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2009年01月31日(土)更新

特集原稿を書いた「商業界・3月号」が発売

昨年11月に開催しました「11月度ショップブランディング・セミナー」に
㈱商業界の笹井編集長がお越しくださり、
そのご縁から、「商業界・3月号」の特集の原稿を書きました。

2月1日発売ですが、先日一足早く、印刷上がりが届きました。

商業界3月号

今回のテーマは
「景気に左右されないブランドになる……あなたの店にある独自性を掘り起こせ」

「ショップブランドとは何か?」
「店がブランドになる4つの法則」
その4つの法則の中の第1の法則の
「独自性」の発見のための10着眼点
こういった内容を6ぺージに渡り、書いております。

また、今回は独自性のあるショップ事例のコーディネートもいたしました。

箸専門店の「銀座夏野」(東京都・中央区)
「メーカーズシャツ鎌倉」(神奈川県・鎌倉市)
ブライダルジュエリーの「ジュエリーノモト」(石川県・金沢市)
和菓子の「空也」(東京都・中央区)
ハンバーガーの「ラッキーピエロ」(北海道・函館市)
米穀店「亀太商店」(東京都・墨田区)

以上の6店が掲載されています。
「ジュエリーノモト」さんは弊社の岡本が取材して原稿を書きました。

2月1日発売ですので、もしよかったら、お読みください。

2009年01月29日(木)更新

店のブランド力を強くする4つの法則⑦

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

先日、地下鉄の清住白河駅でおもしろい広告を見ました。

おもしろ広告

弊社の女性メンバーの声は、“奥さんよりも旦那でしょ”………そうかも?


さて、「店のブランド力を強くする4つの法則」の7回目、最終回をお届けします。


中小の専門店にこそブランディングは必要

司会:
ブランドの重要性、そして店がブランドになるプロセスの
4つの法則の概要がわかりました。
ブランドというと、大手の会社や多店舗展開をしている
小売業の話かと思っていましたが、中小の専門店でも可能なんですね。

櫻田:
可能というよりも、中小だからこそ、ブランディングに取り組むべきです。
資金や物量では大手にかないません。
同質化競争では中小の専門店は活路が見いだせません。
だからこそ、ブランドという経営シナリオを使い、
小さいけれども存在感のある店を創り上げていく必要があるのです

出張で地方の駅前に立つと、
どこも同じようなチェーン店や量販店、コンビニが
並んでいるということがあります。
独自性のある専門店が見当たりません。
繰り返しになりますが、中小の専門店にこそ
ブランディングが求められている
のです。

岡本:
大手の企業は大量の広告費や店舗経費をかけて
ブランディングに取り組みます。
しかし、ブランディングでは人の力が果たす役割が大きいのです。
考えてみてください、たくさんの社員を抱える大手の会社が、
現場の一人ひとりにまでブランドの意思を伝えることの苦労を。
それに、大手ではトップが変わることが度々あります。
ブランドの方向を決めることだけでも大変です。

櫻田:
それに対して中小の専門店のよさは
トップがブランドを目指すと宣言すればいいのですから。
膝をつき合わせて、語り合うことにより、
ブランドのDNAを共有することが出来ます。
商品の独自性だけをみても、景気が後退しているいまだからこそ、
逆に中小の専門店にとってはチャンスです。
小ロットで商品開発や仕入れが可能なのですからね。
これまでは門戸が堅かったモノづくりの源まで
たどることが出来るわけですね。
あとはやるか、やらないかだね。


「店のブランド力を強くする4つの法則」は今回で終了します。
ありがとうございました。

2009年01月29日(木)更新

店のブランド力を強くする4つの法則⑥

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

今日は朝から年に一度の人間ドックでした。
血糖値、コレステロール、肝機能等、
少し運動とお酒と卵の取り過ぎに気をつけなさいという
アドバイスをいただきましたが、おおむね良好。

昨日は夕食を8時までに終え、今日は朝食はなし、
もちろん昨夜はアルコールはご法度でした。
そういわれると、飲みたくなるのですが、今回は我慢。

下の写真は仕事帰りに時々立ち寄る
東京・八丁堀の「Maru」というスタンディングバーの店内です。
2階はダイニングバー、3階は鉄板焼きのお店です。
こちらもなかなかいい雰囲気のお店です。

宮田屋さんという酒屋さんがやっているので、
価格もリーズナブルで、いつもお客様でいっぱい。超繁盛店ですね。
スタッフの女性がみんな美人さんです。

マル



さて、「店のブランド力を強くする4つの法則」の6回目をお届けします。


第4の法則「スタイルの形成」とは?

