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2013年12月04日(水)更新

帝国ホテルのおもてなしの心

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。


「帝国ホテルのおもてなしの心」という本をご存知でしょうか。

いまから20年近く前に、学生社という出版社から、1995年に出版されたロングセラー本です。
ずいぶん前に購入した本ですが、会社の書棚で目に止まりました。



この本は、帝国ホテルが1978年から月刊誌・文芸春秋に連載したシリーズ広告をまとめたものです。
帝国ホテルが行っている様々なおもてなしがわかりやすく紹介されています。


ずいぶん前のことですが、お取引先の社長さんが
帝国ホテルに泊まって感激したことを話してくれました。

社長さんは、その日風邪気味で喉の調子がおかしく、
チェックインしたときに風邪薬を欲しいとフロントで伝えたのだそうです。

部屋に入り、薬を飲んでしばらくすると部屋がノックされました。
ドアを開けるとそこにはホテルのスタッフが加湿器を持って立っていたそうです。



こういった感動につながるサービスは、効率や手間やコストから考えたら、
「できない、難しい」ということになりがちです。

でもお客様が望んでおり、誰もがやりたがらないことこそ、価値があり、
リピーターを生み出すキーポイントになります。

ブランドは「幸せな記憶のスタンプ」だけど、小さな心配りが果たす役割は大きいですね。


クエストリー:http://www.questory.co.jp
クエストリー・ブランディングクラブ:http://www.questory.co.jp/tabid/120/Default.aspx

2013年12月03日(火)更新

成果を生み出すシンプルなステップを基本通りに

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。


お手伝いをさせていただいているお店や会社の業績の報告を聞くたびに、
いたずらに、売り上げや利益に一喜一憂するのではなく、
まずは事実をきちんと整理することの大事さを実感します。

すべてが悪いわけではなく、さほどでもない部門もあれば、本当にひどいところもあります。
多くは全体の数字だけを見て、業績不振という判断をしています。


具体的な対策を立てる前に、一つひとつていねいに分解する必要があります。
「何が出来ていて、何がうまくいっていないか」をきちんと把握することです。

これをしないまま、対策を立てても焦点が絞られずに徒労に終わることが少なくありません。
結果的に社内にはあきらめムードが広がります。


ちょっと乱暴な見方かもしれませんが、有効な対策の多くは新しいことではありません。
むしろ基本の徹底と見直しに尽きることが少なくありません。

確かに景気や外的要因に左右されることも少なくありません。
しかし、低迷や不振の原因の多くは内部に潜んでいます。

それはいい換えれば、基本の軸がずれているのです。



まずは成果を生むシンプルなステップを基本どおり踏むことです。
どんなに小さな成果でも、それが生まれれば人は明るく前向きなれます。

出来ない理由を考えると悩みはつきません。

出来ない理由は、結構自分でもわかっているだけに、出来ない自分が情けなくなります。
それが重なると社風はどんどん暗くなります。


ないものを数えると、どうしても他との比較になります。

すべての悩みは比較から始まるといっても過言ではありません。
いま出来ること、いまあるものこそ、基本の実践ではないかと思います。



かつて「小さな努力で大きな成果」が当たり前の時代がありました。

小さなことをコツコツと積み上げることが、
どこか馬鹿らしいという雰囲気さえありました。

しかし、本当の経営とは・・・

「大きな努力で小さな効果を上げながら、
それを大きな成果に育てる工夫を重ねること」だと信じています。


クエストリー:http://www.questory.co.jp
クエストリー・ブランディングクラブ:http://www.questory.co.jp/tabid/120/Default.aspx

2013年12月02日(月)更新

食の安全とおいしさを本気で考えるとこうなる

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。
 

「クエストリー・ブランディングクラブ」というグループを主宰しています。
業種、業態はさまざま、ブランディングに本気で取り組む経営者の集まりです。
グループの活動は弊社のホームページをご覧ください。http://www.questory.co.jp
 
以前から、会員同士のコラボレーションの場を作りたいと思っていました。
今日がその第1回目。会員のバル.ジャパンがグループ会社として11月から事業を始めた
太田市場にある牡蠣の仲卸「山小三(やまこさ)」さんの見学会を行いました。

山小三(やまこさ):http://yamakosa.com
バル.ジャパン:http://www.barjapan.co.jp
 
9時45分に京浜急行の平和島駅に集合したのは、
クラブ会員の5名と会員からのご紹介の2名の計7名。全員が飲食店関係の方です。
早速、太田市場に移動して牡蠣の仲卸の山小三さんを訪問しました。


