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2010年10月18日(月)更新

韓国の「パリパリ経営」

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。

手をつなぐ
これはタクシーの中から撮影した公共施設の工事現場の外観

手をつなぐ2
よく見るとたくさんの人が手をつないでいるパネルでした。アイディアですね。

韓国語に「パリパリ」という言葉があります。直訳しますと“早く、早く”。
日本人もせわしないと思うけど、韓国の街なかでは、みんなが急いでいるような印象があります。
明洞の化粧品・コスメ店の前では、スタイルのいい若い女性が早口の日本語で呼び込みをしていました。
タクシーもびっくりするほどのスピードで街を走り抜けていきます。

どうやら、「パリパリ」は韓国人の気性のひとつのようです。
そもそも自分も含めて経営者の多くはせっかちです。しかし、韓国企業は経営者のみならず、
経営スタイルそのものが“パリパリ……早く、早く”だそうです。

せっかちというと、どうも日本ではマイナスの印象がありますが、
韓国の「パリパリ経営」は“まずやってみる、やりながら考える”というスピード経営のことを指しています。
この「パリパリ経営」が急速に変化する時代に適応しているのを感じます。

最近ではそうでもなくなりましたが、日本では韓国の家電製品のブランド力は決して高くはありません。
しかし、世界では薄型TV、携帯電話等はトップクラスのシェアを確保しています。
その他の白物家電でも、LGやサムソンは世界ブランド、「韓国製=品質が悪い安物」は時代錯誤です。

サムスンの2009年12月期の売上高は10兆9000億円、営業利益は8736億円。
一方、ソニー、パナソニック、日立製作所、東芝、シャープなど、日本の大手9社の
営業利益の合計は、6400億円。日本の大手メーカー9社の利益を全部足しても、
韓国のサムスン電子1社の利益に遠く及ばないのが現実です。

それを象徴するような記事をインターネットで見つけました。
今年5月下旬に経済同友会の韓国視察団としてサムスン電子や政府系研究所の施設などを訪ねた
帝人会長の長島徹氏は、意見交換をした韓国の企業関係者から
「もう日本から学ぶことは何もない」と言われたと言います。

さらに、別の経済人はこう語ったそうです。「日本はもっと先端技術を開発してください。
その部品を韓国が買い、組み立て、かっこよくデザインし世界に売ります。」、
日本と韓国の企業の違いはスピード感と同時に、
いまの消費者の感性をつかみ取るマーケティング力の差かもしれません。

まあ、こういう韓国事情も数日ですが社員旅行で韓国に行ったからこそ、敏感になり、感じることです。
先日、ノーベル化学賞が決まった根岸栄一氏が記者会見で内向き志向の強い日本人の研究者に対して、
「ある一定期間、海外に出ることで日本を外から見ることが重要」と述べ、奮起を促していました。
さらに皮肉っぽい言葉で語っていた「日本はカンファタブル(居心地良い)」という言葉が印象的でした。


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