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2014年12月04日(木)更新

干潟で育った牡蠣のブランディング

「小さくても光り輝くブランド」をプロデュースしているクエストリーの櫻田です。
 

クエストリーがブランディングを担当した
大分県中津市の「ひがた美人」という牡蠣のブランドが12月から発売開始となりました。



ネーミングの「ひがた」は「干潟」のことです。と言われてもピンとこない人もいると思います。
 
中津市は大分県の西北に位置する文化と歴史の城下町で、
あの福沢諭吉を輩出したところでもあります。

そして、ここには海岸線沿いに約30kmに渡る広大な干潟があるのです。
 
干潟は生態系の宝庫であり、かつては海苔の養殖、アサリ漁業で
地元の漁師さんたちの生活を支えてくれました。

しかし、水質や環境の劣化、温暖化現象等により、
干潟は豊かな実りをもたらしてくれるものではなくなってしまったのです。


この状況にたいして、中津市役所と大分漁業協同組合中津支店は、
漁業の復興と地元漁師の支援のために、立ち上がりました。

試行錯誤の末、たどり着いたのが牡蠣の養殖だったのです。
 

牡蠣の養殖は一般的には垂下方式です。しかし、中津の干潟は風が強く、
潮の満ち引きの関係もあり、これではうまく行きませんでした。

そこで出会ったのがオーストラリアで行われているシングルシード方式です。
 
籠状の容器に牡蠣を入れて育てるこの方式は、干潟での養殖に合っていたのです。
2年間の試験養殖で2万個の牡蠣が誕生しました。

そして、この12月から中津の干潟で育った牡蠣は本格的に市場に登場することになりました。
 

小振りながらその味わいは濃厚、本場オーストラリアの業者も驚いたほどです。
また、籠で育てているため、形状が通常のものよりもきれいです。
まさに、美人の牡蠣なのです。

しかし、日本各地で牡蠣の養殖が行われていることを考えると、後発であることは否めません。
 

クエストリーが中津市役所と大分漁業組合から
ブランディングのご依頼を受けたのは、今年の7月のことでした。

単に干潟で育てたということだけでは、一時的には注目されますが、
長期的には同質化競争になることが予想されました。
 
中津市に出向き、実際に海に出て、漁師さんたちとも酒を酌み交わしました。

プロジェクトのメンバーと何度も論議を重ね、
「牡蠣を食べたらキレイになった」をブランドテーマとする
牡蠣のブランド「ひがた美人」が誕生しました。
 
 


ブランディングクラブ:1月度ブランディングセッション



クエストリー:http://www.questory.co.jp


 
クエストリー・ブランディングクラブ
http://www.questory.co.jp/tabid/120/Default.aspx