司会:
最後は第4の法則の「スタイルづくり」ですね。

櫻田:
実は、スタイルづくりといっているけれども、
実はスタイルは作るのではなく、生まれてくるものです。
独自性の発見、価値の創造、物語の熟成を繰り返していると、
自然と店ならではのスタイルが出来上がってきます。
むしろ大変なのは、それを維持していくことだね。

岡本:
そうですね、店舗リニューアルのお手伝いをすることが多いのですが、
リニューアル時に出来上がったスタイルも、
いつのまにか崩れていってしまうことが少なくありません。
維持するためには、維持する意志と仕組みが必要ですね。

櫻田:
コンタクトポイントと呼んでいるけれども、
お客様がブランドと、この場合は店ということになるけれども、
出会う場面、触れ合う接点があるよね。
このコンタクトポイントをコントロールすることがスタイルづくりで大事だね。

岡本:
コンタクトポイントは、形のある店舗や商品や広告・販促物であったりしますが、
形のない、香りや音、BGMもコンタクトポイントですね。
そしてなんといっても、小売業の場合は人が最大のコンタクトポイントですね。
熟成された物語をこのコンタクトポイントで計画的に展開することですね。

櫻田:
コンタクトポイントの設計は重要な課題だね。
よくコストや経費の削減の相談があるけれども、
実はコンタクトポイントを設計し直すことにより、
どこにどれだけの比重をかけたらいいのかが見えてくるんだね。
結果的には、これがコストの削減につながるんだけれどもね。

岡本:
コンタクトポイントの設計は、
お客様との出会いのシナリオを創り直すということですね。
それの積み重ねが、店ならではのスタイルづくりになるということです。
とくに中小の専門店ではインターネットの活用という面で遅れがあります。
物語の発進の道具としてもっと活用することですね。

櫻田:
そうだね、先に価値のところで紹介したブライダルジュエリーの専門店は
絆を結ぶというコンセプトを、ホームページで物語として上手に発信しているね。

岡本:
お店でブライダルジュエリーを購入されたカップルの結婚式の写真の掲載ですね。
お店の素晴らしさを語るよりも、
カップルの幸せな写真が店の価値を伝えてくれますね。


※次回7回目に続きます。最終回です。

2009年01月27日(火)更新

店のブランド力を強くする4つの法則⑤

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

寒い日が続きます。まだ春は遠いですね。
でも先日、菜の花が咲いているのを見つけました。
温かい春が待ち遠しいですね。

菜の花

さて、「店のブランド力を強くする4つの法則」の5回目をお届けします。


第3の法則「物語の熟成」とは?

司会:
3番目の物語についてご説明してください。

櫻田:
独自の強みを目指すべきお客様の価値に変えることが出来たとします。
しかし、これが伝わらなければゼロ、
単なる自己満足でしかありません。
伝える方法と内容を誤ると、いくら素晴らしいことでも、
お客様の記憶のスタンプにはならないのですね。

岡本:
しかも、インターネットにより、より早く、安く、
より充実した情報を簡単に入手できるようになりました。
消費者はより多くの選択肢の中から、
欲しい情報を選択することが可能となり、
単にモノの情報だけを伝えても意味がないこととなってしまいました。
いままで、市場に対してクローズドだった情報も
いまやオープンな状態に変わったんです。

櫻田:
最近聞いた話では、お客様が
「インターネットやマスコミの話では〇〇〇だけれども、本当のところはどうなの?」
という質問をされることが多いらしいね。
単なるモノのスペックや価格の情報だけでは
お客様の心は揺さぶられない
ということだね。
そこで、物語ということになるわけだ。

岡本:
不思議ですよね。
小さいころに聞いた童話やお伽噺って覚えているんですから。
記憶にスタンプされているということですよね。

櫻田:
音楽もそうだね、青春時代に好きだった曲を耳にすると、
その時の情景まで浮かんでくるよね。
耳で聴いているんではなくて、感情に響くんだろうね。

岡本:
童話や音楽と同じように、感情に伝わるようにしなければ、
価値は届かない
ということですね。
なぜ、この店を始めようとしたのか、
どういう背景や経緯があるのか、
店が提供する価値で、誰がどんな風に幸せになってもらいたいのか………、
お店って物語の宝庫だと思います。

