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2012年09月05日(水)更新

「銀座もとじの」はなぜ新しい着物のマーケットを創出できたのか?

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。
 
正直いって大変だと思う。何が?それは着物のことです。
あなたは最近着物を着ている人を見たことがありますか?
いや、本来のマーケティング調査ならば「あなた(あなたのご家族)は最近着物を着ましたか?」
という質問になるのだろうと思う。
 
ところがこの質問が成り立たないほど、いまや着物の市場は日常的ではありません。
日常的ではないものは通常のマーケティングの概念には当てはまらない。

しかし、ほとんどの人が着ない着物が売れている店があります。
なぜなのでしょうか?その答えが「銀座もとじ」にあります。



 

衰退した市場で売り上げを伸ばしていくためには様々な方策が考えられますが、
根本的な解決策は「新たな市場」を作るか、あるいは「眠っている市場」を掘り起こしていくことです。
 
しかし、それは並大抵なことではありません。
それを「男のきもの」で実現したのが「銀座もとじ」です。

銀座もとじ→http://www.motoji.co.jp/
 
1988年、東京・銀座の2丁目に念願の路面店をオープンした泉二社長は、
すぐに銀座の百貨店、老舗店などとの競争という壁にぶつかります。
 
当時の「銀座もとじ」は染、織などの着物が並ぶ何でもありの総合型の店舗でした。
「自分は数多くの像に向かうアリの様なまのだ」と実感した泉二社長は
銀座での生き残りをかけて、個別ニーズに専門特化した店作りにシフトすることを決意します。
 
そのモットーは「新しい時代の新しい着物」でした。この言葉に泉二社長の決意が感じられます。
 
2000年の女性の織の着物専門店「和織」を皮切りに、染の着物の専門店「和染」、
和の文化発信基地「ぎゃらりー泉」、「銀座もとじ大島紬」を次々とオープン。

そして、専門特化の象徴ともいえるのが今年で10年目を迎える「銀座もとじ」男の着物です。



 

着物のそのものが衰退する中で「なぜ男の着物なのか?」。
ここに新しいマーケット開発の「肝」があります。泉二社長は語ります。

「多くの男性が国際交流を経験していくにつれ、
日本人としてのアイデンティッティを示すものとして着物を求める声が高まってきました。」
 
「その一方で男性が一人で気軽に足を運べる店がなかった。ならば、男性専門の着物専門店を作ろう」
ここが大きなステップになりました。

男性の着物市場はそれまでも存在しました。
しかし、国際化という切り口で専門店というカタチにしたことが素晴らしい。
 
いまでは「銀座もとじ」では、男の着物の売上が全体の約4割を占めるといいます。

「銀座もとじ」は、それまで一部の潜在的なニーズに過ぎなかった男性の着物を、
専門店化することにより、より顕在化したものとして新しいマーケットを作り出したのです。
 
9月12日(水)の「第26回ブランディングセミナー」では「銀座もとじ」の泉二社長から、
「業界の非常識であり、大手がやらない取り組みがブランディングにつながる」という講演をしていただきます。

まだ、お席がございますので、ぜひご参加ください。
 

第26回ブランディングセミナー
日 時:9月12日(水)13:30~18:00
会 場:東京国際フォーラムGブロック4階・408号室

詳しくは→http://www.questory.co.jp/