お二人はご予定があり早めにお帰りになりました。
 

このところ食品の偽装問題がニュースをにぎわせています。
自社の利益追求だけを考えた偽装は見逃せませんが、もっと根本的な流通や管理にも問題があります。
今回のコラボレーションミーティングはその食品の安全性を考える機会でもありました。
 
牡蠣と言うと、必ず身近に一人くらいは当たったことがある人がいますよね。
しかし、バル.ジャパンさんが運営しているオイスターバー&レストラン「オストレア」では
営業を始めて6年が経ちますが、一度も当たった人はいません。
 
牡蠣は1日に200リットルの海水を吸い込み、吐き出すのだそうです。
海水には一定数の細菌が常時存在しているのだそうです。
例えばノロウイルスなどが体内に残ったままの牡蠣を食べると問題が起きます。
 
 


牡蠣に付着した細菌類は紫外線殺菌灯で
照射した海水に24時間以上つけることで99.9%は除去できるのだそうです。
同社では生産者の下で24時間~72時間紫外線殺菌海水に保管された安全な牡蠣のみを扱っています。

海のミルクと言われる栄養抱負で消化のよい牡蠣は実は産地ごとに味が異なります。
牡蠣は大量の海水で体内を濾過することにより、
山から河川を通じて流れ込んだ養や栄養を取り込み、産地ごとの牡蠣の味が生まれるのだそうです。

しかし、海水を大量に取り入れて吐き出す、この牡蠣の特性によって問題がおきます。
産地の違う牡蠣を同じ海水の中に入れてしばらくすると、
吸い込んだ海水によって全部が同じ味になってしまうのだそうです。これって知りませんでした。


海の栄養たっぷりの牡蠣を試食させていただきました。
 
 
同社ではこの問題を解決するために、多額の費用を掛けて
世界初の減菌・衛生施設を太田市場内に作りました。

この施設では、5℃以下に保った紫外線殺菌された海水ミストを噴霧し、
牡蠣を冬眠状態にさせています。
 
海水の出し入れがないので、牡蠣は産地の風味をそのまま閉じ込めたまま眠っています。
鮮度やおいしさが損なわれないのはもちろんのこと、さらにはアミノ酸が増すと言われています。

海水ではなく冬眠させて保管する、これってコロンブスの卵的な発想の展開です。


減菌・衛生施設に入るために白衣に着替えました。
なんだかみんな嬉しそうです。
 

さらにもうひとつのこだわりは「スラリーアイス」です。
これは牡蠣を塩分1%の人工海水で作った雪に近いみぞれ状のアイスです。

これで牡蠣を包み込んで送るとアイスは溶けることなく、
均一に冷却でき、鮮度の低下を押さえることができるのだそうです。
 

これが魔法の氷「スラリーアイス」です。


長々と書きましたが、それだけすごい鮮度管理と発送の仕組みです。
安全で新鮮な牡蠣を味わっていただきたいと言う
山小三とバル.ジャパンさんの思いは参加者に着実に届きました。

初めて開催した「コラボレーションミーティング」ですが、
ここから会員同士の新しいコラボレーションが生まれそうです。

 
株式会社 クエストリー:http://www.questory.co.jp

クエストリー・ブランディングクラブ:http://www.questory.co.jp/tabid/120/Default.aspx
 

2013年11月29日(金)更新

好き、且つ得手(小椋佳さんのコラムより)

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。
 
PCのサーバでデータを探していたら、
10年前の2003年11月17日に書いた取引先への定期的なレポートの原稿が出てきました。

作詞家で作曲家の小椋佳さんの新聞のコラムに触発されて書いた原稿ですが、
何気に読み返したら、結構いいことが書いてあります。

と言うよりも、ほとんどコラムの引用ですが・・・。



 
このレポートは、出来るだけ他からの引用を少なくして書くことを心がけていますが、
今回は思わずうなってしまう新聞のコラムがあったので引用します。
 
お読みになられた方もいるかも知れませんが、
出典は11月13日(木)の日経新聞・夕刊1面の“明日への話題”というコラムです。

タイトルは「続・好き、且つ得手」、書き手は作詞・作曲家の小椋佳さんです。
一時期、癌との報道があったのですが、お元気そうです。ではコラムから一部を抜粋します。
 
“前回、新時代を上手に生きる方策の一つとして、「好き、且つ得手」なものを身につけようと書いた。
そのことは「言うはやすし」であるとも書いた。

(中略)得手になるには無論、好きになることも、
どうやらちょっとかじってすぐやめるという態度では果たせないもののようである。”
 
ちなみに、小椋さんは琵琶語りを身につけて老年はその演奏旅行を行うという計画があるそうです。
しかし、琵琶語りを習い初めて8年になるのにうまくいかないと書いています。

