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2015年11月10日(火)更新

「猫まみれ」になりました

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 

個人的なことですが、地方出張の楽しみは三つあります。
美味しいものを食べることが一つ目、地方ならでは店を訪問することが二つ目、
そして三つ目は地方の美術館を訪れることです。

出張を数多く重ねるうちにこれにたどり着きました。
 

昨日から、北海道帯広市に講演で一泊二日の出張でした。
昨年3月にお声をかけていただき、講演をしたのですが、
それに続いての2回目の講演です。主催者の方に心から感謝です。
 

昨日の夜に出張が終わり、今日の午前中はある意味では短いOFFでした。
出かける前にクエストリーのメンバーから、
「帯広でおもしろい展示会をやっています」と勧められたのが
道立帯広美術館で開催中の「猫まみれ展」でした。


 
それほど気乗りがしたわけではありませんが、
「まあ期待はずれでも良し」というつもりで、東京に戻る前に立ち寄ったのですが、これが大当たり。

瀟洒な美術館内にはおよそ280点の猫をテーマにした作品が展示されていました。
 
いやあ、地方の美術館をなめてはいけないですよねえ。
歌川国芳、レオナール・フジタ、竹久夢二、猪熊弦一郎、池田満寿夫、山本容子・・・など、
若手の作家も含めて実に見ごたえのある展示でした。まいったなあ、大満足です。
 

それにしても猫って不思議な存在です。ペットといえばその通りですが、気がつくと家族です。
ウチにも「ぷり」という愛猫がいたのですが、
3年前に16歳で亡くなりました。最後を看取った時のことを思い出すと泣けてきます。
 

今回の展示会で一番心を惹きつけられたのは、
レオナール・フジタ(藤田嗣治)の「猫を抱く少女」1950年作品でした。



さらっと描いたような作品ですが、はっとするような魅力にあふれています。
少女がどこか猫っぽく見えてくるのです。
 

タイトルで少し軽く見ていましたし、帯広の皆さんごめんなさい、
帯広だからというそれほどでもないという気持ちがどこかにありました。

拾い物と言ったら語弊があるかもしれませんが、地方美術館はやはり出張の醍醐味の一つです。
 
 


11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 
 
 
 
 

2015年11月10日(火)更新

己惚れのすすめ

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 

風間完さんという画家が描かれる絵が好きです。

最初に見たのは、五木寛之さんの「青春の門」の挿絵だったと思います。
とりわけ色鉛筆で描かれる女性画は繊細で何ともいえない色気を感じさせてくれます。



その風間さんの著書が「エンピツ画のすすめ」(朝日文庫)です。
この本は絵を描くことの姿勢と手順をわかりやすく解説してくれています。

個人的には絵心はないのですが、エンピツ画なら描けそうになるから不思議です。
ページの合間に挟まれている風間さんの作品も素敵で見飽きません。


 
昨日もページをめくっていたのですが、
パッションという項でこんな言葉が目に飛び込んできました。
少し長いのですが、引用いたします。

 

何か自分も絵を描いてみようという気持ちがおこったら、
まずこれは恵まれたことだと思いましょう。

少なくても自分の周りの他の人はそういう気が起こらず
自分だけがそういうパッションがわいたということは、
自分にはそういう適正があるのだという自信と
同時に己惚れ(うぬぼれ)も持つ必要があります。
 
己惚れはことに持ったほうがよろしい。
面白いことに画家たちはほとんど全部ものすごい己惚れ屋です。

ただ、ほかの社会の己惚れ屋と違うところは、
己惚れたぶんだけメチエの裏付けと
それに伴う行動があるということではないかと思います。
 
行動とは即ち絵を造る行動のことで、己惚れがセルモーターの働きもするし、
エンジンの働きもするものなのです。

メチエと行動がともなわない己惚れはよくありません。みっともないのです。


 
ちょっと付け加えますと、ここでいうメチエとは技法のことであり、以降詳しくそのことが書かれています。

風間さんのこの一文を目にした時に(何度も読んでいるのですが、気が付かないものですねえ)、
これってブランディングでも同じだと思いました。

草食系という言葉が普通のように使われていますが、強い己惚れはエネルギーになります。


今夜は帯広でブランディングについての講演でしたが、
参加者の中には、これから起業を考えている方も何人かいました。
 
起業時には慎重になる場面も必要だけれども、
思いを持って起業するのだから、思いっきり己惚れたほうがいいと思う。


ただし、技術と行動が伴っての己惚れですよ。

風間さんが書かれているように、
伴わない己惚れはみっともない、まったく持って同感です。

己惚れるならば、技術を磨き、まずは行動しよう、ということですね。
 
 
 
11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 
クエストリー:http://www.questory.co.jp

2015年11月06日(金)更新

4秒に1回の「はい」という声

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 

会社がある築地、銀座界隈はイタリアン、中華、和食、カレーなど
お昼ごはんを食べるところにはことかきません。

今日がそうだったのですが、とんかつを食べたくなると行くのが
マガジンハウスの近くの「にし邑」という店です。
 http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13025298/

うなぎの寝床のような店内はカウンター14席だけ。
お昼には店頭にサラリーマンやOLで行列ができています。

店内では、食べている後ろで次のお客様が並んで待っている繁盛店です。
常連さんが多いのでみんな行儀がいいのですね。
 

店のスタッフは4名。とんかつを揚げている大柄なご主人と店を切り盛りする小柄な女将さん、
そしてカウンターの外でお客様に対応するハンチング姿の女性(娘さんかな?)、
もう一人は洗い物担当のご年配の女性です。
 

