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2009年03月03日(火)更新

銭湯ランナー

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

前々回、BLUE NOTEのTシャツのことを書きました。
本来の商品の基本価値をひっくり返せば、
新しい価値を創り出すことが出来るということです。
これまでとは違う消費のカテゴリーに移すことにより、新しいニーズが生まれます。

今朝、仕事へ行く準備をしながら、めざましテレビ(フジTV)を見ていましたら、
東京の人気ランニングコースを紹介していました。
一位は一周5キロの皇居だそうです。
そういえば、お世話になっている税理士事務所の先生も走っているらしい。

そんなことを思いながら、ぼんやりとテレビを見ていたら、
番組は「銭湯ランナー」という話題に移りました。
“なに、それ?”……思わず着替えの手を止めてしまいました。
「銭湯ランナー」ってご存知ですか?

最近ランニングやジョギングをする人がとても多い。
東京マラソンとメタボが後押ししているような気がします。
会社の近くでも、お昼休みに走っている人を見かけます。
当社にも毎朝3駅間を歩いている女性メンバーがいます。

昼間だけでなく、仕事が終わってから走る人もかなり多いようです。
問題は着替えの場所と荷物の保管。
公衆トイレで着替えて、コインロッカーに預けることが多かったようですが、
やっぱり不便ですよね。

そこで、仕事帰りランナーが目をつけたのが銭湯。
銭湯で着替えて、荷物を預けて走るのだそうです。
もちろん、走り終わった後は銭湯で汗を流して帰ります。
このランナーのことを「銭湯ランナー」と呼ぶのだそうです。
とくに女性ランナーに好評だとか。

僕の周りには温泉好きが結構多い。
でも銭湯に行っているという話はあまり聞かない。
お風呂に入り、体を洗いきれいにするだけならば自宅で充分だし、
リラックスやストレス解消では温泉やスーパー銭湯にかなわない。
詳しい数字は知らないけれども、町中の銭湯って年々減っていると思う。

でも、仕事帰りのランナーによって、
また銭湯が見直されているというからおもしろい。

「仕事帰りのランニング」というライフスタイルが、
銭湯の新しい価値を創り出しています。
430円の料金は本来の銭湯とは違うカテゴリーの消費です。

そんなに次々と画期的な商品は登場しません。(必要ないのかもしれない…)
でも目の前の見慣れた商品も消費のカテゴリーを変えることによって、
新しいニーズを持った商品に生まれ変わります。
その切り口は、一時的なトレンドではなく、ライフスタイルの変化です。

やっぱりモノの研究だけではなく、それを使う人の研究が大事ですね。
売り手側から見ると、お金をいただくことは、仕事の終了ですが、
お客様側から見ると、お金を払うことは、使うことの始まりです。


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