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2009年02月23日(月)更新

知らせることと、理解してもらうことの違い

こんにちは、クエストリーの櫻田です。

店に行くと、ふたつのタイプがあるのを感じます。
ひとつは、店のことを一生懸命知ってもらおうとしている店です。
もうひとつは、店のことをよく理解してもらおうとしている店です。

説得と納得といってもいいかも知れません。

知って欲しいという店では、
うちはこんな事が出来るんだよ、すごいんです、知らないでしょう
というテンションを感じます。価格の表示の仕方にもよくそれが表れています。

理解してほしいという店では、
自分たちはこういうことが好きです、これを大事にしてきた、これだけは譲れない
といった雰囲気を感じます。表面的にはわからないんですが、何となく感じます。

知ってほしい、理解してほしい、もちろんどちらも大事なことです。
でも理解してほしいという店のほうに、少しだけ小さな心配りを感じます。

POPやショーカードに特別なことが書いてあるのではないのですが、
店の中のすべてのものの総和がそう感じさせるのだと思います。

銀座まるかんの創業者で高額納税者番付にもたびたび登場する
斉藤一人さんのことを、ある週刊誌が紹介していました。
そこに書いてあったことが、ずっと気持にひっかかっていました。

斎藤さんが温泉に行くと、終了時間を知らせる貼り紙があったそうです。
「夜12時でお風呂は終わりです」

斎藤さんはこう書いてくれたらうれしいのにと言っています。
「夜12時までゆっくりとお風呂に入れます」

わずかな違いかもしれませんが、受け取る印象は随分と違いますよね。
先の貼り紙だと、ちょっといらっときますが、
後者は時間が少なくても気持ちよく入れそうです。

店の持っている世界観といってしまえば、その通りなのですが、
声高に語らなくても、小さなことの積み重ねで、じんわりとしみこんでくるのが
理解であり、納得ではないでしょうか。


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