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2009年01月23日(金)更新

店のブランド力を強くする4つの法則②

こんにちは、クエストリーの櫻田です。
さて、「店のブランド力を強くする4つの法則」の2回目です。
今回も対談形式でお届けします。

ブランドとは何か?
店がブランドになるということはどういうことなのか?


司会:
さて、いまブランドという言葉が出ましたが、
一般的にブランドというと、海外の高級品や特別な品を思い浮かべますが、
店がブランドになるということはどういうことなのでしょうか?

櫻田:
「店がブランドになる」ということの前に、
ブランドとは何かを整理する必要がありますね。
私たちはブランドとは「記憶のスタンプ」といういい方をしています。
人間の脳はこれまでに経験したことをすべて記憶しているそうです。
記憶の中に強く捺されたスタンプがブランドです。
その名前を聞いたときに、そこで経験した格別な存在感が
よみがえってくるのがブランド。


パスポート

岡本:
そういう意味では、ブランドはお客様の頭の中に
出来上がるもの
なんですよね。
例えば、羊羹と聞くと私は瞬間的に
虎屋さんを思い浮んできて、あのおいしさを感じます。

櫻田:
そうだね。お客様の頭の中で、
絶対的な信頼感や圧倒的な存在感につながるものが
ブランドということだね。
そうであれば、店がブランドになることは十分あり得るし、
現にブランドと評価されている専門店はいっぱいあるね。

岡本:
当初、私たちクエストリーは
「店をブランドにする」という表現を使っていましたけれども、
正しくは「店がブランドになる」ということですね。
いくら発信側が自分たちはブランドといっても、
お客様や社会がブランドと評価してくれなければブランドとはいえませんよね。

櫻田:
そうだね。お客様がブランドと認めてくれなければ、
それは絵に描いた餅でしかないね。
ブランドとは「記憶のスタンプ」、お客様の頭の中に、
築きあがられるのがブランドだね。
お客様の「記憶にスタンプされる」には、
多くの広告予算を投入し、店舗イメージを高め、
店舗数を増やさねばとお考えになられる方もいると思いますが、
いくら売り上げが大きくても、店数が多くても、
お客様、消費者がブランドとして評価してくれなければ、
ブランドとはいえない
わけだね。

司会:
なるほど、ブランドのことが少しわかりかけてきました。
ところで、ブランディングという言葉もよく使いますが、
ブランディングはどういうことをいうのですか?

櫻田:
ブランドを創り上げる意思と行動のことがブランディングです。
意思と行動というと難しく感じられるかもしれませんが、
要は熱烈なファンづくりといっても構いません。

岡本:
あるデータによれば、人は日常生活を送るなかで、意識か無意識は別として、
一日に5万回の判断と選択を行っているともいわれています。
店選びもその一つですね。
そして選択の基準が記憶のスタンプですね。
スタンプは一度だけで、強く捺されるわけではなく、
繰り返しの経験でさらに色濃く捺されるようになるということです。
記憶のスタンプが強くなればなるほど、その店のファンになるわけです。

※次回3回目に続きます。

2009年01月22日(木)更新

店のブランド力を強くする4つの法則①

私どもの会社、クエストリーは
「店がブランドになる」ことを支援・プロデュースすることをミッションにしています。


今回から7回に分けて、私たちが考えていることを少しご紹介したいと思います。
この原稿は、私たちが新規のお取引き先、あるいは仕事を始める際にお取引き先に
お渡しをしている参考資料の一部です。

文中の岡本というのは、私どものプランニングディレクターです。
私との対談形式になっています。

……というわけで、第1回目です。


<同質化競争では中小専門店は生き残れない>

司会:
このところ中小の専門店の苦戦が目立ちます。
本当に厳しいという嘆きの声が聞こえてきます。
その要因はどこにあるのでしょうか?

岡本:
そうですね、確かに景気や経済動向の影響は否めません。
どうしても環境や 条件のせいにしたくなりますが、
問題はもっと本質的なところにあります。
現実に、私たちのお取引き先でも、
景気など関係なく安定的に業績を伸ばしている店はたくさんあります。

櫻田:
お店の方とお話しをしていて感じることですが、3つの思い込みがあります。
ひとつは、地元のお客様は地元でしか買わないという思い込み。
ふたつ目は、固定客だから買う時には必ず我が店に来てくれるという思い込み。
3つ目は、商品がよければ買ってくれるはずという思い込みです。
この思い込みが実は怖い。

岡本:
消費者は買い物に対して自由です。
地元だけでしか買わないということはありません。
他の地域や場所に出かけて買うこともあります。
東京・銀座のお客様は地方の方が多いといいます。
さらに日本だけではなく、海外で買うこともあります。
それ以前に、外出をしなくても、テレビショッピングやインターネット、
通販でも買い物をしますからね。

櫻田:
そうだね。二つ目の固定客だからという安心感はお店側から見てだね。
お客様には関係ない、義理で買うということはないと思った方がいい。
当たり前のことだけれども、お客様は、自分の生活を豊かにするために
商品を買うのであり、店を儲けさせるために買うわけではないからね。

岡本:
商品がよければという発想も根強いですね。
そもそも、よい悪いという判断も店がくだしているわけで、
消費者からみるとまったく違う場合があります。
いい品なのにという見方のなかには、
こんなに安いのにという気持ちがどこかにあるような気がします。
他で売れているという評判も気にしすぎだと思います。
あいかわらず他で売れている品がいい品と思い、
これまでの売れ筋を追いかけている店が少なくありません。
反対に、他でどんなに売れていても、
自分の店に合わなければ取り扱わないという考えの店もあります。
いま安定的に業績を伸ばしている店はこのタイプが多い。
いい商品かどうかを決めるのは、店ではなくお客様です。

櫻田:
他と同じことをやっていれば何とかなった同質化競争では、
もはや中小の専門店は生き残れないね。
競争の広さと深さが以前とは比べようにないほど
大きくなってきているのだから………。
同じような商品を同じような売り方で、
同じようなお客様に売っている同質化競争で、
勝ち残れるのはひとつの商圏の中で1店舗のみ、しかも利益なき勝利だよね。
何よりも、消費者が同質化競争にNOといっている。

岡本:
そうですね、競争しないで、生き残ることがいま重要ですね。
一番の競争相手は、同業者や他店ではなくて、実はお客様なんですよね。

櫻田:
そうだね。ひたすら、お客様を見つめて、お客様が喜んでくれることを考え、
実践するということが一番の道だね。
私たちはそれをブランドというシナリオで組み立てているわけだけれも………。
   
※次回に続きます
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