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2015年10月27日(火)更新

スタバの銀座マロニエ通り店でラテを飲んでいると思い出すこと

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 
 
出張先や初めての土地でのことなのですが、
「ちょっと時間があるのでお茶でも・・・」ということが結構あります。

そんな時にどんなお店に入りますか?
僕は珈琲がイマイチ苦手なので紅茶派なのですが、この店選びがなかなか難しい。


 
当然のことですが、地元の気の利いたお店を探そうとします。
美味しいことはもちろんですが、雰囲気が良くてゆったりできてところを、
iPhoneやiPadで検索します。

でも、ピンとこなかった時にはどうするか?
 
僕の場合は、そこそこの都市や繁華街ならば「スタバ」を探します。

なぜスタバなのでしょうか?
それは、これまでの経験から「スタバならばOK」という記憶のスタンプが捺されているからです。


 
人々の心に「幸せの記憶」として蓄積されていくのがブランドです。
もちろん、企業やショップ、商品やサービスに価値がなければ、これは実現できません。

僕にとってのスタバのように、認識価値を上げることがブランディングです。
 

ブランド力が強いとどうなるのでしょうか。
「安いよ、お得だよ、いまなら超お買い得」といった価格訴求をしなくてもすむようになります。

それどころか、他よりも高いプレミアム価格で継続的に販売することが可能になるのです。

 
僕がオーダーするのはほとんどラテなのですが、スタバは安くはありません。
価格だけ考えたら、CVSも含めて他の選択肢がたくさんあります。
雰囲気の良さや美味しさでも、知らないだけでもっといいところがあるに違いありません。
 

月曜日の朝は、会社近くの銀座マロニエ通りのスタバで、1週間の予定を確認します。
そんな時に思い出すのは、フリーで仕事をしていた時に、ここが事務所代わりだったことです。



お取引先ともここで何度も打ち合わせをしたなあ。
 大事なミーティングが不発に終わり、ちょっとへこんだことも覚えています。

店舗設計の方と打ち合わせを終えて、久しぶりの休暇で栃木に行くことを話すと、
その方が車で栃木県まで送ってくれたこともありました。
 

まあ、そんなことも含めて、ここでいろいろな人に助けられたなあと思うのです。

ということで、スタバの中でも、このマロニエ通り店は
幸せ(ちょっと苦しさも含めて)の記憶のスタンプが強く捺されているのです。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 

 
クエストリー:http://www.questory.co.jp
 
 

2015年10月22日(木)更新

「寄り添う」と「媚びる」の違い

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。


クエストリーはカタチのあるものを提供している会社ではありません。

コンサルティングやプランニングはもとより、
目に見えるブランドシンブルや印刷媒体やホームページなどの、
見に見えるカタチを創る仕事もありますが、
基本は目に見えないデザインの仕事です。

これらの仕事で大事になるのはコミュニケーションに基づく信頼関係です。

ところがこのコミュニケーションの考え方、とらえ方が
あいまいのままですと、真の信頼関係は生まれません。

わかっているようでいて、これがときには大きなトラブルになるのです。

 
コミュニケーションの本質は「違いを明確にすること」です。

これまでずっとそう思って仕事をしてきました。
結果的にはそれがぶつかり合いになることもありました。
でも、そのぶつかり合いは双方が良くなるためのものであり、感情的ないがみあいではありません。

 
「コミュニケーション=仲良くすること」という考えには抵抗があるのです。

それでも一般的には
「相手と仲良くすること」「揉めないですますこと」が
コミュニケーションだという風潮があります。

「仲良く、揉めないで」の行き着く先は「媚びる」ことにつながります。


 
もちろん、無用なぶつかり合いは意味がありませんが、
自分の考え方はこうだけど、あなたはどう思いますか?」
といったやりとりこそがコミュニケーションだと思います。

これは真剣に相手を認め、お互いの思いをすり合わせる「寄り添う」気持ちがなければできません。

 
お客様満足という大義名分のもと、お客さんの要望を何でも
「はい、はい」と聞き入れるようになってしまってはNGです。

大人の知恵だという考えもあるかもしれませんが、
やはり「媚びる」精神は個人的に好きになれません。

 
ましてや相手に好かれるための歓心を買うようなおべんちゃらやリップサービスは辟易するのです。
相手の強さや魅力の前で、自信を失い、自ら屈しているとしか思えないのです。


偉そうな態度という表層的な見方ではなく、どうであれお互いの課題の前では対等です。

 
媚びたり擦り寄ったりすることよりも、お互いの持っている考え方、経験、能力を重ね合わせ、
より方向に持っていくことがコミュニケーションです。

媚びること」と「寄り添うこと」はまったくの別物です。
ここを勘違いすると大変なことになります・・・と常に肝に命じています。



11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

 

2015年10月16日(金)更新

上質な批判精神

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 
 
クエストリーの若手女性メンバー3名が、話題の店やスポットに行き、
そこで感じたことを「ブランディングクエスト」というタイトルで、
毎月一度「ブランディグクラブ」の会報で発表しています。
 

