」は同じステージで、基本的には同じやり方で
相手に勝ってビジネスや商売を伸ばしていくことです。
 
この競争にはゴールはありません。
あるとしたら、どちらかが負けだと認めた時か倒れた時です。
やはり資本力に勝る大手が有利であることも否めませんね。
 
「そうかこういうことか」と思ったのは、シンプルなことですので、
「何だ、そんなことか」と感じるかもしれませんが、
「独自化経営」を目指す前に、この同質化競争に巻き込まれないことが大事だということです。
 
独自化と叫ぶよりも、「比較をしない」、「競わない」ということのほうが肝心なんじゃないかなと思ったのです。
 
勝とうとしないことといってもいいかもしれません。
自分がいいと思うことをとことんやるだけのこと、そこには勝ち負けなんか関係ありません。
 
そうはいってもビジネスや商売は戦いだという考え方もあります。
自分が望まなくても競争に巻き込まれてしまうという考えもあります。

それでも、向うべきは自分自身です。
 
戦いで勝ち抜くことが好きな人はそうすればいいだけのこと。

周りがどうとかこうとかということでもなく、「独自化経営」を目指すということでもなく、
自分は何が楽しいのか、どういう状態が気持ちいいのかを追い求める経営です。
 
そんな弱気で、後ろ向きで、自分勝手でいいのかと思うかもしれませんが、
実はこれが一番強く、快適な経営だと思います。

そこを大事にして、積み上げていった結果、
周りから見ると「独自化経営」といわれるのではないでしょうか。
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