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2011年06月10日(金)更新

映画「第三の男」を「午前十時の映画祭」で観る

「人々が幸せになるブランド」をプロデュースするクエストリーの櫻田です。

先日、日比谷のみゆき座で「午前十時の映画祭」の一作として上映されていた
懐かしの名作「第三の男」を久しぶりに観ました。

ご覧になられた方も多いと思いますが、この作品は1949年に製作されタイギリス映画です。
日本では1952年に公開されました。僕が生まれる前のことですね。
公開されると同時に話題となり、アカデミー撮影賞、カンヌ映画祭グランプリを受賞しました。

監督は名匠キャロル・リード(この人はフォロー・ミーと言うこれまたいい映画の監督さん)
原作はグラハム・グリーン(ハバナの男、ヒューマンファクターを書いた作家、好きですね)
出演者はジョゼフ・コットン、オーソン・ウェルズ、アリダ・ヴァリ、トレヴァー・ハワード
この顔ぶれをみると、おもしろくないはずがありません。

音楽はオーストリアの民族楽器をチターをアントン・カラスが演奏しています。
誰でも一度は耳にしたことがある哀愁を帯びた音色が
この映画をヒットさせたひとつの要因だと思います。
アントン・カラスの名演奏はこちらから⇒http://www.youtube.com/watch?v=zv-fG1GnofQ

そして舞台は第二次世界大戦直後の4カ国統治のウィーン。
このウィーンの光と影をオリジナルニュープリントのモノクロの映像が美しく映し出しています。

観るたびにすごいと思うのが、オーソン・ウェルズの何とも言えない強い存在感
暗闇の中から浮かび上がった悪っぽいちょっとはにかんだような表情
ウィーンの地下の下水道の中で最後に覚悟を決めて小さなうなづく表情
オーソン・ウェルズって本当にすごい!

有名な枯れ葉の舞う墓地の一本道をアリダ・ヴァリが歩んでくるrqストシーンも心にしみますね。
アリダ・ヴァリと言うイタリアの女優さんは2006年に85歳で亡くなられましたが、
戦時中はファシストに抗議して映画出演をやめたと言いますから相当気骨のある方だったようです。

いまから62年前の作品ですから、当然派手なアクションシーンもCGを使った映像もありませんが、
名作は時を超えて感動を呼び起こします。ちょっと昔の名作にはまりそうです。