さて引用の続きです。
 “言葉遊びのきらいはあるが、必要なキーワードとして
「シンボウ」という言葉を挙げられそうである。

まず「辛抱」、地味で地道な修行に耐えること。
次に「信望」、何事も一人では果たせない。先輩や仲間たちとの信頼関係を構築すること。
 
そして「心房」、健康管理は常に肝要。さらに「心棒」、
自らの価値観の核心に照らしてそれを行うことの確たる鎖を意識すること。

付け足すならば「深謀」、好きになり得手になるプロセス、
好きになりえたとなった果ての生活についてきちんとした計画や展望を描くこと。”
 
辛抱、信望あたりまでは、当たり前に必要だと思うのですが、
心房、心棒、さらに深謀とくると、思わずなるほどと手を打ちたくなる感じです。

小椋さん自身も自分の琵琶修行がすべてこの「シンボウ」を
兼ね備えているかというと心もとないと告白しています。
 
その上で小椋さんは“好き、且つ得手なものの獲得は、
どなたにとっても新時代に回避し得ない困難な挑みというのがふさわしいようである。”
と最後に書いています。
 
このコラムの趣旨は、生き方の方策ということで書かれていますが、仕事も同じではないでしょうか。
仕事をイキイキと楽しんでいる人と出会って感じるのは
「好き、且つ得手」の2つの条件のうちのまず好きであることを確実にクリアしていることです。
 
得手かどうかは簡単にはわかりませんが、
好きならば少々の苦労は苦労と思わないという姿勢であることは間違いありません。
それに、いまよりもよくなることを貪欲なくらい考えています。
 
自分はどうかと、あらためて自問自答してみると、
「好き、且つ得手」であるといいたいのですが、
「嫌い、且つ不得手」と思うときがたびたびあります。

まあ、そういう時は疲れがたまり、思い悩むことが多々あるときです。
そんなときはゆっくりと休養を取れというサインかなあと最近は感じるようになって来ました。
 

2013年11月22日(金)更新

群馬県上野村の鍾乳洞「不二洞」に行ってきました。

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。
 
仕事でいろいろなところに行く機会があります。
しかし、鍾乳洞に入るとは思いませんでした。
何か前回の「ワインツーリズム山梨」に続いて紀行ブログのようですが・・・・。
 
群馬県の南西部の多野郡に上野村という人口1,300人ほどの村があります。
群馬県で最も人口が少ない自治体で、平成の大合併のときに合併をしないという宣言をしました。
仕事のご縁があって今月の12日(火)に上野村を訪問しました。

上野村→http://www.uenomura.ne.jp
 
遠そうに感じるかもしれませんが、
東京駅から高崎駅まで上越新幹線で約1時間、そこから車で1時間半、
合わせて2時間半で到着しますから思ったよりも近いのです。
道路も整備されていますし、快適な小旅行気分でした。
 
上野村の魅力は何と言っても豊かな自然です。
総面積の94%が森林であり、古くから良質の木材の産地として知られ、
江戸時代徳川幕府の天領となっておりました。
 
この頃より「木地師(きじし)」と呼ばれる人たちが在住し、
いろいろな木工製品を作っていたそうです。(下の右の画像は木地師の墓)
いまでもこの伝統を受け継ぎ、村には多くの木工家が在住して木工製品を制作して販売しています。

  

さて、この上野村には不二洞と言う鍾乳洞があります。
洞内の延長2.2km、関東一の規模を誇ります。

鍾乳洞の入り口は頑丈な鉄の扉で塞がれており、開けると奥へ奥へとつながっており、
まるでタイムトンネル、胸が震えました。

  
 
鍾乳洞というと高校の修学旅行で行った秋吉台を思い出しますが、
この不二洞は縦穴式の鍾乳洞です。

洞内は大きく複雑で鍾乳石の大きな柱がそそり立つ大殿堂や、
やっとくぐりぬけられる小さな支洞など、まさに見どころ満載。

平成4年には新支洞が発見されるなど、 多くの支洞が複雑に発達し、
いまなお全貌を現さない迷宮型の鍾乳洞です。

  

約1200年前の平安時代からその存在が知られていましたが、
いまから400年ほど前、藤原山吉祥寺の僧、中興開山上人が始めて最奥部まで足を踏み入れ、
この洞窟を世に広めました。その後は修行の場として利用されていたそうです。

   
 
そのため洞内45か所には仏にちなんだ名称が名付けられています。
それがまた何とも言えない雰囲気を醸し出しているのです。
もうすっかり気分はインディ・ジョーンズでした。
 
こんな仕事ならいくらやってもいいなあ。
もちろん上野村には不二洞以外にもいくつもの価値のタネがあります。
それを見学しながら、もしかしたら上野村とご縁が深まるかも・・・と期待しています。
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