本日いただいたのは「ひれかつ御膳」1,100円でした。
味は好みですが、個人的には価格と比較したら大満足です。

とんかつもさることながら、美味しいのはいっしょについてくる豚汁です。
酒粕の味がしっかりと残る中に野菜や豚肉がごろごろと入っています。


 
さて、タイトルの4秒に1回の「はい」の声の主は、ここの女将さん。

いつも何か声をかけているのですが、
圧倒的に多いのが「はい」と「ありがとうございます」。
これがリズムになっている感じです。
 
試しに「はい」を数えてみると1分間におよそ15回、
つまり4秒に1回「はい」が聞こえるのです。

何かに対する返答ではなく、合いの手のような「はい」かな。
しかし、単なる合いの手ではなく、お客様の動きをしっかりと見ています。
 

人によってはうるさいと感じるかもしれませんが、
やっぱり店の活気は人が作り出すなあと感じました。

お近くにお越しの際には、足を運んでいただき、
その独特のリズムのような「はい」と美味しいとんかつを味わってみてください。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp

2015年10月27日(火)更新

スタバの銀座マロニエ通り店でラテを飲んでいると思い出すこと

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 
 
出張先や初めての土地でのことなのですが、
「ちょっと時間があるのでお茶でも・・・」ということが結構あります。

そんな時にどんなお店に入りますか?
僕は珈琲がイマイチ苦手なので紅茶派なのですが、この店選びがなかなか難しい。


 
当然のことですが、地元の気の利いたお店を探そうとします。
美味しいことはもちろんですが、雰囲気が良くてゆったりできてところを、
iPhoneやiPadで検索します。

でも、ピンとこなかった時にはどうするか?
 
僕の場合は、そこそこの都市や繁華街ならば「スタバ」を探します。

なぜスタバなのでしょうか?
それは、これまでの経験から「スタバならばOK」という記憶のスタンプが捺されているからです。


 
人々の心に「幸せの記憶」として蓄積されていくのがブランドです。
もちろん、企業やショップ、商品やサービスに価値がなければ、これは実現できません。

僕にとってのスタバのように、認識価値を上げることがブランディングです。
 

ブランド力が強いとどうなるのでしょうか。
「安いよ、お得だよ、いまなら超お買い得」といった価格訴求をしなくてもすむようになります。

それどころか、他よりも高いプレミアム価格で継続的に販売することが可能になるのです。

 
僕がオーダーするのはほとんどラテなのですが、スタバは安くはありません。
価格だけ考えたら、CVSも含めて他の選択肢がたくさんあります。
雰囲気の良さや美味しさでも、知らないだけでもっといいところがあるに違いありません。
 

月曜日の朝は、会社近くの銀座マロニエ通りのスタバで、1週間の予定を確認します。
そんな時に思い出すのは、フリーで仕事をしていた時に、ここが事務所代わりだったことです。



お取引先ともここで何度も打ち合わせをしたなあ。
 大事なミーティングが不発に終わり、ちょっとへこんだことも覚えています。

店舗設計の方と打ち合わせを終えて、久しぶりの休暇で栃木に行くことを話すと、
その方が車で栃木県まで送ってくれたこともありました。
 

まあ、そんなことも含めて、ここでいろいろな人に助けられたなあと思うのです。

ということで、スタバの中でも、このマロニエ通り店は
幸せ(ちょっと苦しさも含めて)の記憶のスタンプが強く捺されているのです。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 

 
クエストリー:http://www.questory.co.jp
 
 

2015年10月22日(木)更新

「寄り添う」と「媚びる」の違い

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。


クエストリーはカタチのあるものを提供している会社ではありません。

コンサルティングやプランニングはもとより、
目に見えるブランドシンブルや印刷媒体やホームページなどの、
見に見えるカタチを創る仕事もありますが、
基本は目に見えないデザインの仕事です。

これらの仕事で大事になるのはコミュニケーションに基づく信頼関係です。

ところがこのコミュニケーションの考え方、とらえ方が
あいまいのままですと、真の信頼関係は生まれません。

わかっているようでいて、これがときには大きなトラブルになるのです。

 
コミュニケーションの本質は「違いを明確にすること」です。

これまでずっとそう思って仕事をしてきました。
結果的にはそれがぶつかり合いになることもありました。
でも、そのぶつかり合いは双方が良くなるためのものであり、感情的ないがみあいではありません。

 
「コミュニケーション=仲良くすること」という考えには抵抗があるのです。

それでも一般的には
「相手と仲良くすること」「揉めないですますこと」が
コミュニケーションだという風潮があります。

「仲良く、揉めないで」の行き着く先は「媚びる」ことにつながります。


 
もちろん、無用なぶつかり合いは意味がありませんが、
自分の考え方はこうだけど、あなたはどう思いますか?」
といったやりとりこそがコミュニケーションだと思います。

これは真剣に相手を認め、お互いの思いをすり合わせる「寄り添う」気持ちがなければできません。

 
お客様満足という大義名分のもと、お客さんの要望を何でも
「はい、はい」と聞き入れるようになってしまってはNGです。

大人の知恵だという考えもあるかもしれませんが、
やはり「媚びる」精神は個人的に好きになれません。

 
ましてや相手に好かれるための歓心を買うようなおべんちゃらやリップサービスは辟易するのです。
相手の強さや魅力の前で、自信を失い、自ら屈しているとしか思えないのです。


偉そうな態度という表層的な見方ではなく、どうであれお互いの課題の前では対等です。

 
媚びたり擦り寄ったりすることよりも、お互いの持っている考え方、経験、能力を重ね合わせ、
より方向に持っていくことがコミュニケーションです。

媚びること」と「寄り添うこと」はまったくの別物です。
ここを勘違いすると大変なことになります・・・と常に肝に命じています。



11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

 
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