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2013年06月12日(水)更新

​せっかく入った店を利用することなく出てしまった理由

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 

お店で待たされるのはよくあることです。

自分ではわりかし辛抱強いほうだと思うし、
期待が高い時には待たされても「仕方がないなあ」と思います。

しかし、店の接客に怒りを覚えて、
せっかく入った店を利用することなく出たことがあります。
 

一度は6年ほど前のこと。店は会社の近くに出来たフレンチレストラン。
結構、お客様が入っていてインターネットでもおいしいという評判。
スケルトンのウィンドウ越しに見ると雰囲気もなかなかよさそうな店でした。
 
オープンして1ヶ月ほどたって、結構いいお値段だったけどランチを食べよう
ということで会社のメンバーといっしょに出かけました。

店の前に行って外からも見ると案の上、満席状態です。
 
ランチなのでしばらく待てば空くかなと思い店内に入ったときのことです。
ウェイターが手のひらをこちらに向け、
言葉をかけることなくストップといわんばかりに中に入るのを止める仕草。


 
確かに仕草にていねい(気取っていると言った方がいいかもしれません)ですが、
手のひらで入るのを止める傲慢とも思える態度にモノも言わずに店を出ました。

だからということではないのですが、このお店は数年で店じまいしました。
 

もう一度は自宅の最寄り駅の中によくあるパン屋さん。
この店には飲み物をオーダーすれば購入したパンを食べることができるコーナー奥にありました。
 
店内に入ったのは土曜日の朝でしたが、スタッフは40代の女性のみ。
さほど込んではいないのですが、パンの販売と飲み物の対応でスタッフはあわただしい動きです。
 
パンをトレイに載せて、レジで紅茶をオーダーしようとすると、
こちらがいるのに気が付いているはずなのに、
声をかけることもなくぷいっと奥のコーナーに行ってしまいました。
 
その冷たいと思える無関心な態度に思わずパンを元に戻して(かなり乱暴にね)
その店を後にしたのは言うまでもありません。

その後二度とこの店は利用していないなあ。
 

どちらの店にも欠落しているのは、「笑顔」と「ひと声」です。
この二つさえあれば、いやどちらか一つでもあれば、
僕は店を出ることはありませんでした。

本当に残念だと思うなあ。

 

 

2013年06月05日(水)更新

​「中巨摩郡」と「南アルプス市」のイメージの違い


「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。



 

眠っている「価値のタネ」を顧客の支持する価値(=顧客価値)として育てるには、
他のものと組み合わせることが大事という話です。

組み合わせることは編集力、翻訳力といってもいいかもしれません。
ブランディンではこの力を活用することがすごく大事です。
 

生まれたふるさとのことを書くのは意外と難しいのですが、
今回は僕が生まれたところのことを書こうと思います。

地名は中巨摩郡櫛形町、甲府から国道52号線を下り、30分ほど言ったところです。
地名の由来になった横に平べったい櫛のような山が右手に見えてきます。
山に刻まれた尾根が櫛の歯に見えなくもないのです。



 

櫛型山の標高は2,052m、結構高い山なんです。
僕も何度か登りましたが、頂上近くには東洋一といわれるあやめの群生地があります
(最近ではシカの食害で減少しているとか)。

あやめ以外にも高山植物が豊かで、頂上のお花畑はなかなかの見ごたえですよ。
 
そんなところが生まれ故郷なのですが、
2003年に4町2村の合併で「南アルプス市」が誕生しました。

この名称は公募で決まったようですが、
決まるまでの経緯や名称に対するいろいろな評価があり、難産での船出でした。
 
町村合併は時代の流れですから仕方がありませんが、
僕も正直言ってこの名称には最初は抵抗がありましたね。

アルプスと言う単語からはスイスのハイジを思い浮かび、
山深いところのような感じを抱かれると思ったのです。

 
南アルプス市に決まった経緯はよく知りませんが、いまではこの名前はすっかり定着しました。
驚いたのはいまでは、略して「南ア市」や「南プス」というのだそうです。

南アフリカか南フランスのようなイメージですよね(笑)。

しかし、「南」を入れたことは結果的には正解だと思います。
 
山梨、その中でもとくに勝沼といえば葡萄やワインを思い出す人が多いと思います。
実は南アルプス市は果樹の町として知られています。
実家でも僕が中学生頃までは桃やスモモを栽培していました。
 
春になるとピンクの桃の木の向こうに富士山が見える様子は他にない美しさだと思います。
僕の友人にもいますが、いまが最盛期のサクランボを栽培する農家も多いのです。
 

行政の推進もあり、「フルーツ王国・南アルプス市」というキャッチフレーズも定着しつつあります。
果物を考えて市の名前を決めたわけではないと思いますが、
果物のイメージは「中巨摩郡」と「南アルプス市」のどちらに似合うかといえばやはり後者です。
 

もちろん、名称変更がすべてよかったわけではなく、失われたものも少なくありません。
古い地名は消えてなくなり、それを惜しむ声もあります。

しかし、「ないもの探し」よりも「あるもの探し」、いまある条件を活かして、
足りない条件を生み出していくのがブランディングです。

その方法論が編集力、翻訳力だと思うのです。
 
南アルプス市→http://www.city.minami-alps.yamanashi.jp

2013年06月04日(火)更新

​「ロゴマーク」は幸せの記憶のスタンプ

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。

 
下のロゴマークを見て心が踊る男子(最近では女子もね)は相当いると思います。
そうです、そうです、プラモデルの田宮模型のロゴマークです。



僕も小学校の高学年の時にプラモデルにはまりました。
そのパッケージに書かれていたのがこのロゴでした。
 

田宮模型の現在の社名は株式会社タミヤ。
1946年に田宮義雄氏が創業した「田宮商事」を前身とする世界でも有数の総合模型メーカーです。
 

田宮模型のプラモデルへのこだわりはいくつもの伝説を生み出しています。
 
例えば、戦車のプラモデルのために世界の博物館をめぐり写真を撮りまくった話、
ポルシェのプラモデルのために実車を購入してバラバラに分解した話、
模型メーカーで唯一F1マシンの設計図面を見せてもらえたと言う話
(いまでは難しくなったようですが)・・・。
 

