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2015年12月10日(木)更新

中小企業のための地域資源の活かし方

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 

1月27日(水)に銀座ブロッサム(東京都中央区)で「クエストリー・ブランディングクラブ」の
「1月度ブランディングセッション」を開催いたします。

今回のテーマは「中小企業のための地域資源の活かし方」です。

 

それってボランティア活動のこと?リタイアしてから取り組むこと?・・・
こんな声が戻ってきそうですが、少々的外れです。

あるいは、大事だとは理解していても、取り組む余裕がないという声も聞こえてきそうです。
 

しかし、いま日本各地の元気な中小企業に共通しているのは、
地元を元気にする活動に熱心に取り組んでいることです。

その根底には地域経済が活性化しなければ、
小さな会社の収益は向上しないという強い思いがあるのです。
 
これまでの地域経済の活性化は、公共事業や助成金の獲得、大手企業の誘致などが課題でした。
しかし、これらに依存せずに、地域内だけではなく、
地域外の市場も視野に入れた地域産業の自立が重要なテーマになってきています。
 
地域の産業が自立するために、地元の中小企業が果たす役割は極めて大きいといえます。

取り組みの共通点は、地域の特性や地域資源のブランド力を活かすことで、
自社の持っている地域性を、自らの優位性につなげていることです。

 
それらの企業の共通点には次の3つの視点があります。

一つ目は地元に眠っている価値の再発見です。
二つめは、地域資源を活かしたモノづくりやサービスの開発です。
三つめのポイントは、自社だけではなく、他の企業や関連機関との連携です。
 

セッションは、この3点を中心にゲスト講演とディスカッションでセッションを進めていきます。

ゲストは尊敬する師匠のお一人である
久米信行さん(久米繊維工業株式会社 取締役会長)をお招きします。

 
久米さんには、これまで4回ご登壇いただいていますが、いつも示唆と刺激に満ちた講演です。
今回も主催者でありながら、とても楽しみにしています。

また、参加者同士のディスカッションタイム、終了後の交流会も楽しいですよ。
 
お帰りになる時には、自社ならではの地域資源の活かし方の具体的な方法が見えてくるに違いありません。

ぜひ、お時間をご調整の上、ご参加ください。
会員でなくても、オブザーバー参加が可能です。
 

久米信行さんFacebook
https://www.facebook.com/nobukume?pnref=friends.search

「1月度ブランディングセッション」
http://www.questory.co.jp/tabid/204/Default.aspx
 
◆日時:1月27日(水) 13時30分~17時
    交流会:17:30~19:30(銀座界隈のお店)
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fミモザ
 

 
クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

2015年12月07日(月)更新

再読、ヘミングウエイの「老人と海」

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 
日曜日に思い立って本棚の奥にあった
アメリカの作家、アーンスト・ヘミングウェイの「老人と海」を取り出して読みました。

