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2013年10月30日(水)更新

コンセプトは「呼吸する店舗」

「小さくても光り輝くブランドをプロデュースしている」クエストリーの櫻田です。
 
クエストリーが
コンサルティングで関わらせていただきました、
紬のきものの専門店「衣裳らくや」さんの新店舗が本日プレオープンとなりました。
場所は、東京の歴史あふれる町、浜町です。甘酒横丁を抜けたところにあります。



今回の店舗開発で大事にした考え方は「呼吸する店舗」です。
店は生き物です。生き物である以上、呼吸するようにその表情を変えます。
勘違いして欲しくないのは、経年劣化という意味ではありませんよ。
 
店が人々を引きつける要素は、立派な外観でも、美しい内装でもなく、
店舗そのものが持っている情報の発進力です。

ディスプレイや演出もそのひとつですが、
今回の「衣裳らくや」の店舗では、もう一歩踏み込んだ考えを店内に盛り込んでみました。

 
四季のある日本の豊かな季節感は、自然と一体となった独特の文化を作り出しました。

そのひとつが、1年間を「十二ヶ月」に分け、さらに24等分し15日に分けた「二十四節気」、
それをさらに約5日ずつの3つに分けた「七十二候」と言う季節の考え方に現れています。
 
僕たち日本人は、無意識のうちに、
十二ヶ月、二十四節気、七十二候を感じながら、生活をしています。
例えば、立春、立秋、冬至と夏至とか・・・ですね。



本来、季節感を背景にして作られ、生活に根ざして着用されてきたきもの自体が文化なのですが、 
新店舗では、もう一歩踏み込み、日本独特の暦の力を現代に編集し、
お客様の生活にそっと寄り添いながら、毎日情報を発信し続けられないかと考えたのです。


と言っても空間も、予算も限られています。
大げさではなく、小さな遊び感覚の楽しい情報発信です。

まずは、1階から2階への階段に「12の和の物語」というミニギャラリーを設けました。
毎月テーマを変えて写真や絵画を展示いたします。
いまは、らくやブランドのひとつ「倉渕紬」の出来上がるまでの物語を写真で紹介しています。


 
また、今回とくに力を入れたのが「24の和のお稽古」です。
「二十四節気」にちなんで、きものの着付け教室だけではなく、
和に関する様々なカルチャー教室を開催します。その数が24講座あるのです。
 
1階には、小さな「和の文庫」をもうけました。
「七十二候」のように、5日ごとにテーマを変えて、らくやが選んだ本を展示します。
現在は、近くの明治座が11月に歌舞伎を開催するので、歌舞伎に関するおすすめ本が並んでいます。


 

そして、忘れてはならないのは、365日のスタッフの着物姿の笑顔です。
これはオープンの案内状の表紙をご覧いただければおわかりになると思います。
みんなすごくいい笑顔ですよ。


 
さて、これからが本番です。
お近くにお越しの際は新しくなった「衣裳らくや」にぜひお立ち寄りください。