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2014年01月17日(金)更新

葛飾応為とレンブラント

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 
先日、江戸東京博物館で開催中の「大浮世絵展」を観てきました。
正直言って浮世絵にそれほど関心があったわけではありません。


 
しかし、案内に書かれていた「浮世絵の“教科書”、“国際選抜”となる展覧会」
という言葉に強く惹かれたのです。
 
会場には、国内外から集められた代表的な約350点(東京会場以外は430点)が
時代ごとに6つの章で構成されており、浮世絵の全史を観ることができます。
 
歌麿、写楽、北斎、広重などのスター絵師の活躍はもとより、
初めて知る絵師たちの作品にすっかり魅了されました。
 
あらためて思ったのは、浮世絵っておもしろいということ。なかでも強く惹かれたのが、
葛飾北斎の娘で同じ浮世絵師の葛飾応為(おうな)の作品です。
 
10点ほどしか作品は残っていないらしいのですが、展示されたのはその中の名作「夜桜図」です。

右の作品は出展されていませんでしたが、
「吉原夜景図」、独特の猥雑感を感じる何とも言えない陰影あふれる作品です。

 

話は変わりますが、2005年にスイス、フランス、ベルギーを10日間ほどかけて回りました。
その時にベルギーで光の魔術師の異名を持つレンブラントの作品を観ました。
 
葛飾応為の作品を観たときに思い出したのが、このレンブラントでした。
葛飾応為の作品もレンブラントに負けず劣らず陰影に満ちた作品なのです。
 
ちなみに下の画像はレンブラントの有名な「夜警」という作品です。
葛飾応為の作品と比べてみてください。



この「大浮世絵展」は3月2日まで江戸東京博物館で開催され、
その後は名古屋市博物館/年3月11日(火)~5月6日(火)、
山口県立美術館/5月16日(金)~7月13日(日)を巡回するそうです。 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp
クエストリー・ブランディングクラブ:http://www.questory.co.jp/tabid/120/Default.aspx

2014年01月06日(月)更新

久米信行さんの『ピンで生きなさい』を読了

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。

 
師匠として尊敬している久米信行さんの
『ピンで生きなさい』(ポプラ新書)を年末に読了しました。
本をいただき、出版記念の会にも参加しながら、読み終わるのが遅くなりました。





久米さんと始めてお会いしたのは、 2008年11月05日のこと。
東京都中央区の「へそ展」で開催された久米さんの講演に
まったく予備知識なく参加したのです。


その時の印象は強烈。仕事の方向性がぼんやりとしていた時でしたので、
この人にはもう一度会わなくてはとすぐに名刺交換をしました
(1番と思ったのですが、2番でした)。

もう一度お会いしたい旨を伝えると、「ランチをいっしょに食べましょう」との言葉。
以来、師匠のお一人です。弊社の集まりでは毎年講演していただいています。



本書には、ピンで生きるためのヒントが31章にまとまられています。
僕も中小企業の経営者の一人として、
そうだよなあ、そうだよなと感じるところ極めて多い本です。

もちろん中小企業であろうとも会社は組織です。
それでもやはりピンの視点がなければ中小企業の経営の舵取りをすることは難しい・・・。


ちょっと乱暴な言い方かもしれないけど「ピンの視点がなければやってられない」。
中小企業は名刺にも看板にも頼れません。

それらを盾にした相手にこれまでどれだけ腹を立てたことか。
とくに創業間もないころの銀行の対応はひどかったなあ。
「嫌ならよそへどうぞ」と言い放ったTM銀行の対応にはいまでも怒りがぶり返します。


いっしょに会社を立ち上げた仲間はいましたが、やはり孤独でした。

さすがにいまでは腹を立てても何も変わらない、
それよりもいま目の前の厄介ごとを少しでも楽しもうと思えるようになりました
(時々そうでもなくなりますが・・・)。そう思わないとやってられないのが本音です。



多くの経営者がそうかもしれませんが、
経営の舵取りに迷い苦しみ、時にはぶれる時があります。
時にはそうではないだろうと思いながらも失敗の道に踏み込んでいきます。

そのたびに仲間や周りを振り回している自分に嫌気がさしてきます。
そんな時のために、第4章には「ピンで生きるのが辛くなったとき」が用意されています。


ピンで生きる人は、「孤独になることを厭わない力=孤独力」が、
自己成長や自己実現のエンジンになることを確信している。

何よりも大切なことは、孤独に「道」を歩んでいる同志が、
今も昔も「どこかにいる」と信じていることだ。

独りで道を歩む有名無名の同志たちが社会を革新してきた。


・・・しみじと感じます。いいですねえ。


僕も一冊だけですが、本を出しているので感じるのですが、
『ピンで生きなさい』は目次構成がしっかりとしています。

あとがきを読むと久米さんと編集者の力の結晶ということがよくわかります。
久米さんのお人柄なんだろうなあ。

中小企業の経営者にこそ読んで欲しい一冊です。
あっ、もちろん経営者でなくてもお勧めですよ。ぜひ、ご一読を。



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2013年12月16日(月)更新

​心に響く夏目漱石の言葉

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。
 
 
昨日、仕事で必要になって夏目漱石の文庫本を5冊購入しました。
『我輩は猫である』『坊ちゃん』『こころ』『門』『三四郎』の5冊です。

どれも中学、高校時代に読んだ本です。
『吾輩は猫である』ってこんなに厚かったんだ。


 
明治の文豪といわれる夏目漱石は晩成の作家でした。
漱石が『吾輩は猫である』を書いたのは38歳の時です。

亡くなったのが49歳(もっと長生きかと思っていました)ですから、
約10年の間に数々の名作を書いたことになります。
 
作家として満ち足りた人生かと思えば、なかなか波乱に満ちた49年間だったようです。
神経衰弱や胃潰瘍に悩まされながら、文学を追求した漱石の言葉は示唆に飛んでいます。
 