本がたまるたびに処分してきたけれども、これは処分せずに手元に残しておいた一冊です。
 
新潮文庫の奥付けを見ると、昭和46年の16刷、こちらは高校生ということになります。

訳者が大正生まれの名翻訳家、福田恆存(つねあり)というのにも驚きました。
もうひとつ驚きは、この本の値段が100円ということ。文庫本って手頃だったんだなあ。


 
ヘミングウェイは「陽はまた昇る」「武器よさらば」など、
高校生のころに取り憑かれたように読んだ作家の一人です。

この小説もずいぶん前に読んだはずなのですが、ぼんやりとしか覚えていませんでした。

 でもページをめくるうちに、少しずつ「ああ、こういう物語だったんだ」とよみがえってきました。
高校生の頃はさほどおもしろく感じなかったように思います。

今回読み終えると、切なくほろ苦い物語なんだと感じました。
それだけ、歳を取ったということかな。
 

この小説は、サンチャゴという老漁師と巨大なカジキの3日間に渡る死闘を描いています。
といっても、ドラマチックなストーリーではなく、むしろ淡々としています。

後半の釣り上げた後のアオザメとの戦いの方がリアリティを感じますね。
 

物語に奥深さを漂わせているのは老人を慕う少年とのやりとりです。

誰も助けに来てくれる望みがない場面で、困難に直面した時に人はどうするのか?
実際に手助けしてくれなくても、少年がいることがサンチャゴの救いになったのです。

 
仕留めた巨大なカジキはアオザメに食べられ、港にたどり着いた時には骨だけになっていました。

もちろん、お金にもならず、誰にも評価されないのですが、
老人と少年には共通するも思いがありました。
 
少年はいま乗っている船を降りて、老人といっしょに働きたいと伝えます。
実際にそうなるかはわからないのですが、老人にとってうれしい一言です。

しかし、物語はその感情を抑えて、淡々と締めくくられます。
 


諦めというと、どこか投げてしまった感がありますが、
そうではなく、それはそれで自然なことだと冷静に受け止める感覚です。

こちらも60歳を過ぎて、この諦めという感覚が少しだけわかるような気がします。
 
ヘミングウェイは後年の飛行機事故の影響で、
自分の身体が不自由になったことから鬱病となり、最後は猟銃で自分の命を絶ってしまいます。
 

ヘミングウェイの文体はハードボイルドといわれますが、
その奥には少年のようなナイーブな感情が潜んでいるように感じます。

だからこそ、ハードボイルドなのかもしれませんが………。
 


クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

2015年12月03日(木)更新

価値の多様性のおもしろさ

「小さくても光り輝くブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 

先日、クエストリーがブランディングを担当した
銀座にオープンした2店舗の飲食店のことを書きました。

新築ビルの2階にはオイスター・バー&レストランの「TRINITY OYSTER HOUSE」が、
8階には「白老町 焼肉 阿部正春」があります。

「TRINITY OYSTER HOUSE」→http://www.trinity-oyster-house.com
「白老町 焼肉 阿部正春」→http://www.abe-masaharu.com
 

8階の「焼肉 白老町 阿部正春」のことなのですが、見晴らしが素晴らしいのです。

正面には国会議事堂が見えます。第一ホテル東京も目の前に見えます。
右手の奥には日比谷公園があるはずですが、残念ながら見えません。

 

さて、先日お打ち合わせをしていた時のことです。

お店の方がポツンとこう言ったのです。
「スタッフの一人が鉄道マニアなのですが、
ここから見下ろす風景は絶好の撮影スポットらしいのです」………確かにJRの線路が真下に見えます。
 
こちらはまったく関心がないのですが、
どうやら新幹線、山手線、京浜東北線などが交差するように行き来する様は、
鉄道マニアの「てっちゃん」にはたまらないのだそうです。



その言葉にはっとさせられました。

人が価値を感じる場面やコトは実にさまざまです。
一面的ではなく、多面的と言ってもいいかもしれません。

これはこういうものだと考えるのは、発信側の傲慢であり、ある意味では危険です。

同じような情報では、認知度の高いところが有利になります。
しかし、価値の見方を変えますと、小さな会社にとって、これは大きな武器になります。

先ほどのてっちゃんのように、絶好の撮影スポットという情報は小さなことかもしれません。
万人に通じる価値ではないかもしれません。

でも、さまざまな小さな価値の集積で、店の大きな魅力を生みだすことはできます。
 

一発必中の絶対的な価値はそうそうありません。
むしろ、小さな価値の集積が大きな価値につながります。
 
しかし、多くの方がその小さな価値に気付いていません。
提供する商品やサービス、店舗やスタッフだけが価値だという思い込みがあるのです。


いま発信側に求められているのは、顧客の立場に立って、小さな価値を感じ取る力です。
そんなことを、てっちゃんの視点から感じた打ち合わせでした。



2016年1月度ブランディングセッションを開催します
日時:1月27日(水)13:30~17:00
会場:銀座ブロッサム(中央会館)7F「ミモザ」
http://www.questory.co.jp/tabid/204/Default.aspx
 

2015年11月27日(金)更新

看板は出会いをつくるカギ

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 

人の魅力は外見よりも内面にあるという考え方には、基本的には同感です。
その反面、目に見えるものの使い方次第で魅力が伝わるという考え方にも同感です。

この二つは矛盾するようでいて、矛盾しないと思うのです。
 

そうはいっても個人的には、体型や容姿には自信がなく、
いかんともしがいたいと思うのですが・・・。

でも目に見えるものの使い方次第で魅力が伝わることもあります。

洋服はもちろんですが、バッグ、時計、靴、メガネなどの服飾小物も大事です。
使用しているPCや手帳や筆記用具にも個性が表れますね。


ところで、目に見えるものの使い方で魅力が伝わるのは、
人だけではなく、店や企業にも当てはまるなあと感じるのです。
 
銀座の中央通りのルイヴィトンとブルガリの間のマロニエ通りを
築地方面に向かうのが毎日の通勤路です。

昭和通りを渡ってしばらく行くと、マンションに挟まれた小さな店があります。
 

ここは銀座4丁目から数ヶ月前に移転オープンした
和服用の足袋の「むさしや」さん店です。

ビルに囲まれた2階建ての店舗は小さいだけによけい人目を引きます。


この「むさしや」さんで感心したのが「看板」です。

正面の店名の看板は、1874年創業の風格を醸し出し、
横の立て看板は、取り扱いの品を上品に伝えています。
 


小さな店にとって見込み客に魅力を伝える店頭ツールはディスプレイなどですが、
あらためて「看板」も大事な魅力発信ツールだと思いました。

出会いは一期一会といわれますが、看板はまさに出会いをつくるカギですね。


「銀座むさしや足袋店」
〒104-0061 東京都中央区銀座2-13-12
電話:03-3541-7718・7446 営業時間:8 ~ 17時
定休日:日曜日・祝日