これまでに取り上げたのは、「インスパイアード by スターバックス池尻大橋店」
「かもめブックス」「100 本のスプーン」「伊東屋銀座本店」
「銀座NAGANO」「無印良品有楽町店」です。なかなかいいセレクトをしています。
 
取材先や取材方法等は、自由に任せているので、あまり干渉しないのですが、
「伊東屋銀座本店」の視察報告を聞いていて、
「これは、ちょっとおかしいぞ」というよりも「まずいぞ」と思ったことがあり、
少しだけ注文をつけました。
 

3名は取材前にネットで検索をし、視察店の情報を調べていました。
これは問題ありませんし、必要なことです。

しかし、ネットで確認をしたコンセプトなどに縛られて、視察を行うと、
それに合わせて物事を見るようになります。
 
つまり予定調和的な視察になるのです。
「ここがコンセプトを表現している」「これは情報の通り」といった感じですね。

あながち間違いではないのですが、ネット情報が正しいと思い込むと、
大事なことを読み違える危険性があります。
 

こちらが伝えたのは「上質な批判精神」でした。

本当に正解のない時代です。伝え手側が言っていうことがすべて正しいわけではありません。
実際にはコンセプトと大きくかけ離れた事象はたくさんあります。
 
視察には、いい意味での重箱の隅を突っつくような「あら探し」が必要です。

プロならば、情報をインプットしたら、一度それを封印し、シンク(考える)して、
アウトプットすることがすごく大事だと思うのです。
 

3名はこちらの言わんとしていることを理解してくれて、
その後は「インプット→シャットアウト→シンク→アウトプット」を実践してくれているようです。

まあ、シンク(考える)の内容にはまだ物足りなさを感じる時もありますが………。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

2015年10月14日(水)更新

生活の課題を解決し、人を幸せにする専門家集団

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 

「商品をおけば売れる時代の体質から抜け切っていない」

これはイトーヨーカ堂の2割閉鎖に踏み切った
セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の言葉です。
 
この言葉を借りるならばまさに敵は心中にありですね。


中小企業や小さな店が生き残るには、
大量販売、価格訴求という土俵は最も避けなければなりません。
 
同質化競争で一喜一憂するよりも、別な土俵に軸足を移し、
買い手の立場に立って、どうしたら喜んでもらえるのかという
シンプルな問いに対する答えを出さなければなりません。
 

その答えは、安さや量のスピードの同質化競争ではなく、
「人を幸せにする」という価値を軸にしたものです。
 
しかも、それは部分的な手法や一時的な対応のレベルではなく、
経営の軸(=ミッション)そのものを定めることが求められています。
 
あらためてミッションを構成する
ポリシーやコンセプトやカルチャーの重要性を感じます。

ミッションによって、物事の判断基準が明確になり、
やることとやらないことがはっきりとしてくるのです。
 

「ミッションって何だかめんどうだし、本当に必要なの?」
いやいや中小企業や小さな店は、ミッションなくして生き残るのは困難な時代ですよ。
 
絞り込むことに不安を覚える経営者が少なくありませんが、
不思議なことに、とんがればとんがるほど、支持が高まってきます。

集中化することで、無駄はコストを使う必要がありません。
限られた経営資源を一点に集中化することが強さを生んでいきます。
 

とくに人的な資源をプロフェッショナル化することです。

「生活の課題を解決し、人を幸せにする専門家集団」が、
いま新しいビジネスモデルになるのを感じます。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 

 
クエストリー:http://www.questory.co.jp
 

2015年10月13日(火)更新

真似も10年続ければ・・・

「小さくて光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 
 
ノーベル賞を日本人が二人受賞されましたね。とくにうれしかったのは、
僕の故郷の山梨県出身の大村智さんが生理学・医学賞を受賞されたことです。
 
大村さんの口癖は、「人の真似をするな」だそうです。
「真似をやったらそれを超えることはできない」と語っています。

ブランディングも同じですねえ。 
 

成功事例は成功した人のものであり、
それをそのまま真似しても上手くいくという保証はどこにもありません。
 

いつもいろいろな事例を見ると、そんな風に感じるのですが、
先日お会いした経営者の方がおもしろいことを語っていました。
 
その店はお客様へのサービスであることを続けているのですが、
「どんなところから生まれたアイデアですか」
というこちらの質問に対してこう答えたのです。
 

「あるメーカーさんからアイデアをいただいたんです。
でも肝心のメーカーはそれをやめてしまいました。
私どもはかれこれ10年以上続けています」
 
それに続いておっしゃられたのが
「真似も10年以上続ければオリジナルになります」という言葉でした。
 

思わず「なるほどそういう考え方もあるなあ」と妙に納得したのです。

確かに10年以上も続けていると、やり方や伝え方にも独自の工夫が生まれます。 
これが結果として、オリジナルになってくるのだと思います。

「オリジナルは継続の力から生まれる」
そんな風に考えを新たにさせられた瞬間でした。
 
 

11月度ブランディングセッション
「危機を乗り切るために経営者がすべきこと」
◆日時:11月18日(水) 13時30分~17時
◆会場:銀座ブロッサム(中央会館)7Fジャスミン
 
 

クエストリー:http://www.questory.co.jp
 
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