商売やビジス、そしてブランディングにも大いに通じるところがありますね。
心に響いた言葉をいくつか紹介します。
 

 

やろうと思わなければ横に寝た箸を縦にすることも出来ぬ。
 

ある人は十銭をもって一円の十分の一と解釈する。
ある人は十銭をもって一銭の十倍と解釈する。
同じ言葉が人によって高くも低くもなる。

 
自分のしている事が、自分の目的(エンド)になっていない程苦しい事はない。

 
おれの進むべき道があった!ようやく掘り当てた!
こういう感投詞を心の底から叫び出される時、
あなたがたははじめて心を安んずることができるでしょう。

 
 
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2013年12月13日(金)更新

​お客様のことを本気で気遣う余裕が、サービスのセンスを高める

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。


ある小売店の社長とサービスの話をしていたときに、
「結局、余裕の問題なんだよなあ」としみじみ言われた言葉が印象に残っています。

 
確かに、いま目の前のことでいっぱいになっていると、
お客様のことを一番に考えようとしても、どうしても自分の勝手が前に出てしまいます。
 

以前、小売店の店長会議で素晴らしい話を聞きました。

この時期はクリスマスシーズンに投入し、プレゼントニーズが高まりますね。
そんなときに起きたクレームの話しです。

男性客が彼女にプレゼントするためにピアスを買われたそうです。
 
そのピアスを彼女に贈ったところ、数日後にピアスの針が折れてしまったとのこと、
当然、男性はお店にクレームの電話をかけてきました。


 
そのクレームを受けた女性店長さんはお客様にまずこうお話されたそうです。
「本当に申し訳ございません。女性の方にお怪我はございませんでしたか?」
 

普通ならば、お詫びをして、
返品交換やお金をお返しするというクレームの処理に話が進みます。
 
もちろん、これも大事なことですが、
一歩間違えると処理をすることが目的になってしまいます。
クレーム=処理という発想ではお客様の怒りはさらに激しくなります。

でも「お怪我はございませんでしたか?」
という一言は本当にお客様を気遣ってのことです。
 
男性客にとっては自分の彼女だけにとくに心に響いたようです。
怒りは次第に治まっていったそうです。


この女性店長さんの応対は、考えて出来ることではありません。
 
普段から、思考回路がお客様のことを気遣うように出来ているのだと思います。
サービスのセンスのレベルが非常に高いといえます。
 
モノが売れたことだけを評価し、
お客様に喜んでいただいたことには無頓着な店が少なくありません。
 
建前ではなく、売り上げはお客様に喜んでいただいた結果です。
何かとせわしないこの12月だからこそ、自店のサービスをチェックしましょう。

2013年12月06日(金)更新

微差、僅差の積み重ねが絶対差につながります

「小さくても光り輝くブランド」を支援しているクエストリーの櫻田です。
 

今週も何人もの素晴らしい経営者にお会いすることができました。

共通していることは、微差、僅差の積み重ねをすごく大事にしていることです。
一見すると派手な経営のように見えても、その裏には小さな積み重ねがあります。
 
微差、僅差は文字通りほんの少しの違いです。

でもこのわずかな差でも続けていくと大きな差になります。
1度の角度の違いは手元ではわずかですが、100メートル先では1.74mの高さになります。


 
しかし、よくある勘違いは、微差、僅差の積み重ねは、
ただ同じことを繰り返すことだと思うことです。

同じことを繰り返せば、微差僅差が生まれるわけでありません。
繰り返しの中で違いを出すための工夫が必要なのです。
 

AとBの方法があった時、BがAよりも劇的に良くなるならば、人はBの方法を選び取り組みます。
しかし、Bがわずかしかよくならないと、人はBの方法を馬鹿にして、
いままでのやりなれたAの方法を続けてしまいます。
 
一生懸命仕事をしても成果を上げられる人と上げられない人がいます。
成果を上げられない人に多いのは面倒くさがり屋です。
反対に成果を上げられる人には面倒くさがり屋はいません。
 

ほんの小さなことだから、どうと言うことはない、そう思っていると微差、僅差は生まれません。
当然、絶対差にはなりません。

わずかでもいいことならば、すぐ取り組む人が成果を上げられるのです。
自戒を込めてそう思います。

 
クエストリー:http://www.questory.co.jp
クエストリー・ブランディングクラブ:http://www.questory.co.jp/tabid/120/Default.aspx
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