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2014年05月26日(月)更新

神田の「好好(ハオハオ)」のこと

「小さくても光り輝くブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。


先週の土曜日に、中高時代の友人に誘われてある講演会に行きました。
講演会の終了後に一杯飲もうということになりました。

彼の息子も参加することになったが、お酒がダメということなので
神田の「好好(ハオハオ)」という店に足を運びました。

 
「好好」はJR神田駅のガード下の2階にあるお店。
最近は行く機会が少なくなったけど、かれこれ25年以上前から通っています。

東北新幹線が東京駅に乗り入れたと、店舗が改装されたけれども、
それまでは古色悠然としたおもむきの店でした。

25年以上と言うと、通う客も店で働く人もそれだけの年を重ねます。

人が入れ替わってもおかしくないのですが、この店の料理人とホールのスタッフは変わりなし。
特別な会話があるわけではないのですが、なんとも言えない安心感があります。

先々を考えると、若い人にバトンタッチしないと、どうなるのかなという思いもあります。

でも、勝手な思いですが、これもまたいいのではと思えてきます。
時代とともに時を重ね、流れに任せる、それも店の在り方かなと感じた夜でした。



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2014年05月14日(水)更新

ものづくりの現場に足を運ぶことの意義

「小さくても光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。


実はジュエリーや宝飾について少々詳しいと自負しています。

なぜならば、大卒で入社した会社で長いこと、
その業界の販売促進の仕事に関わってきたからです。
長く関わっていれば商品知識もいつの間にか身に付きます。
 

クエストリーを設立してからも、数年間はジュエリー業界の仕事が主力でした。
ただし、販売促進ではなく、経営指導に移行しました。
販売促進はある程度商品や業界を知っていれば、後はアイディアの勝負です。
 
しかし、経営指導となるとそうはいきません。
ジュエリーができるまでのプロセスをきちんと知る必要性を感じ、
海外の展示会や工房、各地の産地や集積地を積極的に訪問しました。
一時期は3ヶ月に一度の頻度で海外に出かけていきました。


 
実際に商品を取り扱うのではないので、当初は興味と関心だけからの取材旅行が中心でした。
しかし、そのうちに感じ始めたのは、ものづくりの現場を知ることは、
単に販売や営業のための情報収集を超えたところに意味があるということです。

 
知識が深まるに連れ、ものづくりの現場が抱えている様々な問題を、
現実的な問題として捉えることができます。

その問題に自分も関わっているという当事者意識から、
流通や価格やリスクに対する疑問が生まれてくるのです。

 
例えば、南イタリアで作られているシェルカメオのプロモーションに関わった時のことです。
「シェルカメオは日本ではなぜこんなに価格が高いのか」という疑問がありました。
その理由は流通の流れをていねいに見ていくとすぐにわかりました。


 
カメオ作家が彫った作品を日本の輸入メーカーが仕入れます
(その前にイタリアの会社が買い上げるケースもあります)。

それが一次問屋に下ろされ、さらに2次問屋が間に入り、小売店のイベント催事等に並びます。

 
当然、各々の段階で利益が乗っかります。
各段階の利益幅は委託のリスクやイベントの経費負担など様々に異なりますが、
最終的に作家の出し値が8倍の価格になっていることもありました。
 
問題は8倍の価格が妥当かどうかではなく、
ものづくりの現場に遡って物事を考えることの重要性です。

そこで見えてくることを踏まえてどのようにビジネスを組み立てるかの感覚が重要なのです。

 
そういえば、ドイツのジュエリー作家を訪問した時に、
日本から直接消費者がコンタクトを取り、購入のために来社するという話を聞きました。

いくらで販売するのかという質問に、誰が来ても同じ価格という答えに驚いたのを覚えています。


  
いま考えると、取り立てて特別なことではありません。

インターネットで作り手から手軽に買える時代です。
直接作家と語り合い、工房の雰囲気を楽しみ、
時にはいっしょに食事をする機会もあるとしたら、ジュエリー好きにはたまりません。

 
これも作り手の元に直接行ったからわかることです。
安く仕入れて儲けるためにものづくりのところに足を運ぶのもいいでしょうが、
それだけではなく、世の中はどう変化しているのか、
それに対して何を変革したらいいのか、それを感じ取ることの方がはるかに意義があります。

 
ドイツの作家が言った言葉が忘れられません。
「誰が来ても100は100、それをいくらで売るのかは日本のあなたたち次第です」

言い換えれば、問われているのは自分がいくらの価格を付けても、
お客様から支持されるという価値です。

 
こういう現象を、見方によっては大変な時代と感じるかもしれませんが、
実はこれほどおもしろい時代はありません。

特に中小企業にとっては大きなチャンスです。
ぜひ、ものづくりの源に足を運び、変化の波や兆しを受け止めてください。



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2014年05月12日(月)更新

来させる理由ではなく、行きたくなる理由

「小さくても光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。

 
商売をしているとお客様に来ていただくためにいろいろな手を考えますよね。
でも惜しいなあと思うことが時々あります。

よくあるのが「ご来店の方に◯◯◯プレゼント」や
「いまなら20%オフ」などの特典や価格訴求の手法です。

 
もちろんこれも必要かもしれないけど、これだけならどこで買ってもそれほどの違いはありません。
もっといい特典や割引があれば当然そちらに流れます。
それ以上の得点や割引をつけると必ず同質化競争に巻き込まれます。

