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2013年02月05日(火)更新

アレルギーは起きて当然!

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースするクエストリーの櫻田です。


「気温上昇→春の気配→花粉飛散→花粉症→鼻水、目がかゆい→アレルギー」
と言うわけではないのですが、今回のテーマは「アレルギーは起きて当然!」。


ちょうど100年前の1913年のことです。
バレエリュス(ロシアバレエ団)のために一曲のバレエ音楽が作曲されました。

曲のタイトルは「春の祭典」、作曲者はロシア人の「イーゴリ・ストラヴィンスキー」。





「春の祭典」はいまでは20世紀を代表する音楽として知られていますが、
同年5月にパリのシャンゼリゼ劇場で初演された時には大変な騒ぎを巻き起こしました。

複雑なリズムと不協和音に満ちたこの曲は賛否両論を持って迎えれたのです。
(実際に聞いてみますと、個人的には違和感はまったくありませんが・・・)

賛否両論では優しい言い方かもしれません。

当日は曲が始まるとすぐに、嘲笑の声が上がり始めました。

次第に野次がひどくなり、賛成派と反対派がお互いを罵り合い、
しまいには殴り合りあいも始まったのです。

野次や足踏みなどで演奏している音楽はほとんど聞こえなくなり、
ついには振り付けのニジンスキーは舞台袖から拍子を数えて
ダンサーたちに合図しなければならないほどだったのです。

劇場オーナーは観客に対して、
「とにかく最後まで聴いて下さい」と叫んだほどだったと言います。

客席にいた作曲家「サンサーンス」は冒頭を聞いた段階で
「楽器の使い方を知らない者の曲は聞きたくない」といって席を立ったと伝えられます。

この初演の混乱は、大スキャンダルとなり、
当時の新聞には「春の虐殺」という見出しが躍りました。


いつの世もそうですが、既成の概念を打ち破る時には必ずアレルギーが生じます。

既存の利益や立場を守ろうとする反応はあって当然、
人は自分が取り組んだことのないものには必ず懐疑的になります。

同じようなことがブランディングやミッションのプロジェクトでもよく起きます。

じゃあどうするのか?

起きるべきアレルギーを織り込んで、進めていくことがすごく大事だと感じるこの頃です。


ちなみに初演で大きな騒ぎとなった「春の祭典」ですが、
2回目以降は大きな混乱も起きることはなくなりました。

翌1914年のシャンゼリゼ劇場での再演は大好評を博し、
「春の祭典」は楽曲としての評価を確立し、オーケストラのレパートリーとして定着したのです。
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