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2012年06月27日(水)更新

一枚のTシャツが宝物に変わった瞬間

「人々が幸せになるブランドをプロデュースする」クエストリーの櫻田です。


 
今回のブログは「物語の力」を書こうと思います。

どんなに仕様がよくても、機能が優れていても
消費者との間に特別関係を作り出さなければ、いま消費は発生しにくい。
その特別な関係を作り出すのが「物語」です。
 
「物語」を好きになり、「モノ」を好きになり、そして欲しいという気持ちが生まれるのがいまの消費です。

ではでは、僕の実体験から「物語」をご紹介しますね。
 

僕の手元に一枚のTシャツがあります。
他人から見たら変哲もない白地に青の横文字がプリントされたTシャツですが、これは僕の宝物です。
 
これはいまから17年前にNYのジャズクラブ「Blue Note」で手に入れたもの。
 
その日、「Blue Note」に出演していたのは、ジャズヴィブラフォンの名プレイヤー「ミルト・ジャクソン」。
ステージ前の汗が飛んできそうな席で、その演奏を聴いてそれはそれは大感激のひととき。
 
ライブ終了後に店内のショップでTシャツを購入し、
スタッフにものは試しと「ミルト・ジャクソン、サインプリーズ」と言うと、
彼は階段を指さしてニヤッと笑ったのです。
 
2階の楽屋に行くと、演奏を終えたばかりの「ミルト・ジャクソン」が汗をぬぐっていました。

恐る恐るTシャツを差し出し、「フロムジャパン、サイン プリーズ」と言うと、
「ハアン」とうなり、サインペンを取り、こちらの顔を見つめています。
 
「HIRO My Name is HIRO」と言うとTシャツにさらさらとサインをしてくれました。



握手をしてスタッフに追いやられるように額屋を出ましたが、もう天にも昇る気持ちでした。
 
NYのジャズクラブ「Blue Note」のお土産として売られていた
Tシャツ(価格も大したことなかったと思います)ですが、
ジャズプレーヤー「ミルト・ジャクソン」にサインをしてもらったという「物語」が
加わることによりがらりと表情が変わります。
 
これが「物語」の持つパワーです。
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