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2009年02月28日(土)更新

ショップブランディング実践塾の開催予告

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

今回は、私どもが3月からスタートする
「ショップブランディング実践塾」のご案内をさせていただきます。

「店がブランドになる」ことを目指したいが、
具体的に何を、どうしたらいいのかわからない。
独自性の発見や顧客価値の創造から
ミッションを創り出すことの大事さはわかるが、
曖昧としており、とらえどころがない、そんな声も耳にします。

「店がブランドになる」ということは、ある意味では
「店の熱烈なファンを作る」ことと同じです。

熱烈なファンを作るには一種の「技」が必要です。
まさにブランドと思える店をよく見ますと、
その店ならではのファン客づくりの技があります。

私たちは「店がブランドになる」ことを支援・プロデュースする中で、
8つのブランディング(=熱烈なファンづくり)の「技」を
お取引き先の方々と磨いてきました。

8つの技とは次の通りです。
①ビジネスブログ ②ミッションブック ③名刺・ショップカード ④商品カタログ
⑤ホームページ ⑥お店通信 ⑦POP・ショーカード ⑧広報活動 

ショップブランディング実践塾では、この8つの技のポイントを公開し、
参加者同士でさらに磨きをかけていくことを目的としています。

塾の内容は、すぐに技を使えるようになることを第一に考えた、
少人数制の体験型カリキュラムで構成しています。

第1回目ショップブランディング実践塾の概要は次の通りです。

日 時:3月25日(水)PM13:30~PM17:30
会 場:銀座ブロッサム(中央会館)・7階「ミモザ」
テーマ:ビジネスブログの達人になって店のファンを作る
定 員:10名
特別講師:久米信行氏(久米繊維工業株式会社・代表取締役)

当日の講師の久米信行さんは、
Tシャツメーカーである久米繊維工業株式会社の代表取締役。
海外生産の低価格品が市場を席捲しているTシャツマーケットで、
ブログやメールマガジンを活用し、大きな成果をあげています。
私もそうだったのですが、久米さんのお話しはまさに目からうろこです。

詳しい内容は下記をご覧ください。




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2009年02月27日(金)更新

20年前の「BLUE NOTE」のTシャツ

ニューヨークのジャズクラブ「BLUE NOTE」のTシャツを1枚持っています。
20年前に手に入れましたが、一度も袖を通したことがありません。

ブルーノートのTシャツ

1989年12月、僕はニューヨークのジャズクラブ「BLUE NOTE」にいました。
NADIというビジュアルマーチャンダイジングショーの視察でしたが、
半分は、ジャズを聴きに行くことが目的の一つでした。

当時、日本はバブルの最盛期でしたが、
アメリカはリセッション(景気後退)に入っていました。
クリスマス商戦不振のニュースがテレビで報道されていたことを覚えています。
ちなみにその時の大統領はブッシュ(父)さんでした。

その夜の「BLUE NOTE」の出演者は
フレディ・ハワードというトランペッターの予定でしたが、急遽変更となり、
ヴィブラフォン奏者のミルト・ジャクソンが出演することになりました。

ミルト・ジャクソンといえば、モダンジャズカルテット(MJQ)のメンバーの一人、
当時の年齢は66歳、MJQはすでに解散していましたが、
まさに伝説のジャズプレイヤーです。

その演奏を目の前で聞けるとは、何という幸運。

その夜、汗が飛んでくるような距離で、ソウルフルな演奏を聴き、
とことん酔いしれたことは言うまでもありません。

ライブが終了しても興奮冷めやらない僕は
「BLUE NOTE」のスタッフに話しかけました。
「ミルト・ジャクソンのサインが欲しい」(もちろん片言の英語で)

すると、スタッフは面倒臭そうに一言……
「勝手に楽屋に行けよ、ただしTシャツを買っていくのを忘れるな」
(たぶんそんな感じの英語でした)