と言っても、一部のマニアを満足させるプラモデルではなく、
同社の製品開発のコンセプトは「初心者にも分かりやすく作りやすいプラモデル」。

顧客の立場を大事にし、企画から金型製作、ボックスアートまで
自社で一貫して作る体制を取っているそうです。
 

赤と青の地色に白抜きのシンプルな「ツインスター」の
ロゴマークが使われるようになったのは1966年からのこと、
50年近く経ったいまでも古さを感じませんね。

 
ちなみに赤は「情熱」を、青は「精密」を意味し、
それを欧文の「TAMIYA」が支えているデザインです。

これをデザインしたのは創業者の田宮義男氏の次男の田宮督夫氏
(2代目社長で現会長の田宮俊作氏の弟)です。
当時は東京芸術大学のデザイン科の学生だったそうです。
 

このロゴマークは日本のみならず世界の模型ショップの店頭を飾っているとか。
言うなれば、田宮模型のロゴマークが業種を表すアイコンになっているのですね。
 
ブランドとは「幸せの記憶のスタンプ」と言うのが弊社の基本的な考えですが、
ロゴマークはその象徴なのかもしれません。
それを田宮模型のロゴマークが教えてくれます。
 

2013年06月03日(月)更新

「異質」よりも「多質」

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 

組織活性化のキーワードとして最近よく登場するのが「ダイバーシティ」。
ダイバーシティとは「多様性」のことです。

他民族国家のアメリカで始まった取り組みですが、
組織論では種々雑多なものを受ける入れる経営と言った意味で使われるようです。
 

ダイバーシティの最初の取り組みは、性別や人種や年代など
目に見える違いを受け入れるところから始まりました。

例えば、男性だけでなく女性、日本人だけではなく外国人、
40代だけではなく20代と言った感じですね。


 

しかし、いまではより幅広い意味でとらえられ、
多様な価値を持った人材を活かす経営のことを差すようです。


しかし、価値観の違う人を受け入れることって口で言うほど簡単ではありません。
とくに日本人は違う価値観を持った人材を受け入れることにかなり抵抗があるように思います。

 
それに同質を重んじる風潮のある日本では、
違う価値観を持った人材が参画してもいつの間にか同質化しがちです。
やっぱり人って同じタイプだけの方が楽なのかな。


 でも、変化や革新の時代には同質化の組織は弱いと思うなあ。
組織も人材も同質化しすぎると、やがて淀み、結果的には停滞していきます。
気が付かないうちに、考え方やアイデアも同質化し、新しさを受け入れなくなるからです。
 

意図的に違う価値観を持った人材をミックスしなければ組織は必ず膠着化します。

しかし、ここで大きな間違いは「異質」を加えること。
異質は組織になじまず、活性化のスプリングボードになりません。

個人的には、異質を見抜くポイントは「ミッションに対する共感」だと思っています。
 

ミッションに対する共感がないと、異質はやがてトラブルメーカーになります。

源がつながっていることが大事だと思うんです。
その上でこれまでのやり方や考え方を否定し、新しい価値を作り出せる人材が必要なのです。

僕はこういう人材は「他質」だと思っています。
いま求められているのは「異質」ではなく「多質」です。

ミッションに対する思いはいっしょでも、考え方や行動は異なる。
こういうタイプが組織を活性化し、ブランディングの推進力となります。

あなたの周りには「多質」の人材がたくさんいますか?

2013年06月02日(日)更新

芸人「友近」とブランディングの共通点

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。

 
平日はほとんどテレビを見ません。帰宅が遅いということもありますが、
同じような芸人ばかりが出ている番組ばかりでおもしろくないのです。

それでも日曜日はわりかし見るほうで、今日もお昼にフジTVの「ウチくる!?」を見ました。
 
今日のゲストは芸人でお笑いタレントの友近さんでした。
この人は何となくだけど好きな芸人さん。






他の人がやると下品になるような、かなりきわどい内容のトークやクセのあるモノマネも
この人がやるとどことなく知性?を感じるのです。
 
ゲストの友近さんを関係のある人が語るコーナーに登場した
近藤春菜さん(ハリセンボン)と青木さやかさんを見ると
友近さんはすぐに「おっ、ショートカットコンビ」とのひと言。

二人のヘアスタイルを見てのことですが、
こういうところの視点が友近さんらしいのです。

 
事実、大学時代の友人が登場したときに、
学生時代の友近さんはいつも周囲を笑わせていたのですが、
妙に静かだなと思うとじっと人を観察していたそうです。

彼女の芸は人間観察から生まれたんじゃあないかなと思えるエピソードです。
 

しかも、ただ観察するだけでなく、それを独自性に編集する力に長けていたんだと思います。

これはブランディングでもいっしょです。

いまある「価値のタネ」をどう見るかだと思う。ただ「素のタネ」のままでは価値にはなりません。
 友近さんならばちょっとクセのある笑いに、
商売やビジネスならば顧客の幸せに変換できるかどうかだと思う。

この変換の仕方次第で単なる人まねではなく、独自性が生まれるのだと思います。
これが繰り返されると、その人ならではのスタイルが生まれます。

そんあことを感じた日曜日のテレビでした。
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