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2017年07月17日(月)更新

映画「歓びのスカーナ」で感じたこと

三連休もあっという間、初日は仕事で出社し、夕方から久しぶりに映画を観ました。
銀座シネスイッチで上映されていた「歓びのトスカーナ」です。



イタリア好き、トスカーナ好きにとってはタイトルからすると、
おしゃれなロードムービーのように感じられるではないですか。

予告で見た程度の知識で、館内に足を運んだのですが、タイトル通りの作品ではありませんでした。
『歓びのトスカーナ』→http://yorokobino.com

 

トスカーナの精神を病んだ人たちの診療施設から、自由を求めて脱走を図った二人の女性の物語です。
美しいトスカーナの風景がふんだんに出てきますが、内容は結構重たい。

そもそも、作品のタイトルがいまひとつというのが最近多すぎます。
原題は、「La pazza gioia」。「狂うことの快楽」あるいは「狂った人の快楽」の意味だそうです。

まあ、作品が良かったので、許せましたが……。
 



おしゃべりで虚言癖のあるベアトリーチェと
過去の出来事から自分を傷つけてばかりのドナテッラ、

動と静の対照的な役柄を演じている二人の女優さんたちが素晴らしい、
この作品はこのことに尽きます。


舞台になるのは精神を病んだ人たちのためのグループホームのようなところです。
それほど束縛もされずに暮らしているのがわかります。



イタリアでは1978年に「バザリア法」
(精神科医フランコ・バザーリアが唱えたことでそう呼ばれているそうです)が成立、
2015年には精神病院は閉鎖されています。
詳しくは→https://ja.wikipedia.org/wiki/バザリア法


自由こそが治療だという考えにも基づき、精神病院をなくし、
患者の社会復帰を促す社会にしようとイタリアは舵を切ったのです。



日本でも心を病んだ人は特別な存在ではなく、身近にたくさんいます。
それに対する社会の考え方は日本とイタリアでは大きな違いがあるように感じます。



ストリーは次々と変わり、どうなるのか先が読めません。
詳しくはネタバレになるので書きませんが、最後は希望を感じさせられます。

この前のブログに書いた「マンチェスター・バイ・ザ・シー」や
連休中にAmazonで観た「再会の街で」もそうだったけど、
精神を病んだ人がテーマの映画って多いような気がします。

まあ、とにかくオススメの一作です。ぜひ、ご覧ください。