楽屋のドアをノックすると、中からしゃがれた声で返事が……
恐る恐る開けると、ミルト・ジャクソンが汗を拭いているではないですか。

Tシャツを出して、僕はただ一言
「サイン プリーズ フロム ジャパン」

近くにいたスタッフがサインペンをミルト・ジャクソンに渡すと
「フワッチャ ネーム」

おおっ、名前を入れてくれるんだ
「ヒロ、マイ ネームイズ Hiro」
(どういうわけか長いと悪いと思ったので、短くして伝えました)

というわけで、このTシャツにはミルト・ジャクソンのサインが入っているのです。

ミルト・ジャクソン

こうなると、もうこれは単なるTシャツではありません。
僕にとっては、ミルト・ジャクソンとの大事な思い出の品です。

商品のジャンルが完全に変わってしまっているのです。

あなたが扱っている売れ行きの悪い商品をよく見てください。
商品のジャンルを変えることによって(これをローリングと呼んでいます)
ワクワクするような新しい価値を生み出すことが出来るのです。
それが新しい消費を創り出します。

ミルト・ジャクソンのサインの話が長くなりましたが、これが言いたかったのです。

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2009年02月26日(木)更新

身の回りにある宝物

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

昨日、構想日本の主催するセミナーに行ってきました。
テーマは、「地場産業ルネサンス ~もう自分で始めるしかない~」

セミナーの資料には次のように書かれていました。
「金融の打撃が小さかったにもかかわらず、
日本経済は欧米以上に落ち込んでいます。
外需」頼みのツケでしょうか。もはや大企業や政府はあてにできません。
自分の町の地場産業をもう一度掘り起こし、強くしていくほかありません。
本来、日本には地域の個性、伝統、産業が強くありました。これをどう生かすか。
地場産業ルネサンスの先駆者にこれまで聞けなかった話を伺います。」

セミナーはとてもおもしろく、小売店の仕事に共通する話でした。

当日の討論者は、次の4名の方々でした。
上治堂司氏(馬路村村長:高知県)
木越和夫氏(箸匠せいわ会長:福井県)
福田弘平氏(烏山和紙会館館長:栃木県)
藤原俊男氏(株式会社吉田ふるさと村代表取締役:島根県)

4名の方の拠点は田舎です。しかも、半端ではない田舎です。
僕も山梨の田舎の出身ですから、若い時は田舎には何もないと思っていました。
でも、4名の方々が共通して語っていたのは、
「何もないと思っていた田舎には実は宝物があった。
でもそれの見つけ方を知らなかった」

大事なのはモノの見方、考え方ですね。
「いまあるものを使うこと、いまある宝物を生かすこと」
この視点の重要性を4人の方々のお話から強く感じました。

同じように僕が仕事のフィールドにしている小売店にも宝物があります。
「うちには独自性や強みなんかないよ」といわれることが多かったのですが、
昨日の話を聞いて、自信を持ってそんなことはないですよといえます。

「でもうまくいくか自信がない?!」………そんな声が聞こえてきそうですね。
セミナーでどなたかが、こういっていました。
「失敗しても先にやった方がいい、2番煎じはうまくいかない。
もし失敗したとしても次の展開が早くなります」
「遊びから入らないとダメ、うまくいかない」

まったく同感。
出来るかどうかを悩んでいるのならば、まず動いた方がいい。
動けば、よくても悪くても答えが出てきます。
その答えから次の手が考えられます。

自分の宝物を活かすということは、一度でうまくいくはずがありません。
宝物だと思ったものが違う場合だったりもします。
でも、これも行動してみて初めてわかることです。

やるか、やらないかです。

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2009年02月25日(水)更新

モノづくりの現場は、販売アイデアの宝庫

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

今週は、ある企画の取材で、お二人のジュエリーデザイナーの方とお会いしました。

お一人は、藤平卓さんです。
今日、市川にあります事務所にお邪魔させていただきました。
藤平先生は、数々のジュエリーコンテストで賞を受賞されており、
現在は審査員としても活躍されている方です。
事前にお写真を拝見し、ちょっと気難しい方かなと思っていたのですが、
にこやかにお話しをしてくださり、終始なごやかなインタビューとなりました。