 
急に話題はスタバになりますが、僕はスタバを良く利用します。
スタバでは本を読んだり、あれこれと考え事をすることが多いのです。
 
でもスタバって決して安くはありません。雰囲気だけならもっといいところが他にもあります。
でもなぜ僕はスタバに行くんだろう。


僕がよく利用する千葉の「四街道店」です。

 
先日訪れたスタバでラテをオーダーしてお金を払っている時のこと。
男性スタッフが「気持ちのいい天気ですよね」と声をかけてくれました。
「ホント初夏のような陽気ですね」とこちらも言葉を返しました。

これって知り合いならば自然なやり取りです。
 
この自然のやりとりが他の店でも起こるかと言うと必ずしもそうでもありません。
単にラテと代金の交換で終わったり、商品のオススメのトークはありますが、
自然な会話はあまりありません。
 
 
来させる理由は特典や割引など商品に付け加えるものになりがちです。
要は、来たら、買ったらということです。これってどこも同じです。

それよりも、お客様が行きたくなる理由を考えた方がいいと思う。

 
それにしても、スタバの店舗数は今年の3月末で985店舗(うちライセンス店舗43店舗)。

もちろん、ばらつきはあると思いますが、
「人々の心を豊かで活力あるものにするために一人ひとりのお客様、
一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」

このミッションが現場に根付いているのを感じますね。
 


5月19日(月)ブランディングセッションを開催します。
 


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2014年05月09日(金)更新

「したたかな」経営と「しなやかな」経営

「小さくても光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。

 
東京は先ほどまで、雨と風と雷の大荒れの天気でしたが、
いまは嘘のようにきれいな夕暮れ。ビールでも飲みたい気分です。


ブランディングの仕事を通じて思うことですが、
「したたかな」経営と「しなやかな」経営は似ているようですが、根本的に異なります。

人はしたたかさには、したたかさで対抗します。

しなやかさは対抗意識を無理なく受け流します。

 
 しなやかさで思い出すのは「竹」です。

竹は強い風が吹いてもしなやかに揺れて折れません。
なぜかというと、地下茎という根で隣の竹と繋がり、お互いに支えあっているからです。

 
ブランディングも同じです。竹の根っこの部分に当たるのが「ミッション」です。
ミッションが一つひとつの行動に浸透していることで、経営にしなやかさが生まれます。

 
根っこだけではなく、強い風が吹いても竹が折れないのは、
しなやかに曲がる節があるからです。

 
ブランディングで節に当たるのが仕組みです。
どこから切っても同じ価値観を作り出す仕組みが、ブランドをさらにしなやかにします。


竹の柔軟な強さは地下茎と節から、
ブランドのしなやかさは「ミッション」と「仕組み」から生まれます。




5月度ブランディングセッションを開催します。



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2014年05月07日(水)更新

「メールしました」・・・うん?


「小さくても光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。


最近気になっていることのひとつです。

「例の件を連絡してください」と頼むと、
「はい、メールをしておきます」という返事が戻ってくることがあります。

「来月のアポイントをとらなきゃ」と言ってメールですます人も多いのでは……。
 
確かにメールって便利です。コストや手間もそれほどかかりません。



でも、よくよく考えると本当に便利なのかなあ。
実は送り手にとっては、別な面で便利なだけなのだと思う。

それは相手の顔を見たり、話さなくて済むから……。
 
誰でも経験があると思うけど、苦手な相手ほどメールですますことってあります。
顔を合わせればすぐにすむような要件を
メールで送ろうと四苦八苦しているこケースも多いですね。


関係が深くない相手ほどメールですませてしまいがちです。

 
でもね、メールですますのはもったいないと思う。
せっかく会ったり、話したりするチャンスなのになあ。

関係を深めるにはメールではうまくいきません。
新入社員や経験が浅い社員がメールですます癖をつけると先々で苦労をします。

 
やはり顔を会わせて話をすることが大事だと思う。
それに話しているうちに「そうだ、あれもやってもらえませんか」と言うことも良くあります。
用事もないのに顔を出したら「いいタイミングできたね」と言われたことも何度かあります。

 
えっ、時間がない……。そもそも、関係を深めるには時間と手間がかかります。

個人的にはメールで関係を深めることの方がもっと至難の技だと思うけどね。
長々とした文章を書くくらいならば、一本の電話の方がはるかにいい関係が築けます。



5月度ブランディングセッションを開催します



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