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2009年01月27日(火)更新

店のブランド力を強くする4つの法則⑤

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

寒い日が続きます。まだ春は遠いですね。
でも先日、菜の花が咲いているのを見つけました。
温かい春が待ち遠しいですね。

菜の花

さて、「店のブランド力を強くする4つの法則」の5回目をお届けします。


第3の法則「物語の熟成」とは?

司会:
3番目の物語についてご説明してください。

櫻田:
独自の強みを目指すべきお客様の価値に変えることが出来たとします。
しかし、これが伝わらなければゼロ、
単なる自己満足でしかありません。
伝える方法と内容を誤ると、いくら素晴らしいことでも、
お客様の記憶のスタンプにはならないのですね。

岡本:
しかも、インターネットにより、より早く、安く、
より充実した情報を簡単に入手できるようになりました。
消費者はより多くの選択肢の中から、
欲しい情報を選択することが可能となり、
単にモノの情報だけを伝えても意味がないこととなってしまいました。
いままで、市場に対してクローズドだった情報も
いまやオープンな状態に変わったんです。

櫻田:
最近聞いた話では、お客様が
「インターネットやマスコミの話では〇〇〇だけれども、本当のところはどうなの?」
という質問をされることが多いらしいね。
単なるモノのスペックや価格の情報だけでは
お客様の心は揺さぶられない
ということだね。
そこで、物語ということになるわけだ。

岡本:
不思議ですよね。
小さいころに聞いた童話やお伽噺って覚えているんですから。
記憶にスタンプされているということですよね。

櫻田:
音楽もそうだね、青春時代に好きだった曲を耳にすると、
その時の情景まで浮かんでくるよね。
耳で聴いているんではなくて、感情に響くんだろうね。

岡本:
童話や音楽と同じように、感情に伝わるようにしなければ、
価値は届かない
ということですね。
なぜ、この店を始めようとしたのか、
どういう背景や経緯があるのか、
店が提供する価値で、誰がどんな風に幸せになってもらいたいのか………、
お店って物語の宝庫だと思います。

櫻田:
物語の熟成というとちょっと戸惑うかもしれないけれども、
一度物語のコツをつかむと、もう他の情報では満足しなくなるね。
例えば、東京の中目黒にチーズケーキの専門店で
「ヨハン」さんというお店がある。
このお店の創業者は和田さんという方で、
すでに亡くなられたけれども、
ある一部上場会社にお勤めになられていた方です。
リタイアされて第2の人生で何をしようか考えている時に、
あるアメリカ人の知り合いの女性から
チーズケーキをいただいて食べたところ、すごくおいしかった。
こんなにおいしいものならば、たくさんの人に食べてもらおうということで
30数年前に始められたそうです。
しかも、創業以来レシピを一切変えていないというからすごい。

岡本:
ワクワクしてきますね。創業の物語ですね。
ヨハンさんはその後も、会社をリタイアした方々によって運営されており、
職人さんの平均年齢が70歳を超えているそうですね。

櫻田:
物語の熟成は、あなたがお客様だったら、
どんな伝え方をされたらうれしいかがポイント
だね。


※次回6回目に続きます。