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2017年01月23日(月)更新

これがミッションが風化する4つのパターンです

ブランディングのためにミッションの確立のお手伝いをすることがとても多いのです。

いつも語っていることですが、ミッションは確立することが目的ではなく、
浸透させて、会社をブランドにしていくことが本来の目的です。

もう、口が酸っぱくなるほど言っています。


でもね、感じるのは、ミッションの浸透はなかなか手ごわいということ。
かなりのエネルギーを傾けて作ったのにもかかわらず風化してしまうミッションもあるのです。

これは悲しいというよりも、経営的にやばいのです。



具体的に、どんな言葉が現場から出てくると危険信号なのでしょうか。

まずは「会社がやれっていっているから」。
つまり、やりたくはないけど、仕方なくやっているということです。

根本的に当事者意識が欠落し、何のためのミッションなのかが見えなくなっているのです。

これはほとんどの場合は上の責任です。
ただミッションを社員の頭の中に投げ入れているだけなんです。
朝礼でまったく気持ちが入っていない唱和を聞くと、やらなければいいのにと思ってしまいます。


2つ目は「ウチは特別だから」。
要はウチの会社は特別だからミッションは合わないということなのです。
これって製造業や職人的な会社に結構多いのです。

大人だから、面と向かっては言わないけれども、
これってかなりいやらしい見方ですよ(あっ、言っちゃった)。

単純なねじ曲がった既得権としか思えません。

そんなに特別な会社って世の中にはそうそうありません。
あったとしても、ミッションを拒絶する理由にはなりません。
単なる個人的なプライドを露呈しているだけですよ、ちょっと恥ずかしい。


3つ目は「もうできているよねえ」。
何ができているかと問いかけると、途端に声が小さくなります(別に脅しているわけではありません・・・)。

部分だけを見て、勝手に出来ていると納得してしまうパターンです。

おいおい、自分だけの小さな見方です勝手に判断するなよ、そう言いたくなります。
第一、出来ているかどうかを判断するのは、お客様や世間ですよ。

これって「ブランドにする」という言葉に反論したくなることと共通しています。
するのではなく、なるのがブランドですよ。


4つ目は「まあ、あれは建前だから」。
これが出始めると状況は相当によくない。突き詰めると、本音はやりたくないのです。

言い方を換えると、自分の都合で逃げているだけなのです。
トップや幹部がこの言葉を言い出す時があります。

この言葉を聞くと、本当に腰を抜かしそうになるなあ。

ミッションに建前も本音もありません。やるかやらないかです。
嫌ならば、そこいらの普通の会社でいけばいいのです。

あなたは「誰を、何を通じて、どのように幸せにする」ために仕事をしているのではないのか?
理屈でも、感情論でもなく、本当にそう言いたくなるのです。


さてさて、いかがでしょうか?
あなたの会社にはこの4つの言葉がはびこっていませんか?

ちょっと耳をすませて、チェックしてくださいね。

2017年01月23日(月)更新

苦戦が続く百貨店の今後をちょっと考えてみた

日本百貨店協会が20日発表した2016年の全国百貨店売上高は、
全店ベースで前年比3.2%減の5兆9780億円でした。

6兆円を割り込むのは1980年以来の36年ぶりだそうです。


商品別では衣料品が6.1%減、家具や家電などの家庭用品は5.4%の減少です。
ここ数年売り上げに貢献してきた訪日外国人の爆買いもすっかり影を潜め、
免税品の売上は5.3%減の1843 億円に留まりました。

ちなみに、2016年の年末商戦の12月の全国の売上高は、
既存店ベースで前年同月比1.7%減となり、10カ月連続のマイナスだそうです。


百貨店の年間売上高のピークは1991年の9兆7130億円で、
それ以降は右肩下がりに減少しています。

その背景には人口減や消費の低迷のほか、
ユニクロなどの専門店やインターネット通販の台頭などがあります。

でもこれらの外的要因だけではないように感じます。


会社の近くの銀座三越の12月も前年対比97.6%。


かつて、百貨店へ行くことが楽しさの象徴だった時代がありました。
しかし、いまは行ってもワクワクしません。

すべてがそうだとは思いませんが、品揃えはどこにでもあるようなものばかりだし、
売り場にも工夫がないし、ディスプレイも冴えません。

販売スタッフもどこか他人事のような接客です。
まあ、派遣が多いのだから仕方がないことかもしれません。

以前ブログで、元旦の西武の新聞広告のことを書きましたが、同じような印象です。
http://questory.keikai.topblog.jp/blog_detail/&blog_id=7&id=503


当たり前のことですが、楽しいところには人が集まります。
いま人が集まるのは、何かしらの新しい体験ができるところです。

例えば、昨年オープンした代官山の「ファミリア代官山店」もそのひとつです。
https://www.familiar.co.jp

各地で工場見学が人気ですが、これなどは体験型の最たるものだと思うなあ。


ファミリア代官山店のサイトからお借りしました。


そして、人が集まれば一種のコミュニティが生まれます。
SNSでつながり、仲間意識のようなものを共有するわけです。

とくに人と人のつながりが希薄になったいま、
買い物の前にいい関係を満たすものがなければ、行く必要性を感じないのです。

となると、買い物だけを前提とした店は苦戦するのは当たり前、
ネットで充分ということになるわけですから。


日本百貨店協会はこう語っています。
6兆円はビジネスとして成立するかの分岐点だ。
店舗の運営の仕方や顧客を拡大するための改革などをしていかないと減少は止まらない。


個人的には改革のポイントは、先ほどの「体験をプロデュース」することだと思う。

これは百貨店だけでけのことではなく、
多くの小売りの場面に求められているのは、体験を軸にしたコミュニケーションです。


問題は、手間も人も時間もかかることなので、百貨店がやり切れるかどうかです。
体験から購買に結びつける仕組みも簡単そうで難物の課題です。

果たして百貨店は起死回生の改革ができるのでしょうか。
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