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2018年08月20日(月)更新

止むに止まれぬ思い

お取引先の創業社長の口癖は「熱くなれ」。
僕らの世代は感覚的にわかるけど、若い世代はいまひとつピンとこない。

でも、ピンとこないのをダメだとも思いません。



ある時「熱くなるってどういうことですか」と尋ねられたことがありました。
その時はパフォーマンスも必要じゃないのという曖昧な返事で済ませました。


でも、最近「ああこういうことが熱さの源なんだ」と感じるようになりました。

それは「止むに止まれる思い」です。



辞書的な解釈では次の通り。
やめようとしても、やめられない。そうするよりほかない」


ネガティブにとらえられがちかもしれませんが、
「何としても達成する」「どんなことがあってもやり遂げる」という
感情のほとばしりだと理解しています。



ブランディングに取り組んでいると、
理屈が通らない矛盾や社会的な課題にぶち当たることがたくさんあります。

「どう考えてもおかしい」そう思う瞬間が多々あるのです。


そういうものだとやり過ごせばいいのかもしれませんが、
そうはできない「止むに止まれぬ思い」に駆られるのです。


もちろん、簡単に解決できることではありません。
でもね、やり過ごすのは我慢できない。


「やっぱりおかしいじゃないか、よしやってやるぞ」
こうなると黙っていても熱くなります。



幕末の志士に大きな影響を与えた「吉田松陰」はこういう言葉を残しています。
「かくすれば かく なるとしりながら やむにやまれぬ 大和魂」

「こうすればこうなるとわかっていながら、やらずにはいられないのが日本人の魂だ」
こんな感じの意味だと思います。


経営も同じです。理不尽で本質が通じないことの連続です。
そんな時にどうするかです。


熱くなって何とかしよう行動を起こすか、
冷めたままそんなものとやり過ごすか

創業社長の「熱くなれ」は「前者になれ」と言いたいのだと思います。