2016年1月度ブランディングセッションを開催します
日時:1月27日(水)13:30~17:00
会場:銀座ブロッサム(中央会館)7F「ミモザ」
http://www.questory.co.jp/tabid/204/Default.aspx

 

2015年11月17日(火)更新

銀座にはこんな食の強者(つわもの)たちがいる

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。


小売店にしろ、飲食店にしろ、事業で収益を上げる方法はいろいろとあるけれども、
その源はお客様がお金を支払う商品やメニューに価値があることが前提となる。

この価値に磨きをかけないと、お客様の支持を得られないのは当たり前のことである。
 
仕入れた商品やメニューに使う食材は、どこからか黙って無尽蔵に生まれてくるわけではない。
必ず作った人や組織が存在し、手間と時間をかけて生まれてくる。

失敗と
試行錯誤を繰り返しの中から生まれてくるものの方が多い。
むしろそうでないと本物の価値は生まれない。

 

しかし、その生産者や生産地に思いを馳せ、心を配り、
いい関係を築こうとしている小売店や飲食店がどれだけあるだろうか?

厳しい同質化競争に陥り、コストと効率しか見ない経営者の方が圧倒的に多いのではないだろうか?

 
作り手や生産者との関係をしっかりと築くことは、口で言うほど簡単ではないからだ。
正直言って、時間も手間も、そしてコストもかかり、出来ることなら避けたいのが本音だと思う。

だから、余裕ができたらという言葉でうやむやにするところが大半ではないだろうか?

 
ところがこのことに真剣に取り組んでいる飲食店の運営会社がある。

いい意味で申し上げるのだが、馬鹿がつくほどの熱意と思いで
生産者、生産地との絆づくりに取り組んでいるのだ。

格好付けの中途半端なプロモーション的な取り組みでは決してないのだ。

 
株式会社Be Happyというその会社は、まだ設立して間もない飲食業界では無名の存在ではあるが、
社員は飲食ビジネスの経験豊富な強者揃いである。

その強者たちが満を持して、今月2日に銀座のコリドー通りのビルに2店舗を同時にオープンさせた。
 
1店舗は2階のオイスターレストラン「TRINITY OYSTER HOUSE」、
もう1店舗は9階の「白老町 焼肉 阿部正春」だ。

どちらも11月2日(月)にオープンしたばかりである。
生産者と同社の思いが存分に詰まった店なのだ。


 
 

「TRINITY OYSTER HOUSE」では、プロの目利きが選りすぐった新鮮な生牡蠣を食べさせてくれる。

冷えた白ワインといっしょにいただくと、この上ない幸せな気分になれる。
生牡蠣だけではなく、サイドメニューも充実しているがうれしい。もちろんワインも申し分ない。
 
因みに「TRINITY」とは三位一体のことであり、牡蠣の生産者、ご来店いただくお客様、
そして双方をつなぐ役割を持った店、その三者の絆を表したネーミングなのだ。

この辺りにも同店の並々ならぬ思いが感じられる。事実スタッフの対応がそうなのだ。
 
フレンドリーなスタッフが語る牡蠣の物語や生産者の話は、
牡蠣の味わいにガツンとした奥行きを感じさせてくれる。

美味しさとは舌ではなく、脳で感じるものということがよくわかる。
まさに生産者の元に足を運び、ともに働いたものでなければ、語ることができない話ばかりだ。



 

さて、もう1店舗の「白老町 焼肉 阿部正春」がある9階でエレベーターの扉が開くと、
まず目に飛び込んでくるのは大きな牛肉の塊と多数のワインボトルだ。

我ながらはしたないとは思うが、
牛肉の焼ける香ばしいにおいを感じると、口の中に唾がたまってくるのがわかる。
 
店名の最初にある「白老町」とはどこなのか?
ご存知の方も多いと思うが、アイヌ民族の故郷でもある北海道の白老町である。

人口2万人弱のこの町は「白老牛」の生産地としても、近年よく知られるようになった。
「虎杖浜たらこ」という実にうまい水産加工品もあるのだが、まだそれほど知られていない。
 
その白老の地に「ブリーディング白老」という牧場がある。
ここでは白老牛が愛情を注がれ、ていねいに育てられている。

実はこの焼肉の店は、店名にある阿部正春さんという
同牧場のオーナーの育てた牛に惚れ込み、そこで育てられた牛だけを使っているののだ。

これだけでも従来の焼肉とは違う立ち位置だ。もちろんリスクは承知の上である。



 

これ以上書いているときりがない。言葉だけでは少々虚しくなるだけである。

何よりも実際に足を運んで美味しさと雰囲気を実感していただきたい。
温かいサービスとともに必ずや満足していただけるはずである。


ということで、ご興味の湧いた方は次のサイトをご覧ください。
「TRINITY OYSTER HOUSE」→http://www.trinity-oyster-house.com
「白老町 焼肉 阿部正春」→http://www.abe-masaharu.com



クエストリー:http://www.questory.co.jp

 
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