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2009年02月25日(水)更新

モノづくりの現場は、販売アイデアの宝庫

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

今週は、ある企画の取材で、お二人のジュエリーデザイナーの方とお会いしました。

お一人は、藤平卓さんです。
今日、市川にあります事務所にお邪魔させていただきました。
藤平先生は、数々のジュエリーコンテストで賞を受賞されており、
現在は審査員としても活躍されている方です。
事前にお写真を拝見し、ちょっと気難しい方かなと思っていたのですが、
にこやかにお話しをしてくださり、終始なごやかなインタビューとなりました。

藤平先生

昨日お会いしたもうお一人は、山梨県の甲府にいらっしゃる
ジュリオ・ペリチオーネさん。
イタリア・ナポリのご出身で、1995年に来日し、
以来ずっと日本で活動されています。
「ある歌舞伎役者がね、型破りというのは型があるから出来ると言っていたんだ」、
そんな話をお聞きすると、日本人よりも日本的だと思わざるを得ません。

ジュリオ

ジュエリー業界は、昨年来の景気の冷え込みが引き金となり、
業績不振に苦しむ店や企業が少なくありません。
しかし、その裏側には景気の問題だけではなく、
催事販売への偏重、安易な値引き販売、モノのみを売ろうとする販売姿勢などが、
消費者離れにつながっていることも否めません。

お二人のお話しをお聞きして、誠実にモノづくりに取り組んでいる姿勢が
よく理解できました。価格と価値のバランスもわかりました。

残念なのは、そういった商品のバックストーリーが
消費者まで伝わっていないということです。
デザイン工房→メーカー→問屋→小売店というリーチの長い流通の中で、
希薄になってしまっているのではと思います。

また、小売店の無関心(その背景には売れていた時代の感覚が残っています)も
大きな問題です。

伝言ゲームのように、創り手の思いが消費者まで伝わっていかないのです。
伝わらないだけでなく変質してしまうケースも少なくありません。

いつも思うのですが、モノづくりの現場は販売アイデアの宝庫です。
デザイナーの創作現場や加工・製造の場所に
足を運ばないのが不思議でなりません。

また創り手側にも、売り手側を通じて消費者の声にじっくりと耳を傾け、
時代にあった新しい企画を組み立てるプロデュース感覚が
求められていると思います。

ジュエリーデザイナーと消費者の橋渡しのイメージが湧いてきた取材でした。

藤平先生、ジュリオさんありがとうございました。

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