大きくする 標準 小さくする

2012年03月06日(火)更新

地図を求めるのではなく、コンパスを求める。

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースするクエストリーの櫻田です。

「地図を求めるのではなく、コンパスを求める。」
これはMITメディアラボ所長の伊藤穣一さんが、1月17日に東京・潮留での講演で語った言葉です。

MITとはアメリカのマサチューセッツ工科大学のこと。
MITメディアラボは1985年に創設された世界最先端のメディア研究の拠点のひとつですね。

伊藤さんは昨年4月に250人を超す候補者の中から新所長に選ばれました。
伊藤さんが語ったのはインターネットと社会の変化のことですが、
「地図を求めるのではなく、コンパスを求める」と言う言葉はブランディングにも通用しますね。

先行きが見えない時代に地図を求めても不確かでしかありません。
それにブランディグには、行き先までの道のりが書いてある地図はありません。
方向だけが分かる「コンパス」を持って進むのがブランディングです。

ブランディングの「コンパス」は何かと言うと、
“誰を、どのように、幸せにするのか”というミッションですね。

どの方向に向かっているのかさえ分かっていれば、詳細な地図は必要ありません。
それに地図通り行くのはあんまり楽しくはありませんね。

ブランディグでは関わる人全員が「コンパス」を持たねばなりません。
なぜならば、一人ひとりがブランドを体現し、それを実践する主役だからです。

いちいち地図を広げて確かめているうちに、目の前のお客様はあなたの目の前から去っていってしまいます。

伊藤さんは講演では「アジャイル:agile」と言うことも語っています。
「アジャイル」とは“俊敏な”の意味です。

「いままでの中央管理型というものは、あらゆるすべてのリスク、あらゆる可能性を設計して作ってきた」、
しかしこれが難しくなっていると言うのです。

しかし、伊藤さんの言う「アジャイル」は、とりあえず作ってやりながら考えると言う感じです。

変化が急速ないま、事前に一生懸命考え過ぎるのではなく、まずはやってみることが大事ですね。
念入りに考えているうちに状況が変わってしまうことさえあります。

「アジャイル」でプロジェクトを進めるには、正確で詳細な地図ではなく、
大まかな方向を指し示めしてくれる「コンパス」が必要と言うことです。

そうそう、忘れるところでした。MITメディアラボは副所長も伊藤裕さんと言う日本人です。
日本人が世界で活躍していますね。