櫻田:
物語の熟成というとちょっと戸惑うかもしれないけれども、
一度物語のコツをつかむと、もう他の情報では満足しなくなるね。
例えば、東京の中目黒にチーズケーキの専門店で
「ヨハン」さんというお店がある。
このお店の創業者は和田さんという方で、
すでに亡くなられたけれども、
ある一部上場会社にお勤めになられていた方です。
リタイアされて第2の人生で何をしようか考えている時に、
あるアメリカ人の知り合いの女性から
チーズケーキをいただいて食べたところ、すごくおいしかった。
こんなにおいしいものならば、たくさんの人に食べてもらおうということで
30数年前に始められたそうです。
しかも、創業以来レシピを一切変えていないというからすごい。

岡本:
ワクワクしてきますね。創業の物語ですね。
ヨハンさんはその後も、会社をリタイアした方々によって運営されており、
職人さんの平均年齢が70歳を超えているそうですね。

櫻田:
物語の熟成は、あなたがお客様だったら、
どんな伝え方をされたらうれしいかがポイント
だね。


※次回6回目に続きます。

2009年01月26日(月)更新

店のブランド力を強くする4つの法則④

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

天気のいい日の冬の公園が結構好きです。
葉っぱを落とした木々が、冬の日差しを受けて
不思議な影のアートを見せてくれました。

公園の木々


さて、「店のブランド力を強くする4つの法則」の4回目です。

第2の法則「顧客価値の創造」とは?


司会:
独自性はわかりましたが、
独自性があれば店はブランドになるのですか?

櫻田:
独自性や強みだけで、店はOKかといいますと、そうではありません。
それが目指すべきお客様に受け入れられなければ、
店側の一方通行です。空回りをしている状態です。
つまり、お客様から見て、価値を感じられるようにしないと意味がないね
でも頭では分かっていても、
実際に取り組もうとすると、悩んでしまいますよね。
つかみどころのない価値に振り回されて、
結局はこれまでと同じことを繰り返してしまいます。

岡本:
これが2番目の法則の「顧客価値の創造」ですね。
スゴイ独自の強みを持っているのに、
お客様のスゴイになっていないために、
空回りしている
店がたくさんありますよね。

櫻田:
「価値の創造」はまさにブランディングの肝だね。
これによって、ブランディングの方向が決まるし、
ファンのあり方も変わってくるね。
価値の創造はいい換えれば、
店のお客様への約束
ということになるね。

岡本:
例えば、お店の歴史が非常に長いとしても、
それがお客様側から見て、価値や意味を持たないと、
独自性にならないということですね。

櫻田:
そう、お客様側から見てどうなのかということだね。
お客様が求める価値がわかっているのならば、
自分のところにある強みの中で、
その価値を満たすことが出来るものがあるかという判断も必要だね。

岡本:
価値の創造で大事だなあと思うのは、
取り扱い商品の生産の現場に足を運ぶことですね
この商品は、誰が、どんな思いで作ったのかを知るということは、
価値の創造につながりますね。

モノづくりの現場はまさに価値創造の宝庫ですね。

櫻田:
これは商品を販売する側のひとつの責任ともいえるね。
モノづくり現場に足を運ぶことは、本当に大事だと思う。
小売業は、「作り手」と「使い手」の間に立って価値を創造し、
両者の「助け手」になることが必要
だと思うね。

岡本:
私が担当しているブライダルジュエリーの専門店のコンセプトは、
「絆を結ぶ」です。
絆を結ぶという価値を売っている店ですね。
お客様は商品としてのブライダルジュエリーだけではなく、
その店でしか得られない価値を買っているのです

櫻田:
そう、価値を買っているんだね。
自分の生活を豊かにしてくれるという価値を求めているということだね。

岡本:
ただし気をつけないといけないのは、
人によって求める価値は違うということですね。
すべてのお客様の価値を満たすわけにはいかないのですから、
目指すべきお客様を決めることが大事ですね。

櫻田:
これがなかなか踏み切れないんだよね。
目指すべきお客様を決めるということは、
ブランドの奥行きを作ることになるのだけれども、
お客様が減ってしまうのではないかと心配してしまうんだね。
でも、誰でもいいという展開の方が
もっとリスクが大きいと思うんだけれどもね。

岡本:
選択権はお客様側にあり、選択肢も圧倒的に豊富です。
その中で、選ばれるには自分の独自の強みを
目指すべきお客様の求める価値に変えること

遠いようでいて、最も近道ですね。

櫻田:
そうだね、あとはそこに踏み切れる勇気があるかどうかだね。
経営にも勇気が必要な時代だ。

※次回5回目に続きます。
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