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2013年06月05日(水)更新
「中巨摩郡」と「南アルプス市」のイメージの違い
「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
眠っている「価値のタネ」を顧客の支持する価値(=顧客価値)として育てるには、
他のものと組み合わせることが大事という話です。
組み合わせることは編集力、翻訳力といってもいいかもしれません。
ブランディンではこの力を活用することがすごく大事です。
生まれたふるさとのことを書くのは意外と難しいのですが、
今回は僕が生まれたところのことを書こうと思います。
地名は中巨摩郡櫛形町、甲府から国道52号線を下り、30分ほど言ったところです。
地名の由来になった横に平べったい櫛のような山が右手に見えてきます。
山に刻まれた尾根が櫛の歯に見えなくもないのです。
櫛型山の標高は2,052m、結構高い山なんです。
僕も何度か登りましたが、頂上近くには東洋一といわれるあやめの群生地があります
(最近ではシカの食害で減少しているとか)。
あやめ以外にも高山植物が豊かで、頂上のお花畑はなかなかの見ごたえですよ。
そんなところが生まれ故郷なのですが、
2003年に4町2村の合併で「南アルプス市」が誕生しました。
この名称は公募で決まったようですが、
決まるまでの経緯や名称に対するいろいろな評価があり、難産での船出でした。
町村合併は時代の流れですから仕方がありませんが、
僕も正直言ってこの名称には最初は抵抗がありましたね。
アルプスと言う単語からはスイスのハイジを思い浮かび、
山深いところのような感じを抱かれると思ったのです。
南アルプス市に決まった経緯はよく知りませんが、いまではこの名前はすっかり定着しました。
驚いたのはいまでは、略して「南ア市」や「南プス」というのだそうです。
南アフリカか南フランスのようなイメージですよね(笑)。
しかし、「南」を入れたことは結果的には正解だと思います。
山梨、その中でもとくに勝沼といえば葡萄やワインを思い出す人が多いと思います。
実は南アルプス市は果樹の町として知られています。
実家でも僕が中学生頃までは桃やスモモを栽培していました。
春になるとピンクの桃の木の向こうに富士山が見える様子は他にない美しさだと思います。
僕の友人にもいますが、いまが最盛期のサクランボを栽培する農家も多いのです。
行政の推進もあり、「フルーツ王国・南アルプス市」というキャッチフレーズも定着しつつあります。
果物を考えて市の名前を決めたわけではないと思いますが、
果物のイメージは「中巨摩郡」と「南アルプス市」のどちらに似合うかといえばやはり後者です。
もちろん、名称変更がすべてよかったわけではなく、失われたものも少なくありません。
古い地名は消えてなくなり、それを惜しむ声もあります。
しかし、「ないもの探し」よりも「あるもの探し」、いまある条件を活かして、
足りない条件を生み出していくのがブランディングです。
その方法論が編集力、翻訳力だと思うのです。
南アルプス市→http://www.city.minami-alps.yamanashi.jp
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