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2017年03月07日(火)更新

「自分の感受性くらい」・・・茨木のり子 作

昨日、ネットであることを調べていて出会ったのが
茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩です。

茨木のり子さんは、1926年(大正15年)に生まれ、
2006年に79歳で亡くなられた詩人です。



ご存知の方も多いのかもしれませんが、
僕はまったく茨木さんのことは知りませんでした。

たまたま読んだ「自分の感受性くらい」にガツンとやられたのです。


ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ



いかがですか?
茨木さんが51歳のときの作品です。

この作品以外の詩も読みたくなって
Amazonで岩波文庫の『茨木のり子詩集~谷川俊太郎選』をオーダーしました。



世の中には知らない、素晴らしい人がたくさんいますね。
詩集が届くのがとても楽しみです。