藤平先生

昨日お会いしたもうお一人は、山梨県の甲府にいらっしゃる
ジュリオ・ペリチオーネさん。
イタリア・ナポリのご出身で、1995年に来日し、
以来ずっと日本で活動されています。
「ある歌舞伎役者がね、型破りというのは型があるから出来ると言っていたんだ」、
そんな話をお聞きすると、日本人よりも日本的だと思わざるを得ません。

ジュリオ

ジュエリー業界は、昨年来の景気の冷え込みが引き金となり、
業績不振に苦しむ店や企業が少なくありません。
しかし、その裏側には景気の問題だけではなく、
催事販売への偏重、安易な値引き販売、モノのみを売ろうとする販売姿勢などが、
消費者離れにつながっていることも否めません。

お二人のお話しをお聞きして、誠実にモノづくりに取り組んでいる姿勢が
よく理解できました。価格と価値のバランスもわかりました。

残念なのは、そういった商品のバックストーリーが
消費者まで伝わっていないということです。
デザイン工房→メーカー→問屋→小売店というリーチの長い流通の中で、
希薄になってしまっているのではと思います。

また、小売店の無関心(その背景には売れていた時代の感覚が残っています)も
大きな問題です。

伝言ゲームのように、創り手の思いが消費者まで伝わっていかないのです。
伝わらないだけでなく変質してしまうケースも少なくありません。

いつも思うのですが、モノづくりの現場は販売アイデアの宝庫です。
デザイナーの創作現場や加工・製造の場所に
足を運ばないのが不思議でなりません。

また創り手側にも、売り手側を通じて消費者の声にじっくりと耳を傾け、
時代にあった新しい企画を組み立てるプロデュース感覚が
求められていると思います。

ジュエリーデザイナーと消費者の橋渡しのイメージが湧いてきた取材でした。

藤平先生、ジュリオさんありがとうございました。

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2009年02月23日(月)更新

知らせることと、理解してもらうことの違い

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

店に行くと、ふたつのタイプがあるのを感じます。
ひとつは、店のことを一生懸命知ってもらおうとしている店です。
もうひとつは、店のことをよく理解してもらおうとしている店です。

説得と納得といってもいいかも知れません。

知って欲しいという店では、
うちはこんな事が出来るんだよ、すごいんです、知らないでしょう
というテンションを感じます。価格の表示の仕方にもよくそれが表れています。

理解してほしいという店では、
自分たちはこういうことが好きです、これを大事にしてきた、これだけは譲れない
といった雰囲気を感じます。表面的にはわからないんですが、何となく感じます。

知ってほしい、理解してほしい、もちろんどちらも大事なことです。
でも理解してほしいという店のほうに、少しだけ小さな心配りを感じます。

POPやショーカードに特別なことが書いてあるのではないのですが、
店の中のすべてのものの総和がそう感じさせるのだと思います。

銀座まるかんの創業者で高額納税者番付にもたびたび登場する
斉藤一人さんのことを、ある週刊誌が紹介していました。
そこに書いてあったことが、ずっと気持にひっかかっていました。

斎藤さんが温泉に行くと、終了時間を知らせる貼り紙があったそうです。
「夜12時でお風呂は終わりです」

斎藤さんはこう書いてくれたらうれしいのにと言っています。
「夜12時までゆっくりとお風呂に入れます」

わずかな違いかもしれませんが、受け取る印象は随分と違いますよね。
先の貼り紙だと、ちょっといらっときますが、
後者は時間が少なくても気持ちよく入れそうです。

店の持っている世界観といってしまえば、その通りなのですが、
声高に語らなくても、小さなことの積み重ねで、じんわりとしみこんでくるのが
理解であり、納得ではないでしょうか。


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