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2012年09月07日(金)更新

メニューはブランドブックだ!

人々が幸せになるブランドをプロデュースするクエストリーの櫻田です。
 
飲食店には自分たちの商品を伝えるためのメニューがあります。
お客様はそれを見て来店を決め、商品をオーダーします。
 
実際店に入り、出るまでに何回メニューを見るのでしょうか。
先日入った築地の「すし好」さんでは、おつまみで3回、お寿司で2回、飲み物で2回の7回でした。
 
しかも、3人でいったのでおよそ2時間のうちにのべにすると21回見たことになります。
それにメニューを開かなくてもテーブルの上で、
ここに控えているよと存在感を放つのがメニューです。
 
これをブランディングに使わない手はありませんね。

多くのお店のメニューは商品と価格で構成されているし、
メニューのコンサルタントの話もこれをどう見せるかという話が多いですね。
 
でもそれだけでいいんだろうか?
 
お店に期待するのはその店の考え方や姿勢、バックストーリーや店主の個性も含んで商品であり、
対価に値するかの判断をしていると思う。
 
メニューにちょっとでいいので店の考えていること、
歴史やエピソードなどを短いストーリーで入れて見るのはおもしろいと思うね。

写真はクエストリーが取り組んだ両国のちゃんこ「巴潟」さんのメニューです。

表面には同店の「ミッション」を、
裏面に同店の初代であり、四股名が店名の由来となった
昭和の初期の名力士「巴潟」を紹介しています。


 
メニューとは別にそれ的なツールをおいてある店もあるけど、
それとは別に黙っていても目にはいるメニューの中に盛り込むのが理にかなっている。
 
そういうのはスタッフが語ることという意見もあるけど、
なかなかそれが上手く機能している店は少ないし、
スタッフのレベルの格差もあるのが実情です。
 
でもメニューに書かれていればそれがテキストになるので
オーダーの時に気のきいた一言が付け加えられるはず。
これでできなければ問題はもっと別にあると思う。
 
ブランディングではコンタクトポイントのツールや装置を
教育のステップに活用することが肝だけど、それはまた別な機会に。
 

2012年09月05日(水)更新

「銀座もとじの」はなぜ新しい着物のマーケットを創出できたのか?

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
正直いって大変だと思う。何が?それは着物のことです。
あなたは最近着物を着ている人を見たことがありますか?
いや、本来のマーケティング調査ならば「あなた(あなたのご家族)は最近着物を着ましたか?」
という質問になるのだろうと思う。
 
ところがこの質問が成り立たないほど、いまや着物の市場は日常的ではありません。
日常的ではないものは通常のマーケティングの概念には当てはまらない。

しかし、ほとんどの人が着ない着物が売れている店があります。
なぜなのでしょうか?その答えが「銀座もとじ」にあります。



 

衰退した市場で売り上げを伸ばしていくためには様々な方策が考えられますが、
根本的な解決策は「新たな市場」を作るか、あるいは「眠っている市場」を掘り起こしていくことです。
 
しかし、それは並大抵なことではありません。
それを「男のきもの」で実現したのが「銀座もとじ」です。

銀座もとじ→http://www.motoji.co.jp/
 
1988年、東京・銀座の2丁目に念願の路面店をオープンした泉二社長は、
すぐに銀座の百貨店、老舗店などとの競争という壁にぶつかります。
 
当時の「銀座もとじ」は染、織などの着物が並ぶ何でもありの総合型の店舗でした。
「自分は数多くの像に向かうアリの様なまのだ」と実感した泉二社長は
銀座での生き残りをかけて、個別ニーズに専門特化した店作りにシフトすることを決意します。
 
そのモットーは「新しい時代の新しい着物」でした。この言葉に泉二社長の決意が感じられます。
 
2000年の女性の織の着物専門店「和織」を皮切りに、染の着物の専門店「和染」、
和の文化発信基地「ぎゃらりー泉」、「銀座もとじ大島紬」を次々とオープン。

そして、専門特化の象徴ともいえるのが今年で10年目を迎える「銀座もとじ」男の着物です。



 

着物のそのものが衰退する中で「なぜ男の着物なのか?」。
ここに新しいマーケット開発の「肝」があります。泉二社長は語ります。

「多くの男性が国際交流を経験していくにつれ、
日本人としてのアイデンティッティを示すものとして着物を求める声が高まってきました。」
 
「その一方で男性が一人で気軽に足を運べる店がなかった。ならば、男性専門の着物専門店を作ろう」
ここが大きなステップになりました。

男性の着物市場はそれまでも存在しました。
しかし、国際化という切り口で専門店というカタチにしたことが素晴らしい。
 
いまでは「銀座もとじ」では、男の着物の売上が全体の約4割を占めるといいます。

「銀座もとじ」は、それまで一部の潜在的なニーズに過ぎなかった男性の着物を、
専門店化することにより、より顕在化したものとして新しいマーケットを作り出したのです。
 
9月12日(水)の「第26回ブランディングセミナー」では「銀座もとじ」の泉二社長から、
「業界の非常識であり、大手がやらない取り組みがブランディングにつながる」という講演をしていただきます。

まだ、お席がございますので、ぜひご参加ください。
 

第26回ブランディングセミナー
日 時:9月12日(水)13:30~18:00
会 場:東京国際フォーラムGブロック4階・408号室

詳しくは→http://www.questory.co.jp/



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